●教えてドクター
★10月のテーマ「LGBT」
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
我が国で「LGBT」に対する医療を動物実験のレベルからきちんとやっている施設はほとんどありません。前回お話ししたように性同一性障害一つとっても、鼻風邪から肺がんまでというようないろいろな病態があるということが自覚されていないかもしれません。性同一性障害に対する治療に有効なものと無効なもの、より有効なものとしてはどのようなものがあるのかということや、ホルモン療法の副作用についても実はあまり分かっていないのかなというように考えています。動物実験で検証したのですが予想以上に合併症というか副作用がおきましたので、実際に同じ治療をヒトに対して行った場合に何が起こるかわからないというところがあるかもしれません。ホルモン療法も実は研究をもっとすすめていかなければいけないし、診断の効率化やケアについても研究を深めていく必要があります。課題は山積していますが残念ながら研究する環境というのは非常に乏しいのかもしれません。人材の育成や研究体制についてはきちんとしたセンター化が必要です。大学にこういったことを研究する講座を作ったりする体制作りは必要になってくると思います。薬の使い方やカウンセリングの担い手についての教育体制も充実させていかなければならない課題だと思います。
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
我が国で「LGBT」に対する医療を動物実験のレベルからきちんとやっている施設はほとんどありません。前回お話ししたように性同一性障害一つとっても、鼻風邪から肺がんまでというようないろいろな病態があるということが自覚されていないかもしれません。性同一性障害に対する治療に有効なものと無効なもの、より有効なものとしてはどのようなものがあるのかということや、ホルモン療法の副作用についても実はあまり分かっていないのかなというように考えています。動物実験で検証したのですが予想以上に合併症というか副作用がおきましたので、実際に同じ治療をヒトに対して行った場合に何が起こるかわからないというところがあるかもしれません。ホルモン療法も実は研究をもっとすすめていかなければいけないし、診断の効率化やケアについても研究を深めていく必要があります。課題は山積していますが残念ながら研究する環境というのは非常に乏しいのかもしれません。人材の育成や研究体制についてはきちんとしたセンター化が必要です。大学にこういったことを研究する講座を作ったりする体制作りは必要になってくると思います。薬の使い方やカウンセリングの担い手についての教育体制も充実させていかなければならない課題だと思います。