健康ライブラリー

健康ライブラリー 2017年10月29日

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●教えてドクター 

★10月のテーマ「LGBT」

名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 助教 
松尾 かずな 先生 

「LGBT」の人達が一般の人に比べて自殺を考える率が非常に高いことが統計でわかっております。当事者の3分の2が自殺を考えたことがあるようです。学校や社会、企業が生活の場面のほとんどですが、そこが生きやすいこと、ストレスがない社会であることが大事だと思います。子ども達の最初の壁になるかもしれない学校では、まず当事者の話をよく聞いていただくということが大事だと思います。「性別に悩んでいる」と言われたらすぐに病院に連れて行こうという方もいらっしゃいますが、病院というのはあくまでも診断と治療の場所なので、そこでは子ども達の心のケアがうまくはかれない可能性が十分にありますし、そもそも「LGBT」の多くは病気ではありません。そういった意味ではスクールカウンセラーの先生達にこの問題についてよく知っていただくということと、学校の先生達にもすぐ病院ではなく、まず本人と十分に向き合っていただくことが大事だと思います。次に企業に求めることですが、本人の持てる力が環境を整えることで十分に発揮できれば、社会的には相当なメリットになるのではないかと考えます。今、法制度が変わってきていますし、「LGBT」の方の能力をきちんと受け入れて共に歩んでいこうという企業が増えてきています。具体的な提案ですが、「LGBT」の当事者が1番困るのはトイレだと思うのですが、トイレについては誰でも使えるようなものを含めて、そこをどう使うかにあまりとらわれないことだと思います。駅等のトイレの女性用、男性用の真ん中に車椅子の方等、誰でも使える広いトイレを設置することは「LGBT」の方がトイレを使いやすくなるきっかけになるかもしれません。また、私自身が医療の世界に入っている関係でどうしても患者さんの健康を大事にしたいと思っていますが、私の次につながる人の育成や治療についての研究が進んでいないというのが現状です。簡単に言うと名古屋大学に「LGBT」の医療を考える講座を作れると、もう少しうまくことが進むのかなと考えるところもあります。いろいろな現場でこの問題を考える場を多様に作っていくことが必要だと思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

高木 長美 さん(北海道・美幌町立 国民健康保険病院 臨床工学技士) 

<力を入れて取り組んでいる事> 
美幌町は北海道の東部にありまして、北見市や網走市の近くになります。札幌からですと車で約4時間半位かかりますが、知床にも近く自然に囲まれた住みやすい町だと思っています。最近、外科の先生も着任され、泌尿器科と整形外科の先生もここ2,3年で着任されました。手術の件数が増えていますので、臨床工学技士として今は手術室業務に力を入れて頑張っています。手術室には様々な医療機器があり、手術の内容により使用する医療機器が変わるため、これらの手術が安全かつ円滑に行われるように手術室内の医療機器の操作や術前・術後の保守点検を行っています。当院では外科、泌尿器科、整形外科、総合診療科の手術や検査に立ち会っています。 

<患者さんやご家族に気を配っている点> 
手術室のスタッフで手術を受けられる患者様の術前訪問に行くのですが、その時に患者様や患者様のご家族とお話したりすることが多いので、少しでも手術に対する不安を取り除けるように接しています。 

<現場の課題> 
私達の病院が道東にあるものですから、手術の件数は増えているのですが、整形外科に使用する手術器械や緊急手術に使用する物品の手配が厳しい面もありますので、手術が円滑に行えるよう調整を心掛けています。今後も地域医療に貢献できるよう努力してまいります。
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