健康ライブラリー

健康ライブラリー 2017年10月8日

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●教えてドクター 

★10月のテーマ「LGBT」

名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教 
松尾 かずな 先生 

性同一性障害ではない人が「性同一性障害」として治療を受けていることがあります。治療薬をインターネットや個人輸入という形で手に入れて自分の判断で投与してしまう。時には手術が必要でない人まで手術を受けるということが現状として見受けられるような気がします。基本的に「性同一性障害」と言いましても様々な段階があります。例えば私が他の先生から聞いた表現ですが、風邪を例にとってみても鼻風邪から肺がんまで風邪症状には多様なものがあります。肝炎でも風邪症状をおこします。もちろん鼻風邪の人に手術は必要ではありませんし肺炎の人にも手術は必要ありません。肺炎には抗菌薬治療が必要ですが鼻風邪に抗菌薬は必要ありません。しかし、肺がんには手術が必要となります。肝炎は別の治療が必要です。「性同一性障害」も同様で、鼻風邪のような「性同一性障害」から肺がんのような「性同一性障害」があります。「性同一性障害」と思っても肝炎のように別の病気のことがあります。現状では、鼻風邪の人や肝炎の人まで、肺がんの手術を受けていると考えていただくと分かりやすいかもしれません。今、学会が認定制度を作り始めているところで、専門的に診られる医者を増やしていこう、また専門的に診られる病院(施設)も増やしていこうとしておりますが、残念ながら国内の大学で診断から手術までできる病院が非常に少なくなっています。ですから、その病院作りやガイドラインについて、現状からするともう少し患者に寄り添ったものが必要になってくると思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

掛札 翼 さん(豊が丘薬局 薬剤師) 

<力を入れて取り組んでいる事> 
名古屋市名東区にある豊が丘薬局で地域に根差した薬局を目標に業務を行っています。医師に処方された調剤はもちろん唯のお薬等の相談、ご自宅を訪問しお薬の管理等をさせていただいています。最近公認スポーツファーマシストという資格を取得しました。スポーツファーマシストとは協議者を含めたスポーツに関わる人達に薬の正しい使い方の指導や薬に関する健康教育等の普及を行い、スポーツにおけるドーピングを防止することを主な活動としています。日本の中で多いドーピングは意図していない、うっかりドーピングと言われるもので、病院の薬だけではなくドラッグストアや薬局に売られている市販薬を服用することでドーピング違反が起こってしまうことがあります。それらを防ぐために日々最新の情報を取り入れてスポーツファーマシストは対応しています。近くの薬局にいるスポーツファーマシストをインターネットで探すこともできるので是非ご覧ください。 

<心に残るエピソード> 
足が不自由で、ご自宅に訪問してお薬の管理等を担当させていただいた患者さんがいらっしゃいました。最初は薬剤師が訪問することに抵抗があったようで、あまり心を開いてくれませんでした。「お薬をできるだけ少なくしたい」という患者さんの希望をかなえるために医師と相談しお薬の調整をさせていただくことで、徐々にいろいろな話をしてくださるようになりました。お薬以外のこともしゃべるようになり「毎週たのしみにしているよ」とあたたかいお言葉をいただき、とても印象に残っています。 

<これからの課題> 
スポーツファーマシストもそうなのですが薬剤師のご自宅の訪問や学校薬剤師等、薬局の仕事の内容をまだまだ地域の皆さんに知られてないことが多いです。一つずつ情報発信を行っていくことで、地域のかかりつけ薬局として皆様の健康をサポートしていきたいと思います。どんなことでもいいので気軽に薬局に来ていただいて薬剤師にご相談ください。
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