●教えてドクター
★2月のテーマ「アドバンス・ケア・プラニング」
国立長寿医療研究センター 地域医療連携室長
西川 満則 先生
アドバンス・ケア・プラニングという取り組みが、重要になってきていると言われる大きな理由は二つあります。一つは医療現場で最期まで本人の意思が尊重されるということが難しい中で、アドバンス・ケア・プラニング(ACP)をしていくことで、ご本人が自分の意思を尊重してもらえるという実感を持つことができます。これがACPが重要である一番大きな理由です。ご本人の意思が尊重されなくなっている理由として、一番わかりやすいのが認知症の方が多くなったことがあります。認知症になって自分で判断することが難しくなったときに、例えばごはんを口から食べられなくなった時に「チューブを使った人工栄養をしますか?どうですか?」という問いについて、ご本人に伺うことが難しいです。その時にご家族は悩みます。たとえ家族のことであったとしても命に関わることを家族である私達が決めないといけないのか?ということになります。その時に今の目の前のご本人には判断が難しいとしても、もしACPで何らかの言葉を家族に残しておられたならば、難しい判断が「本人がそう思っていたんだから」ということで少し楽になります。そういった中でご本人の気持ちが尊重されていくということが言えると思います。早い段階で色々な話し合いをしていくことが重要です。ACPという話し合いがなされることで、本人の思いの奥深い所がよくわかると言えるかもしれません。例えば「最期は家に帰りたい」と言う人は多いかもしれません。その人の長い人生の物語から、なぜ家に帰りたいかという本当の奥底の「家に帰りたい」思いがわかってくるかもしれません。最期の段階の医療判断、ケアの判断は非常に難しくて誰にでもストレスがかかります。「本人の思いがそうだったんだから」という言葉だけが、判断の時の気持ちの辛さを少し楽にしてくれるということを私達はよく経験します。
国立長寿医療研究センター 地域医療連携室長
西川 満則 先生
アドバンス・ケア・プラニングという取り組みが、重要になってきていると言われる大きな理由は二つあります。一つは医療現場で最期まで本人の意思が尊重されるということが難しい中で、アドバンス・ケア・プラニング(ACP)をしていくことで、ご本人が自分の意思を尊重してもらえるという実感を持つことができます。これがACPが重要である一番大きな理由です。ご本人の意思が尊重されなくなっている理由として、一番わかりやすいのが認知症の方が多くなったことがあります。認知症になって自分で判断することが難しくなったときに、例えばごはんを口から食べられなくなった時に「チューブを使った人工栄養をしますか?どうですか?」という問いについて、ご本人に伺うことが難しいです。その時にご家族は悩みます。たとえ家族のことであったとしても命に関わることを家族である私達が決めないといけないのか?ということになります。その時に今の目の前のご本人には判断が難しいとしても、もしACPで何らかの言葉を家族に残しておられたならば、難しい判断が「本人がそう思っていたんだから」ということで少し楽になります。そういった中でご本人の気持ちが尊重されていくということが言えると思います。早い段階で色々な話し合いをしていくことが重要です。ACPという話し合いがなされることで、本人の思いの奥深い所がよくわかると言えるかもしれません。例えば「最期は家に帰りたい」と言う人は多いかもしれません。その人の長い人生の物語から、なぜ家に帰りたいかという本当の奥底の「家に帰りたい」思いがわかってくるかもしれません。最期の段階の医療判断、ケアの判断は非常に難しくて誰にでもストレスがかかります。「本人の思いがそうだったんだから」という言葉だけが、判断の時の気持ちの辛さを少し楽にしてくれるということを私達はよく経験します。