●教えてドクター
★12月のテーマ「介護予防・・・たかが転倒されど転倒」
名古屋大学医学部附属病院 地域包括医療連携センター 病院講師
名古屋逓信病院 老年内科
廣瀬 貴久 先生
フレイル(虚弱)のイメージで大事なところは、フレイルは慢性の病気と違って、元気な状態に引き戻すことができる状態ということです。フレイルというのは介護状態とはいえないが、元気であるとも言えず、その中間の介護が必要となる少し前の状態と考えられています。このフレイルの状態を改善できれば、要介護に至るのを防ぐとともに、自立度を高くすることができると期待されています。具体的には栄養をしっかり摂って運動をすることで、フレイルではない自立度の高い状況まで回復できることが可能であると多くの研究で示されています。運動に関しては下肢の筋力アップとバランス能力の改善ということが重視されています。必要に応じて補助を使いながらバランス能力を改善し、下肢の筋力を鍛えていくようなことを地道に怪我無くやっていくと、いずれバランス能力と筋力はついてきます。お年寄りになっても、年齢に関係なく筋肉はつくということは最近よくわかっていることであり、積極的に安全に注意しながら運動していただくことが重要だと思います。また、栄養面では、ほとんどのフレイルと診断されるお年寄りが、栄養状態があまりよろしくないことが調査でわかっています。在宅で生活しているお年寄りもそうですし、施設にいるお年寄りはさらに悪いということもわかっています。これまで、このフレイルと診断されるお年寄りに栄養障害が存在するという事実に皆様があまり注目されていなかったことも、お年寄りのフレイルを促進している一つの要因であります。今後は、積極的に高齢者の栄養評価をして栄養状態を改善していく試みがこれからの高齢社会の課題の一つとなっています。また、食欲がなくなる原因には、フレイルサイクル以外に精神的な問題もあります。案外お年寄りには、鬱という状況が多くみられます。また、鬱もそうですが認知症があって意欲がなくなることもあります。体はもちろんなのですが、精神的に盛り立てる目的で、社会参加を促したり、その人に関わるふれあいを持ったりといった、物理的な面ではなく精神的な面でのサポートも食欲を増すことに関しては重要なポイントになっています。
名古屋大学医学部附属病院 地域包括医療連携センター 病院講師
名古屋逓信病院 老年内科
廣瀬 貴久 先生
フレイル(虚弱)のイメージで大事なところは、フレイルは慢性の病気と違って、元気な状態に引き戻すことができる状態ということです。フレイルというのは介護状態とはいえないが、元気であるとも言えず、その中間の介護が必要となる少し前の状態と考えられています。このフレイルの状態を改善できれば、要介護に至るのを防ぐとともに、自立度を高くすることができると期待されています。具体的には栄養をしっかり摂って運動をすることで、フレイルではない自立度の高い状況まで回復できることが可能であると多くの研究で示されています。運動に関しては下肢の筋力アップとバランス能力の改善ということが重視されています。必要に応じて補助を使いながらバランス能力を改善し、下肢の筋力を鍛えていくようなことを地道に怪我無くやっていくと、いずれバランス能力と筋力はついてきます。お年寄りになっても、年齢に関係なく筋肉はつくということは最近よくわかっていることであり、積極的に安全に注意しながら運動していただくことが重要だと思います。また、栄養面では、ほとんどのフレイルと診断されるお年寄りが、栄養状態があまりよろしくないことが調査でわかっています。在宅で生活しているお年寄りもそうですし、施設にいるお年寄りはさらに悪いということもわかっています。これまで、このフレイルと診断されるお年寄りに栄養障害が存在するという事実に皆様があまり注目されていなかったことも、お年寄りのフレイルを促進している一つの要因であります。今後は、積極的に高齢者の栄養評価をして栄養状態を改善していく試みがこれからの高齢社会の課題の一つとなっています。また、食欲がなくなる原因には、フレイルサイクル以外に精神的な問題もあります。案外お年寄りには、鬱という状況が多くみられます。また、鬱もそうですが認知症があって意欲がなくなることもあります。体はもちろんなのですが、精神的に盛り立てる目的で、社会参加を促したり、その人に関わるふれあいを持ったりといった、物理的な面ではなく精神的な面でのサポートも食欲を増すことに関しては重要なポイントになっています。