●教えてドクター
★10月のテーマ「LGBT」
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
「LGBT」の人達が一般の人に比べて自殺を考える率が非常に高いことが統計でわかっております。当事者の3分の2が自殺を考えたことがあるようです。学校や社会、企業が生活の場面のほとんどですが、そこが生きやすいこと、ストレスがない社会であることが大事だと思います。子ども達の最初の壁になるかもしれない学校では、まず当事者の話をよく聞いていただくということが大事だと思います。「性別に悩んでいる」と言われたらすぐに病院に連れて行こうという方もいらっしゃいますが、病院というのはあくまでも診断と治療の場所なので、そこでは子ども達の心のケアがうまくはかれない可能性が十分にありますし、そもそも「LGBT」の多くは病気ではありません。そういった意味ではスクールカウンセラーの先生達にこの問題についてよく知っていただくということと、学校の先生達にもすぐ病院ではなく、まず本人と十分に向き合っていただくことが大事だと思います。次に企業に求めることですが、本人の持てる力が環境を整えることで十分に発揮できれば、社会的には相当なメリットになるのではないかと考えます。今、法制度が変わってきていますし、「LGBT」の方の能力をきちんと受け入れて共に歩んでいこうという企業が増えてきています。具体的な提案ですが、「LGBT」の当事者が1番困るのはトイレだと思うのですが、トイレについては誰でも使えるようなものを含めて、そこをどう使うかにあまりとらわれないことだと思います。駅等のトイレの女性用、男性用の真ん中に車椅子の方等、誰でも使える広いトイレを設置することは「LGBT」の方がトイレを使いやすくなるきっかけになるかもしれません。また、私自身が医療の世界に入っている関係でどうしても患者さんの健康を大事にしたいと思っていますが、私の次につながる人の育成や治療についての研究が進んでいないというのが現状です。簡単に言うと名古屋大学に「LGBT」の医療を考える講座を作れると、もう少しうまくことが進むのかなと考えるところもあります。いろいろな現場でこの問題を考える場を多様に作っていくことが必要だと思います。
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教
松尾 かずな 先生
「LGBT」の人達が一般の人に比べて自殺を考える率が非常に高いことが統計でわかっております。当事者の3分の2が自殺を考えたことがあるようです。学校や社会、企業が生活の場面のほとんどですが、そこが生きやすいこと、ストレスがない社会であることが大事だと思います。子ども達の最初の壁になるかもしれない学校では、まず当事者の話をよく聞いていただくということが大事だと思います。「性別に悩んでいる」と言われたらすぐに病院に連れて行こうという方もいらっしゃいますが、病院というのはあくまでも診断と治療の場所なので、そこでは子ども達の心のケアがうまくはかれない可能性が十分にありますし、そもそも「LGBT」の多くは病気ではありません。そういった意味ではスクールカウンセラーの先生達にこの問題についてよく知っていただくということと、学校の先生達にもすぐ病院ではなく、まず本人と十分に向き合っていただくことが大事だと思います。次に企業に求めることですが、本人の持てる力が環境を整えることで十分に発揮できれば、社会的には相当なメリットになるのではないかと考えます。今、法制度が変わってきていますし、「LGBT」の方の能力をきちんと受け入れて共に歩んでいこうという企業が増えてきています。具体的な提案ですが、「LGBT」の当事者が1番困るのはトイレだと思うのですが、トイレについては誰でも使えるようなものを含めて、そこをどう使うかにあまりとらわれないことだと思います。駅等のトイレの女性用、男性用の真ん中に車椅子の方等、誰でも使える広いトイレを設置することは「LGBT」の方がトイレを使いやすくなるきっかけになるかもしれません。また、私自身が医療の世界に入っている関係でどうしても患者さんの健康を大事にしたいと思っていますが、私の次につながる人の育成や治療についての研究が進んでいないというのが現状です。簡単に言うと名古屋大学に「LGBT」の医療を考える講座を作れると、もう少しうまくことが進むのかなと考えるところもあります。いろいろな現場でこの問題を考える場を多様に作っていくことが必要だと思います。