健康ライブラリー 2018年4月22日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★4月のテーマ「薬と薬局の最新事情」

金城学院大学 薬学部 教授
網岡 克雄 先生

 高齢者の方は複数の疾患に罹っている場合が多くなっています。そうしますとお薬の量が増えてくるという問題がございます。60歳前後を境に低年齢層と言われる働き盛りの方に比べて、服用している薬剤数(飲んでいるお薬の量)は増大する傾向があります。また75歳以上ではより多くなるという傾向があります。一方で6剤以上のお薬を飲むことで薬剤関連の有害事象の頻度が高くなる傾向があるということが厚生労働省のデータに出ております。そういった問題を解決するためには、医療関係者の中ではポリファーマシーという活動が行われています。これは、患者さんの薬を適切なものにしていこうという医療界全体の流れになっています。これを実行して行くためには、医師や地域の薬剤師さんや訪問看護に来てくださる看護師さん等、色々な職種の方が情報共有するということも必要です。まずは患者さんが飲んでいる薬を一元的に管理することがスタートになると思います。そこの中から減らせるものを考えていきますが、決して減らすことが目的ではありません。症状にあったお薬を飲んでいただくことが第一前提です。とはいうもののお薬の副作用により、また違う薬を飲むということも起こっています。お薬に関連しているところなので、やはり一番薬のことを知っている薬剤師が医療関係者に情報提供、問題点を指摘するということは大変大切だと思います。薬剤師の大きな業務として調剤をしてちゃんとお薬を供給することがありますが、その先にあるソフトの部分である、患者さんを見て患者さんにより良い医療を提供するという方向へ薬剤師業務は向かっています。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

鬼頭 正信 さん (名古屋逓信病院 リハビリテーション室 理学療法士)

<力を入れて取り組んでいる事> 
私の勤めている名古屋逓信病院では名古屋大学付属病院との医療連携の一環として、2016年度より呼吸リハビリテーションを開設しました。呼吸リハビリテーションとは、病気や体調によって呼吸器に障害が生じた患者さんに対して可能な限り機能を回復し、あるいは維持することによって症状を改善し、患者さん自身が自立した日常や社会生活を送れるように継続的に支援する医療です。呼吸器の病気を患うと、動作時に息切れや息苦しさが生じるため動くことを躊躇してしまいます。動かなければ食欲が低下し、栄養不足となります。その結果筋肉や体力が衰えることで息切れが増悪し、ますます動かなくなってしまうという悪循環に陥ります。このような悪循環に対して当院では十分な検査や評価を実施して、筋力訓練や重力訓練といった運動療法、薬剤の管理や注入薬の指導、栄養のアドバイス等を行っています。医師、看護師、医学療法士、薬剤師、栄養士、臨床検査技師等の医療専門職がチームを組み包括的に患者さんの自立をサポートさせていただいています。当院の外来での呼吸リハビリテーションプログラムは10週間、週2回、約1時間の介入です。そして運動療法で行う、自転車エルゴメーターでの持久力訓練や重水を使った筋力訓練で設定している負荷強度は全力の60~80%と大変きついものです。しかし、ほとんどの人がリハビリテーションの効果を実感され、プログラムの終了後も是非継続して続けたいと希望されます。年齢が80歳を超えていても、リハビリをしたおかげで北海道に行ってスキーができたと嬉しそうに話してくれた患者さんもいました。

<現場の課題> 
現在私達は「呼吸リハビリテーションの必要な患者さんが、名古屋市内のどこにいても適切なリハビリテーションが受けられるように」という思いから、「呼吸リハビリネットワーク」という組織を立ち上げました。そして関連施設との情報の共有、地域との連携や学習会の開催等の活動にも取り組んでいます。
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