健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年2月11日

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●教えてドクター 

★2月のテーマ「アドバンス・ケア・プラニング」 

国立長寿医療研究センター 地域医療連携室長  
西川 満則 先生 

アドバンス・ケア・プラニングという取り組みが、重要になってきていると言われる大きな理由は二つあります。一つは医療現場で最期まで本人の意思が尊重されるということが難しい中で、アドバンス・ケア・プラニング(ACP)をしていくことで、ご本人が自分の意思を尊重してもらえるという実感を持つことができます。これがACPが重要である一番大きな理由です。ご本人の意思が尊重されなくなっている理由として、一番わかりやすいのが認知症の方が多くなったことがあります。認知症になって自分で判断することが難しくなったときに、例えばごはんを口から食べられなくなった時に「チューブを使った人工栄養をしますか?どうですか?」という問いについて、ご本人に伺うことが難しいです。その時にご家族は悩みます。たとえ家族のことであったとしても命に関わることを家族である私達が決めないといけないのか?ということになります。その時に今の目の前のご本人には判断が難しいとしても、もしACPで何らかの言葉を家族に残しておられたならば、難しい判断が「本人がそう思っていたんだから」ということで少し楽になります。そういった中でご本人の気持ちが尊重されていくということが言えると思います。早い段階で色々な話し合いをしていくことが重要です。ACPという話し合いがなされることで、本人の思いの奥深い所がよくわかると言えるかもしれません。例えば「最期は家に帰りたい」と言う人は多いかもしれません。その人の長い人生の物語から、なぜ家に帰りたいかという本当の奥底の「家に帰りたい」思いがわかってくるかもしれません。最期の段階の医療判断、ケアの判断は非常に難しくて誰にでもストレスがかかります。「本人の思いがそうだったんだから」という言葉だけが、判断の時の気持ちの辛さを少し楽にしてくれるということを私達はよく経験します。

 

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

日比野 正範 先生(第2どうとく薬局) 

<力を入れていること> 
特別養護老人施設もしくは特別養護老人ホームに介護が必要な方が入床されていて、町のドクターが委託されてこの施設に往診にきてくださっています。その時のお薬は処方せんで薬局にまわってきます。そのお薬を私達は約23年前から処方せんに基づいて施設にお届けしています。お薬の飲み方や使い方、もしくは残薬のチェック等をしてまいりました。今では特別養護老人施設は6件、有料老人ホーム(有料老人施設)が1件増えて、約450人の入床の方のお薬を引き受けています。 
<心に残るエピソード> 
立ち上げの時は大体2ヵ月で80床位が満床になるので、ドクターも看護師さんもかなり大変です。持ってくる薬が説明書の薬と違うというパターンがよくあります。その都度持ってきた薬をチェックして、「今これを飲んでますよ」ということをドクターに報告して、それに基づいてドクターが処方をきるというというやり方が多いです。私と看護師さんとドクターが一緒になって薬をチェックしながら、きらさないように続けるということをします。3ヵ月位は大変な思いをしました。 
<現場の課題> 
今の時期はインフルエンザや風邪の方がかなり多いので、「今お薬が欲しい」ということが多いです。本当は1時間位で届けたいのですが、人手不足ということもあって「ちょっと3時間待ってて」「夕方には行きますんで」というやり方で頑張ってやっています。なかなか、その場で対応できないということが多々あります。いかに早く対応できるかというのが今後の課題だと思います。
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