健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年5月20日

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●教えてドクター 

★5月のテーマ「コレステロールの正しい知識」

名古屋大学病院 老年内科 教授
葛谷 雅文 先生

 血管の健康に良い生活のキーワードとしては、1番は運動です。運動(特に有酸素運動)をすると血液中の中性脂肪が下がります。それから悪玉コレステロールも下がります。一方善玉コレステロールは逆に上がりますから健康には良い状態になります。皆さんがよく内臓脂肪とか皮下脂肪と言っている、体の中にたまる脂肪はほとんど中性脂肪がたまっています。ところが血液中にも中性脂肪があります。血液検査をした時に先生から「中性脂肪(別名トリグリセライド)が高いね(または低いね)」と言われるのは血液中の中性脂肪のことです。中性脂肪も高いと悪玉コレステロールと同じように動脈硬化を進めるということがわかっていますので、なるべく下げておいた方が良いです。運動は血管の健康にとても良いのですが、もともとすごくコレステロールが高い人が、激しい運動をすると心臓の血管がつまったりします。そういったことは注意して運動した方が良いです。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

林ますみ さん ( 卵巣がん体験者のピアサポーター ) 

<力を入れて取り組んでいる事> 
私はがんの体験者です。ピアサポーターとしてがんの患者さんやご家族の悩みや不安を、同じ立場でお聞きしています。がんの告知をされると頭が真っ白になり、混乱する人が多いと思います。私もそうでした。お互いの治療体験や療養生活で得た共通の経験や情報から、自分のがんの事を正しく知って相談者自身がどうすれば良いかを一緒に考えます。その場で解決しなくても話をするだけで心が軽くなるということもあります。決して一人で不安や悩みを抱え込まないように気軽に相談に来て欲しいと思います。

<心に残るエピソード>
相談者の方が元気になっていく姿を見て、こちらがいつも元気をもらっています。ある余命宣告を受けた相談者が、「余命を目標に生きてきた。その余命を過ぎてしまって今後どう生きたらいいのかわからない。」と相談に来られました。私は余命はあくまでデータであり、治療薬やその人の体力や気力で変わっていく例をいくつも見てきました。余命3か月と言われたけれど13年生きて、治療をしながら色々な活動をしていた友人の話をしました。死を見つめるのではなくて、何をして生きるのかという目的を持つといいのではないかとお伝えしました。それまで目をつむって話されていて目があうことがなかった人が、目を開けて心が開いて明るくなっていく瞬間がわかりました。翌月も来られて「僕は林さんみたいなことがしたい。来月には地域で体験発表をする。」とおっしゃっていました。前向きに生きる姿への変化に感動しました。自分のピアサポート活動が認められたようでうれしかったことを覚えています。

<現場の課題> 
ピアサポーターの養成講座を1年かけて受講料とかなりのエネルギーを使って受けても、ピアサポーターをしない人が多くいます。身に着けた知識や情報は絶対に良かったと思います。本当は私と同じようにピアサポーターを続けて欲しいのですが、病院の治療をつづけなければならない人や、仕事に復帰した人や、会社に今まで通院で融通してもらっていたからこれ以上は休めない人等、続けられない理由はもっともなんです。でもその人達ががんの正しい知識や情報や色々勉強した事が今後も活かせるように1年に1回や2回、講座や講演会に是非参加してスキルアップして欲しいです。そして治療や仕事がひと段落した時にいつでもピアサポーターが始められるように準備をして下さるとうれしいですね。その時は是非協力させていただきたいと思います。
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