●教えてドクター
★11月のテーマ「認知症をめぐる社会の課題」
名古屋大学医学部附属病院 老年内科
小宮 仁 先生
警察庁の統計によれば平成26年の交通事故の件数は54万件余りとされております。10年前と比較すると大体半分位になっています。しかしながら平成26年の75歳以上の高齢運転者による交通事故の数は3万件余りとされておりまして、10年前と比べると1.4倍という報告がされています。このような状況から75歳以上の高齢運転者に関しては、交通安全対策が必要であると考えられました。それで道路交通法が改正されたという経緯があります。今年の3月から改正、施行というかたちになっております。75歳以上の運転免許更新の方は一律、認知機能検査を受けるということになりました。そのような認知機能検査を受けて認知症のおそれがあると判断された場合には、診断書を提出するということになりました。診断書を都道府県の公安委員会に提出したうえで、一般的には免許の取り消しになったりする場合が多いと思います。自動車が大切な移動手段であった場合や運転することが本人生きがいであった場合はやはり手当てが必要だと思います。特に運転できなくなったことで外出しなくなって引きこもりになってしまうのではないか、あるいは移動手段がなくなった場合にはどのように移動したらいいんだということで、社会生活を支援することも必要になってくると思います。お年寄りの方が交通事故をおこさないように社会で守っていく、あるいは被害がでないように対策を講じることとその後のお年寄りの生活をフォローするということの両面の政策がこれからは求められます。
名古屋大学医学部附属病院 老年内科
小宮 仁 先生
警察庁の統計によれば平成26年の交通事故の件数は54万件余りとされております。10年前と比較すると大体半分位になっています。しかしながら平成26年の75歳以上の高齢運転者による交通事故の数は3万件余りとされておりまして、10年前と比べると1.4倍という報告がされています。このような状況から75歳以上の高齢運転者に関しては、交通安全対策が必要であると考えられました。それで道路交通法が改正されたという経緯があります。今年の3月から改正、施行というかたちになっております。75歳以上の運転免許更新の方は一律、認知機能検査を受けるということになりました。そのような認知機能検査を受けて認知症のおそれがあると判断された場合には、診断書を提出するということになりました。診断書を都道府県の公安委員会に提出したうえで、一般的には免許の取り消しになったりする場合が多いと思います。自動車が大切な移動手段であった場合や運転することが本人生きがいであった場合はやはり手当てが必要だと思います。特に運転できなくなったことで外出しなくなって引きこもりになってしまうのではないか、あるいは移動手段がなくなった場合にはどのように移動したらいいんだということで、社会生活を支援することも必要になってくると思います。お年寄りの方が交通事故をおこさないように社会で守っていく、あるいは被害がでないように対策を講じることとその後のお年寄りの生活をフォローするということの両面の政策がこれからは求められます。