●教えてドクター
★10月のテーマ「LGBT」
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
「LGBT」の中で治療が必要になるものが「性同一性障害」と「性分化疾患(DSD)」です。私自身は性同一性障害の治療を行っており、ホルモン療法などが担当になります。私の国内留学先の札幌医科大学泌尿器科ではホルモン療法と手術療法を担当していました。性同一性障害の治療の歴史ですが、1960年代にハリー・ベンジャミンというアメリカの医者の所に、生まれが男性であって女性の気持ちがあるという方がいらっしゃいました。もしかしたら「それは思い込みじゃないのか?」と考えるのが自然なのかもしれません。ハリー・ベンジャミンも最初はそう思いました。思い込みだから、もとの体の性別にあわせた治療、つまり男性であるから男性ホルモンを投与し、ひげを生やしたらどうか?結婚はどうか?彼女はどうか?男らしさを褒めるという治療をしたようです。残念ながらそこにきた患者さんは、すべて自殺をしたり、重いうつ病などを抱えて精神病院に入ってしまって社会復帰ができなくなったそうです。その反省からハリー・ベンジャミンは自分が間違っていたと考えて、「体を心にあわせるという治療が標準治療ではないか?」と打ち出しました。その結果、例えば体は男性だが心は女性という方に関しては女性ホルモンを投与し、元々女性だが心は男性という方には男性ホルモンを投与するという治療法が始まりました。性器の手術に関しても逆の形態に近づける治療をしました。その結果、多くの人が社会復帰できるようになりました。その流れの中で名古屋大学でも性同一性障害の標準治療としてホルモン療法に関しては、生まれた時は男性で心が女性であれば女性ホルモンを投与しますし、元々女性である方が男性であるという診断を受けられた場合には男性ホルモンを投与する治療をしています。性別の違和感に一緒に付き合っていくということが大事になりますので、ホルモン療法だけで社会的に不適応な状態を減らすことができる方も多いです。
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
「LGBT」の中で治療が必要になるものが「性同一性障害」と「性分化疾患(DSD)」です。私自身は性同一性障害の治療を行っており、ホルモン療法などが担当になります。私の国内留学先の札幌医科大学泌尿器科ではホルモン療法と手術療法を担当していました。性同一性障害の治療の歴史ですが、1960年代にハリー・ベンジャミンというアメリカの医者の所に、生まれが男性であって女性の気持ちがあるという方がいらっしゃいました。もしかしたら「それは思い込みじゃないのか?」と考えるのが自然なのかもしれません。ハリー・ベンジャミンも最初はそう思いました。思い込みだから、もとの体の性別にあわせた治療、つまり男性であるから男性ホルモンを投与し、ひげを生やしたらどうか?結婚はどうか?彼女はどうか?男らしさを褒めるという治療をしたようです。残念ながらそこにきた患者さんは、すべて自殺をしたり、重いうつ病などを抱えて精神病院に入ってしまって社会復帰ができなくなったそうです。その反省からハリー・ベンジャミンは自分が間違っていたと考えて、「体を心にあわせるという治療が標準治療ではないか?」と打ち出しました。その結果、例えば体は男性だが心は女性という方に関しては女性ホルモンを投与し、元々女性だが心は男性という方には男性ホルモンを投与するという治療法が始まりました。性器の手術に関しても逆の形態に近づける治療をしました。その結果、多くの人が社会復帰できるようになりました。その流れの中で名古屋大学でも性同一性障害の標準治療としてホルモン療法に関しては、生まれた時は男性で心が女性であれば女性ホルモンを投与しますし、元々女性である方が男性であるという診断を受けられた場合には男性ホルモンを投与する治療をしています。性別の違和感に一緒に付き合っていくということが大事になりますので、ホルモン療法だけで社会的に不適応な状態を減らすことができる方も多いです。