CBCドラゴンズナイター

中日、壮絶サヨナラ負け!落合博満はどう解説したのか?

6月16日に。千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われたプロ野球セパ交流戦、ロッテ対中日の2回戦は、9回裏に中日が5点のリードをひっくり返され、逆転負けを喫しました。

この日、CBCラジオでの中継では、ロッテ、中日、巨人と渡り歩いたレジェンド・落合博満さんが解説しました。
まさかの逆転劇で何があったのか、落合さんが放送中に発した言葉で振り返ります。

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4番なのに、なぜ走る?

5回表、中日は大島のタイムリーで4-0。ここで高田寛之アナが落合さんに尋ねました。

高田「似たようにチャンスを作ってるんですが、得点が入ってるのはドラゴンズ。ここまで、ホームするかしないかを分けてるものは何でしょうね?」

「相手を助けるかどうかでしょ」と答える落合さん。さらにこう続けました。

落合「それが、どっちに転んでるかわからないんですよ」

一塁にはタイムリーを放った大島。バッターはビシエド。
ツーボール、ノーストライクで大島が二盗を試みますがアウト。

落合「なぜ走る?4番だよ?4番バッターですよ。これ、相手を助けてますよ」

結局、ビシエドは三振に終わりました。
 

落合は見た

5-1と中日が4点リードの8回表。

落合「もう一回5点差にしなきゃダメだ。満塁ホームランを打たれても、まだ1点勝っている状況にしたい」

藤井が3ベースヒットで1アウト、ランナー3塁。まさにここが5点差にするチャンスです。
続く京田のゴロをピッチャー東條が一塁へ悪送球し、京田はセカンドへ。
三塁ランナーの藤井が帰り、6-1と5点差にした中日。

ここで「いま京田、一塁ベース踏んだ?」と指摘する落合さん。手元のモニターで確認します。

体勢を崩した東條の身体に当たった打球は前にこぼれ、藤井は止まります。
東條が三塁を見て一塁送球。一塁が悪送球になって…。

落合「ほら、踏んでないでしょ?」
高田「本当ですねえ。京田、明らかにベースを踏んでいません」
落合「恐らく誰も見てないと思う(笑)」

「よく気がつきましたね」と言う高田アナに「これ、俺の仕事だって」と返す落合さん、こう続けます。

「恐らく、誰も何も見てないでしょう。ドラゴンズのベンチも誰も見えてないよ。お互いに見えてないから、そのままスーッと流れていった。実は踏んでたかどうかわかんないけども、俺は踏んでないような気はしたけど」

その後、井領のタイムリーで7-1と点差を広げる中日、満塁弾を浴びてもまだ2点勝っている状態です。
 

ホームラン1点ならいい

8回裏、ロッテの攻撃。ツーアウト、ランナー無し。バッターは岡。ドラゴンズのピッチャーは4人目の谷元。

「明日のことも考えながら、気分良く3人で投げ切って帰ることが谷元には必要でしょうね。フォアボールだけはやめてって感じ」

こんな時、守っている野手からすればフォアボールを出されるより、打たれた方が良いそうです。
しかしピッチャーは逆。打たれることを嫌うようで、打たれるよりフォアボールの方がいいと考えるそうです。

そして岡はセンターバックスクリーンへホームランを放ち、7-2と5点差に迫ります。

「こういう展開になってしまえば、ベンチからすればフォアボールで出すよりホームラン1本の1点で終わってくれ、という割り切り方もできるの。
その代わり、次のバッターはしっかり押さえてくれよということ」
 

監督はつらいよ

この後の谷元は、田村にヒットを浴びツーアウト、ランナー一塁にされてしまいます。

落合「7-2でしょ。ホームラン打たれたら7-4でしょ?このまま放らすか、ワンポイントでもいいから確実に抑えられるピッチャーに代えるか」

いますぐ、勝敗を決めるような点差ではないと思われましたが…

落合「このヒットでいらぬ心配しなきゃいけない。ベンチにいりゃいろんなことを考えるんですよ。悪い事ばっかり考えるの。
スリーアウト取ってくれれば、やっとそこで一息つける。今度、自分とこの攻撃だから、点数取られる心配ないから」

監督時代を思い出したのか、落合さんは指揮官として語ります。

「攻撃してたらしてたで『チャンスなら1点ぐらい取れよ』って、そういう風になっちゃうんですよ。それをいかにしてあそこ(ベンチ)で見せないように振舞うかです」

8年間の中日監督時代、表情をほとんど変えなかった落合さん。

谷元は最後のバッターを三振に仕留め、なんとかこの回を抑えます。
 

セーフティーリードはない

9回表、中日の攻撃。

「何があったって、ゲームセットって言うまで勝った気になっちゃダメ!」と言う落合さん。

「終わってないんだよ。逆転されるゲームは何試合もあるわけ。だから野球は面白い。諦めたら負け。だから相手をいかにして早く諦めさせるか。
そのためには、あと1点欲しい。そうやって点数は積み上げていかなきゃいけない。周りは勝手にセーフティーリードだって言うけど、そんなもの、今の野球にはありませんよ」

試合が終わってみたら、このくらいの点差だったという事実があるだけだそうです。
大島はセンター前ヒットを打ってノーアウト一塁で、打席は亀澤。

高田「9回で7-2の大差ですが、亀澤はバント?」
落合「それでいいんじゃないですか?何点あったからバントしちゃダメだとか走っちゃいけないとか、そんなん、誰が決めたの?みんな、痛い目にいっぱいあってるんだよ。

『1点でも多く取る』と考えるのがなぜ悪いんだっていうの。アメリカのヘンな野球の文化が日本に根付いちゃったから、そういうこと言うんでしょ?」

点差が付いた時には盗塁が記録されないというルールも出来ました。

結局、亀澤はセカンドゴロ。二塁で大島がアウトになりましたが一塁はセーフ。ランナー入れ替わって、ワンアウト一塁で高橋。

「5番打ってる高橋だもん。状態悪くないんでしょ?これでセカンドにいればってことですよ」

この回の中日は無得点に終わりました。
 

運命の9回裏、始まる

そして9回裏、5点を追うロッテの攻撃。ここでマウンドに上がったのは田島。

「5点あるからってことでしょ。最悪はここから3人使っても、余分に1点ありゃ勝ちと。満塁ホームランを打たれても、まだ1点あるからというゲーム運びで、ここまでは来ましたね」

バッター鈴木に対して、田島が投げた一球目はサードフェンス際のファール。サードの高橋、ボールをグラブに当てて大きく跳ね上げてしまいました。

「ダメだよ、バレーみたいにトスしちゃ。捕まえなきゃ(笑)」

この後、鈴木は2打席連続のホームランで7-3に。
「打ったのは高橋みたいなもんだね」と処理のミスを指摘します。

この後、中日はマルティネスを投入しますが、ワンアウト、一、三塁からツーベースを打たれ7-4。
さらにランナー二、三塁からタイムリーを打たれ、7-6の1点差まで迫られた中日。
 

守備位置が中途半端

「絶対、外野の守備位置は浅いんです。もうちょっとセンター、後ろにいってもいいんじゃない?もっと後ろじゃなきゃダメ。
これはベンチの指示で、下げるんだったら下げる。前に出すんだったら出す。しっかりしないと。中途半端」

ツーアウト、ランナー一塁。

「こういうイヤなことばっかり言うと当たっちゃうから嫌なんだけどね。勝つためにはどういう手を打つかって言うのが甘い。どこへ飛んで行くかわからない。その最善策を考えたら、絶対このセンターは浅いですよ。ライトも浅い。頭を超えたらダメなんだから」

右中間へヒットを打たれツーアウト一、三塁。バッターはトップに帰って荻野。
「ファーストはもっとセカンド寄りに」と言う落合さん。

「ベンチの指示なんだけども、この場面でヒットコースを空けることはないだろうと思う。極端に言ったら、サードはもっと三遊間寄りでいいんだろう」

荻野はフォアボールでフルベース。最悪の事態です。
 

勝ちゲームだった

「ここで代わるピッチャーはキツイ」と落合さん。抑えるしかありません。

ドラゴンズ、ピッチャーはマルティネスに代わってロドリゲス。

「まして、今日初めてマウンドに上がるわけですから。だから満塁ってあんまりピッチャーを代えたくないんですよ」

ロッテの次のバッターは、ホームラン2本を放っている鈴木。

「まあ鈴木大地で始まって鈴木大地で終わるんでしょう。どっちかはわかりませんよ。一番絵になるのは、サードフライかサードゴロで終わってくれればいいんですけどね」

思えばこの回、サードの高橋が鈴木のファールを取り損ない、打者一巡に繋がっています。

そして鈴木の打球は一、二塁間を破る2点タイムリーヒットとなり、7-8と逆転サヨナラヒットとなりました。

まさに、落合さんの予想通り、鈴木で始まり鈴木で終わった回となりました。
 

反省点色々

このゲームを総括する落合さん。

「勝ちゲームですよね。これをきっちり勝っていかないと浮上のきっかけはないってことですよ。ゲームセットって言うまでは、何があっても諦めちゃいけないし、勝つためには、大したことないだろうと思う1点でも取りに行く。その1点の重みがイヤってほどわかったでしょう」

その1点の重みを振り返ります。まず5回表、4番ビシエドの打席で大島が盗塁を失敗。

「次の1点取りたいってのはわかんないことはないんだけども、4番なんで、じっくり打たして、凡打なら凡打で良いじゃないですか」

9回の表、ヒットの後に、亀澤に送りバントをさせなかったことは…

「1点を取りに行くための手を打ってのゼロはゼロでいいんですよ。その手を打たずに1点を取りに行かなかったのはねえ」

9回裏の投手起用については…

「順番だとかセーブだとか関係なく抑えられる投手を使う。与えられた仕事を、選手は最善を尽くしてやろうとして、やった結果がこれ。やるのは選手だけども、その方向付けをしてやるのはベンチの仕事ですから。詰めが甘いんですね」
 

すべて監督の責任

そして、こう締めくくります。

「結果責任はすべて監督ですよ。選手がどうのこうのとは、指揮官として絶対言っちゃいけないことです。勝ったら選手が頑張った。負けたら監督の選手の使い方が悪かった。それでいいじゃないですか。責任取るのは監督」

前進するためには監督とスタッフは、選手抜きでなぜこの結末になったのか整理した方がいい、と語る落合さん、与田監督に対しては…。

「まだ一年目なんでね、本当の怖さ、厳しさって言うのはまだ経験してないと思う。もっと悲惨な目に遭うことがいっぱい出てくる。10点差ひっくり返されるゲームだって出てくるわけだから。今日のゲームをどうやって活かすかですよ」

最後に「野球の怖さをまた見てしまいましたね」と付け加えた落合さんでした。
(尾関)
 
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2019年06月16日14時00分~抜粋

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