健康ライブラリー 2018年4月29日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★4月のテーマ「薬と薬局の最新事情」

金城学院大学 薬学部 教授
網岡 克雄 先生

 平成27年度から厚生労働省が健康サポート薬局というものを町の健康ステーションとして、設置していこうという政策を進めています。皆さんにとって薬局は頭が痛い時に行く、あるいは医師に処方箋をもらってお薬をもらうイメージが強いと思いますが、病気になる前に病気にならないようにアドバイスをする薬局が町の健康ステーションです。日常の軽い病気や風邪や頭痛が本当に風邪で終わっているのかどうかを見極めて、病院への受診勧告をしてもらうことも行います。また薬局には健康食品やその他のサプリメント、いわゆる自分が病気にならないためのアイテムがたくさん置いてあります。無駄に摂る必要はないですが必要なものを摂って、健康増進あるいは健康な生活をしていただくことをサポートするのも健康サポート薬局です。生活に密着した服薬指導ができる、家族の状況なども薬剤師が把握しているということも必要かもしれません。例えば薬局では検体検査といって、病院のように検査をできる薬局もいくつか出てきており、血糖値を測ったりヘモグロビンA1cを測ったりコレステロールを測ったりしています。こういうものをうまく利用して病院に行かなくてはいけない状況を早くつかむことも大切ではないでしょうか。日頃から簡単な血液検査を受けてアドバイス頂けるのが薬局健康サポート薬局です。またお値段もワンコインというものもありまして、気楽に受けられます。もちろん病院へかかって病気をちゃんと見てもらうことは大切ですが、まずスタートを自分で見極める時に、健康サポート薬局などを使って判断されてはどうかと思っています。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

西村 実紀子さん(合同会社・たまきあい 生活支援コーディネーター)

<力を入れて取り組んでいる事> 
合同会社たまきあいでは、「たまきのつどいは協」の運営をしています。協という字は力を合わせて協力するという言葉、協力の協という字です。本人の力、家族の力、地域の力をプラスして思いをかなえていこうという趣旨で名付けられたものです。平均利用者は1回25名程度ですがそのうちの1/3以上の方は軽度認知障害や認知症の方です。この場では認知症の方が認知症の方を支えたり、役割を担ってくれたりして持てる力を十分に発揮して下さっています。その事に力を得て元気な高齢者が、生きづらさや困りごとを抱えている方の支援ができる仕組み作りを行いたいなと思っています。2018年度は普段は自立して生活しているけれど病気やケガで寝込んだり、動けなくなったりした時に、ささっと家事支援を行ってくれる次世代ヘルパーの養成に取り組みたいと考えています。この方々は互いに支援者であり利用者です。それともう一つシングル家庭のお子さんなどへの学習支援を行いたいと考えています。あわせて子ども食堂実施のためのプロジェクトチームを立ち上げていきたいと考えています。

<心に残るエピソード> 
一人暮らしの80代後半の女性の方がこのまま年をとっていって、体が動かなくなってしまった時に、自宅に残って過ごすのがいいのか?施設に入るのがいいのか?どっちがいいの?とたずねられました。どこでどのようにと悩んでおられたこの方は関東に住むお子さんの元に引き取られて行きました。住み慣れた地域での仲のいいご近所さんとの繋がりを断ち切ってのこの結末を知った時、深い後悔に包まれました。それが彼女らしい選択だったのか?悩んでおられたこの方の思いに最後まで丁寧に向き合えなかったことを残念に思っています。また自分の思い通りには事は運ばない、人はそれぞれに考えることも求めることも異なるということも身をもって知ることのできたエピソードです。

<今後の現場の課題> 
私どもは会社を設立して間もないために、運営が軌道にのっていなくてスタッフを雇用する収入の確保策が確立していません。それが大きな課題となっています。やりたいことは色々あふれてくるのですが、お金にならないことばかりです。それが悩みと言えば悩みです。行政でもなく、住民だけでもない、その中間に位置する私達のような組織に何らかの支援が向けられるような仕組みができることを希望しています。
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