健康ライブラリー

健康ライブラリー 2017年9月10日

[この番組の画像一覧を見る]

●教えてドクター 

★9月のテーマ「地域包括ケア」 
  
東海北陸厚生局 健康福祉部 地域包括推進課 
佐々木 忠信 さん 

今現在、認知症の方が日本で480万人位いらっしゃるという状況ですが、2025年には700万人位に増えてしまうという状況です。こういった中、地域でどう暮らしていくかという話が必要だと思います。認知症が発症したからといって皆、支援が必要ということではなく、地域で何かしらの支援につながれば元気で引き続き暮らしていけるという方もたくさんいらっしゃいます。発見が遅くて地域で必要な支援が受けられずに症状が悪化してしまう方をなるべく減らしたいです。認知症の方は環境の変化が苦手ということがありますので、住み慣れた地域で暮らしていただくために早く発見し対応するということが必要だと思っております。認知症の「初期集中支援チーム」というものがございます。お医者さんを筆頭にして看護師さん作業療法士さん等の専門スタッフを交えてご自宅に訪問し、どういう必要な支援があるのか皆で考えながら、早期支援に結び付けていくという対応をしています。チーム自体が地域住民の方に認識されていないという課題があります。それについてはこういったラジオ出演等の機会も活用しながら発信していきたいと思っております。自宅に訪問した際に「私達は皆さんの味方なんです。」「皆さんのお手伝いさせていただくために我々は来たんです。」ということ伝えるのですが、拒否反応が高いというのはよく聞かれる話です。まず皆さんに「こういう活動があるんだよ」と認識していただくということが非常に重要だと思います。「皆が認知症について正しく知りましょう」という活動はすこしずつ広まってきています。小学校や中学校の講座の中で「認知症サポーター」の養成を組み込んでいる学校もございまして、小さな頃からそういったことを認識してもらうのは非常に大事だと思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

高田 明夫 さん (白壁調剤薬局)  

<力を入れて取り組んでいる事> 
お薬を患者様のご自宅にお届けして、お薬の説明や管理、副作用のチェック等を行う在宅業務に力を入れています。より質の高い在宅業務を行うために医師と一緒に往診をすることにも力を注いでいます。また高齢者の方々、特に寝たきりの患者様に多い褥瘡、いわゆる床ずれの治療にも力を注いでおります。その床ずれの処置のデモンストレーションやアドバイスにも力を注いでおります。デモンストレーションと言いましても患者様に直接触れて処置(ケア)を他の方、ご家族の方や看護師さんと一緒に行ってどのようなことに注意すべきかを指導しています。今では薬剤師も患者様の体に触れてケアをしたり、フィジカルアセスメントと言いまして心臓の音やお腹の音や肺の音等を聞いたりしております。 

<心に残るエピソード> 
医師や訪問看護師やヘルパーさんと密な連絡を取り、難治性の床ずれを完治させたことがとても印象に残っております。また医師に依頼されて薬の専門家である薬剤師からの視点における床ずれの治療スケジュール(メニュー)を組んで、床ずれの治療を行ったこともとても印象に残っております。
 
<今の地域医療が抱えている課題> 
褥瘡(床ずれ)は昔は治しづらかった病気ですが、今では色々な良い薬がたくさんでています。床ずれは治せるという意識改革がまずは必要だと思います。またご家族を含めて多職種(医師、薬剤師、看護師等)の様々な方と連携をとって治療に向かうことがとても大切だと思います。
関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報