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中日・松坂大輔緊急回避の西武戦、落合博満が初解説!

6/17(日)、プロ野球セ・パ交流戦「埼玉西武ライオンズ対中日ドラゴンズ」3回戦がメットライフドームで行われました。
この模様を実況中継した『CBCドラゴンズサンデー』に、元中日監督の落合博満さんがスペシャル解説として登場しました。

この日の中日の予告先発投手は松坂大輔でしたが、アクシデントのため急遽登板を回避。試合直前、高卒2年目の藤嶋健人への変更が発表されたのでした。

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三冠王VS平成の怪物は幻に

落合さんは現役時代に日本プロ野球界唯一となる3度の三冠王を獲得。監督として中日を4度のリーグ優勝、1度の日本一に導きました。
そんな落合さんがCBCラジオで解説をするのは初めてです。以降、試合進行に合わせて、落合さんのコメントを紹介していきます。
実況は宮部和裕アナウンサーです。

古巣相手の凱旋登板を、関東の中日ファンはもちろん西武ファンも待ち望んでおり、チケット完売で満員となった所沢のメットライフドーム。しかし試合開始7分前、先発変更を伝える場内アナウンスに騒然となります。

中日のマスコットキャラ・ドアラがスタンドに向かって深々と頭を下げる姿に、多少和みが生まれつつ、午後1時プレーボール。

(松坂登板回避について)
落合さん「これは、我々やラジオを聴いてる方々にはわかりません。何があったっていうのは当事者でないとね」

ここで、ベンチリポーターの伊藤敦基アナウンサーから、「試合開始前の投球練習の時にブルペンで、どうやら背中の張りを訴えたらしい。本人は行くような表情を見せたが、首脳陣やトレーナーが慎重を期して登板回避した」という情報が入りました。

メットライフドームのブルペンは客席からハッキリ見える位置にあります。ブルペンからダッグアウトに下がって行く時「松坂、頼むぞーっ!」という観客の声を背中に受けながら、松坂は申し訳なさそうにうつむいていたそうです。

(回避を判断したことについて)
落合さん「松坂は、万全な状態でこの何年間野球をやってきたわけじゃないでしょ?そりゃしょうがないですよ。賢明な判断だと思います。万が一、本人が行くと言って首脳陣が行かせて、その後のことを考えた場合、これは良い処置なんじゃないですか」

内野ゴロでいいという考え

西武の先発は、今年の開幕直前に阪神タイガースからトレードで移籍してきた榎田大樹。
中日は初回いきなりヒットと、ファースト・山川穂高のエラーで無死2、3塁のチャンスを迎えます。打席には得点圏打率の高いアルモンテ。

落合さん「このケースはね、別にヒットは打たなくていいんですよ。ショートゴロでもセカンドゴロでもいいですから、まずは1点取ることです」

かつて監督時代、「無死満塁で、ホームアウトじゃない内野のゲッツーになっても、1点入ればいい」という発言をしていた落合さん。
大チャンスで最初の打者が点を取れないと、次の打者に負担がかかって無得点になる場合が多い。だから内野ゴロで十分という考えです。

落合さん「バッターの心理からしたら、ヒットを打ちたい・最悪でも外野フライと思うんですけどね。でも、あくまでも点取りゲームですから。そういう野球をこの何年間やってきたかどうかってことなんでしょう」

しかして、アルモンテはショートゴロを打ち、その間に3塁ランナーがホームイン。先制点を挙げるのでした。

落合さん「これでいいんですよ。ちょっとボール球なんでしょうけど、本人の意識の中に『前に飛ばせば1点になる』っていう考えを持ったんじゃないでしょうか。理想論を言えばセカンドに打ってくれれば一番いいんですよ。理想論を言えばね」

セカンドゴロなら2塁ランナーが3塁に進めて、チャンスが広がるということです。これでまた内野ゴロでも1点という実にイヤらしい攻めですね。

逆球に釣られる審判

(一死2塁で打席にはビシエド)
落合さん「これでビシエドが楽になるんです。最悪1点で終わってもいいんですから。ゼロで終わるっていうのが一番悪いんです」

(阪神でくすぶっていた榎田が西武で既に5勝していることに)
宮部アナ「ライオンズで先発のチャンスをもらって、打線の援護にも恵まれて」
落合さん「それと、セ・リーグ向き、パ・リーグ向きというのが野球にはありますから」

パ・リーグには左腕の主力投手が少ないため、苦手にしている打者も多いと言われています。いろんな環境がマッチしたのでしょう。

(榎田がビシエドに投げた第4球がボールと判定されて)
落合さん「これからの日本の野球に期待しなきゃいけないっていうのはね。審判も含めてなんですけども、今みたいな“逆球”を、ちゃんとストライク・ボールのコールができるかどうかっていう」
宮部アナ「ということは、今は逆球だったがためにボールという感じに」
落合さん「真ん中ですよ、今の。すいませんけど(笑)」

審判の技術向上にも磨きをかけてほしいと願う、落合さんです。

見る度に打ち方が違う

(ビシエドがタイムリーを放ち、中日が2点目を入れて)
落合さん「今のセンター前ヒットは、アルモンテ(が導いたもの)ですよ。そういう風に考えていくと、打線っていうのは役割が出てくるんですけども、自分が打ちたい、打ちたいってことだけでいくと、どっかで途切れちゃいますから」

(5番・平田良介が打席に入って)
落合さん「平田は、『5番の打ち方をしなきゃいけない』と思った時点でアウトですね。5番のバッティングを心がけてはダメなんです。打順による打ち方って無いんです。本人が『俺は5番だから、そういう役割なんだから』っていうバッティングをしようとするでしょ?そういうのをやっていいのは4番だけ」

(平田、平凡なライトフライに倒れる)
落合さん「この打線で平田を出すなら、6番か7番が一番いいと思う。周りに打てる人が居れば。(5番を意識すると)多少荒っぽいバッティングになってしまうんでね。そこを本人が上手いこと消化していけてない。あれだけ空いてる1、2塁間になぜ打ちにいかないのかっていう」
宮部アナ「右方向へという意識はあったようにも見えましたが…」
落合さん「いや、ありません、はい。ありません(笑)」

単純に打球が右方向に行ったからと言って、右狙いとは限らないと。奥が深いです。

(打席には高橋周平。7年目となる現状に)
落合さん「まあー、そんなにゲームは見ないんですけど、見る度に打ち方変わってますね。そろそろ自分の進むべき道っていうのかな、自分のバッティングスタイルはこうなんだよっていうものを気がついてもいい時期なんですけどね」

正捕手を求めるな

1回ウラ、藤嶋が無死1、2塁のピンチを作るも、続くクリーンナップを三者三振に仕留めます。
西武0ー2中日

(2回表、打席に大野奨太。正捕手が定まらない件について)
落合さん「それなりにみんな試合に出れば仕事するんじゃないですか?ただ、周りが余りにも『キャッチャーはこうでなきゃいけない』っていう先入観が強すぎるの。正捕手を求めちゃダメ。いま12球団に居ないんですから」

さらに続けて、
「今日は名古屋で聴いてる方が多いでしょうから言いますが、私らがベンチを預かっている時にね、『このピッチャーの球は受けたくない』とか『このキャッチャーだったら投げたくない』なんて、どんだけ言われたか。どうします?そういう時」

バッテリーの相性があるとか噂には聞く話ですが、そんなことが監督の耳にも入っていたんですね。

(3回表、一死1、2塁で打席にビシエド。キャッチャーが投球をちょっと横にそらすも、2塁走者大島洋平は動かず)
落合さん「今のワンバウンドで本当は、大島がサードに行ってもらわないと困るんです」
宮部「えっ、今の少し弾いただけので行けますか?」
落合さん「行けます行けます。ジャッグルしても足があそこまでしか出せないっていうのは、走塁に対する意識が荒木(雅博)から比べたら相当低い」

皆さんでお考えください

3回表に中日が3点追加、西武0ー5中日

(4回表、アルモンテがヒットを放ち、二死1、3塁に)
落合さん「やっぱり左打席の方がいいねえ」
宮部アナ「アルモンテ。そうですか。それはどういったところから」
落合さん「いや、それは秘密です。企業秘密です」
宮部アナ「今、監督じゃいらっしゃらなくても企業秘密?それは野球人として?」
落合さん「言っていいことと悪いことがあるんですよ」

監督時代にも「井端のサードゴロが今日の収穫。君たちには分からなくて結構」などと、正解発表のない出題をしてきた落合さん。今回も永遠の宿題となりそうです。

4回表、ビシエドの3ランなどで西武0ー9中日。そのウラ、森友哉の2ランで西武2ー9中日

(5回表、京田がヒットで出塁。大島と京田について聞かれ)
落合さん「2人セットとして、ピッチャーに物を考えさせることをしないとダメですよ。『走ってくるんじゃないか』『何かやられるんじゃないか』とかね。走ってくると思えば真っ直ぐ系統が多くなるだろうし、初球を外角に外してくる真っ直ぐなのか予測したり。それでなくても1、2塁間が空く訳ですから。
その辺のお互いの意志疎通があって、野球ができる1・2番になればいいんでしょうけど。まだお互い勝手なことやってるんじゃないですか?」

説教タイム?

(5回ウラ、秋山翔吾がヒットで出塁)
宮部アナ「秋山の見事な流し打ち!この人の流し打ちは天才的!天才と言ってもよろしいですか?」
落合さん「天才は世の中に居ません」
宮部アナ「すみません、失礼しました」
落合さん「フフッ」

宮部アナ「言い過ぎましたが、ただ、ボールの捕らえ方は京田なんかも『非常に参考になる』って言っておりましたけれども」
落合さん「いや、練習すりゃなれるんですよ。練習しないからなれない」
宮部アナ「そうですか…。重く受け止めていきたいと思います」
落合さん「人のことを羨んでどうするんですか」
宮部アナ「はいっ」

(源田壮亮のショートゴロを京田が追いつき、ファーストに投げるもセーフ)
宮部アナ「一塁、間に合いませんでした。源田の足が速いということにもなりますが」
落合さん「いや、今はね、なぜセカンドに放らないのかってことですよ」
宮部アナ「あっ、ごめんなさい」
落合さん「セカンドならアウトです」

途中からは選手に対する苦言なのに、つい謝ってしまう宮部アナでした。

十分優勝は狙える!

(6回表、高橋周平がハーフスイングを振ったとジャッジされ)
落合さん「アレをバットが回ったって言ったら、他にも回ってるバッターはいっぱいいるんですけどね。だからヘタなんですよ」

これは、ジャッジした審判がヘタという意味ではなく、回ったように見られてしまう打者がヘタだということです。ハーフスイングの上手い止め方も練習する要素になるとは、奥が深いですね。

結局、試合は11対3で中日が勝ち、藤嶋はプロ初勝利を挙げました。
9安打されながらも2失点に抑えた勝因は、ムダな四球を出さなかったこと(与四球1)だと落合さんは語ります。

「出していい四球と出しちゃいけない四球がある。ムリに勝負して打たれるよりは歩かせた方がいい場合、ムダに歩かせて大量点に繋がってしまう場合。負ける時の大方のパターンはこの見極めができてない」ということです。

この日勝って中日の借金は6。昨年と違い、今年はセ・リーグ全チームのゲーム差が詰まっているため、60敗までに抑えれば優勝を狙えるという落合さん。

それから最後に、選手に対してひとつ言いたいことがあるそうで。

「自分たちのやれることをしなさいと。やれないことを一生懸命やろうなんてムダなことはするなと言いたい」

打線での個々の役割を自覚する、打てない低い球は振らない、などなど、これらがキチッと確立されてくれば十分優勝のチャンスがあると、力説します。

「皆さん、期待して見ておいてくださいね」と頼もしい言葉で締めくくった落合さんでした。

なお、松坂は背中の痙攣が治まらなかったということで、18日に病院で検査を受けた結果、「背部の軽度の捻挫」と診断されました。しっかり治して復帰してほしいものです。
(岡戸孝宏)
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2018年06月17日13時00分~抜粋

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