健康ライブラリー

健康ライブラリー 2017年9月3日

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●教えてドクター 

★9月のテーマ「地域包括ケア」 
  
東海北陸厚生局 健康福祉部 地域包括推進課 
福本 功 さん 

今のこの時代の中で「包括ケア」という言葉がでてきた理由として、団塊の世代(第一次ベビーブームの世代)の方々が75歳を超える2025年からその10年先の2035年頃までは高齢者の急速な増加がありますし、その後もゆるやかに高齢者の割合は増加するという推計も出ております。介護を受けなければならない状態、これを「要介護」「要支援」と言います。その状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができる病院や診療所のかかりつけの医師の所へ行くことができ、それだけではなく定期的に訪問(家に来てくれる通所)の介護のサービスが受けられる、施設に入所するサービスを受けることができることが大切です。そして一番大事なのが生活の支援です。介護予防として自治会やボランティアの方等に見守りや買い物への付き添い、ご近所の集まり会やそこでの体操教室等の話をさせていただいています。今までは在宅での医療や介護等、別々に考えられていたものがトータルなものとして地域の中に存在しなければいけなくなり「地域包括ケア」という言葉ができたのではないかと思います。地域の中で色々なお話をさせていただいています。「地域包括支援センター」という所があるのですが、そこで「保健師さんに相談して利用を始めたんだ」とか「実家の近くの集会所に出掛けるようになって少し明るく元気になったな」という姿を見ることがありますという話も聞きます。それも一つの「地域包括ケア」なんだなと、比較的身近にあることに気付いていただくことも大切な政策の一つだと思っています。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

小林 清彦さん(愛生館コバヤシヘルスケアシステム副代表) 

<力を入れて取り組んでいる事> 
当法人は愛知県碧南市で地域のセーフティーネットの役割を担うことを目的として活動してまいりました。事業所にはリハビリ機能が充実した小林記念病院を中心として老人保健施設、特別養護老人ホーム等の高齢者施設、また在宅生活を支える訪問看護や訪問介護等があります。医療、介護、福祉を700名を超えるスタッフでトータルに提供しております。その中で今、特に「地域包括ケアシステム」構築のため病院関係者や介護関係者また行政等の方々との相互理解の橋渡しに対して特に力を入れております。 

<心に残るエピソード> 
地域で活動している中、日常生活を支えるスタッフは介護職が主になっております。昨今、介護職は、なかなかやりがいが持ちにくいという声があります。その中、当法人は目標を持ち、やりがいを持ちスキルアップをしてもらうために開催した「愛生館 介護オリンピック」というものがございます。これは「ベッドメイキング」といった競技種目を介護職として働くみんながスピードやできばえ、そして体に負担のない技術といったものを点数化して順位を決めるというものです。 

<地域の医療活動で感じる課題> 
超高齢社会を迎えるなか、各専門職の採用が困難になっております。特に介護職は有効求人倍率が5.4倍と、大変採用が困難な状況であります。そういったなかでこれから進めていこうとしている活動の一つは「介護オリンピック」ということで、今働いている方を含めて、やりがいのある職場づくりを整えております。また介護職の一部が3Kと言われるように大変マイナスなイメージありますが、現場を見ているとそう感じることは少ないです。皆さんやりがいを持って人々の人生を支えて、力強く働いているので、そういった魅力を伝えていきたいと思っております。
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