●教えてドクター
★11月のテーマ「認知症をめぐる社会の課題」
名古屋大学医学部附属病院 老年内科
小宮 仁 先生
認知機能が低下した場合に心配されることとして、迷子になったり詐欺にひっかかったりということがあると思います。例えば徘徊をすることで線路の中に入り込んでしまったうえで、事故を引き起こしてしまうということが新聞報道でもありました。最高裁の判決は平成28年にでましたが、認知症の方自身には責任能力が無いということで責任を問われないことになりました。認知症の方を監督すべき者に対しては、賠償責任があるのではないかということが法的な問題となりました。最高裁においては同居する配偶者だからといって、必ずしも監督義務者ではないという判断になりました。ただ、それ以外の生活背景等の色々な事情を考えたうえで、監督義務を引き受けたとみなされるような特別な事情があれば責任を負う場合もあるという判断をしました。どのような事情があったら責任を負うかということになりますと、まだ先例もあまり無いので具体的にはわかっていないというのが正直なところです。
名古屋大学医学部附属病院 老年内科
小宮 仁 先生
認知機能が低下した場合に心配されることとして、迷子になったり詐欺にひっかかったりということがあると思います。例えば徘徊をすることで線路の中に入り込んでしまったうえで、事故を引き起こしてしまうということが新聞報道でもありました。最高裁の判決は平成28年にでましたが、認知症の方自身には責任能力が無いということで責任を問われないことになりました。認知症の方を監督すべき者に対しては、賠償責任があるのではないかということが法的な問題となりました。最高裁においては同居する配偶者だからといって、必ずしも監督義務者ではないという判断になりました。ただ、それ以外の生活背景等の色々な事情を考えたうえで、監督義務を引き受けたとみなされるような特別な事情があれば責任を負う場合もあるという判断をしました。どのような事情があったら責任を負うかということになりますと、まだ先例もあまり無いので具体的にはわかっていないというのが正直なところです。