CBCラジオ #プラス!

通院手段がない高齢患者増加中。解決策は

少子高齢化が進む日本。
医療のあり方について見直す時が来ており、国会でも社会保障費の問題や高額医療制度の上限についてしばらく取り上げられています。

3月6日の『CBCラジオ #プラス!』では、少子高齢化の社会における医療の課題について、多治見スマートクリニック代表 福田誠先生に話を聞きました。
聞き手は永岡歩アナウンサーと山本衿奈です。

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自力で通院できない人が増加

永岡「先生から見た医療現場の課題ってどんなことです?」

福田先生は最近、高齢患者が医療機関にどんどん通院できなくなってきていると日頃の診察で実感しています。

東海地方は、名古屋市などの中心地では電車やバスなど公共交通機関が充実してますが、少し中心を離れたら多くの方が車を使って移動している車社会です。
そういった背景の中で、高齢者の自動車免許返納や、ある病気をきっかけに運転できなくなるなどを理由に、医療機関を通院する移動手段が急速に減っています。

山本「車があるから行ける場所って多いですし、私も車の運転が好きなおかげで、移動手段というか行動範囲が増えてるなっていう実感はものすごくありますね」

多治見スマートクリニックでも、免許を持っている家族に頼むか、友人や近所の人に頼んで乗せてきてもらわないと通院できない患者が増えているそうです。

家族、友人、タクシーにも頼れない

永岡「ただ、やっぱり自分の通院のためにね、家族ならまだしも、友人とかね、運転で乗せてってもらうって、ちょっとやっぱ気使いますよね」

また家族といえども、こどもが遠くに住んでいて送迎を頼めないケースもあります。

では、タクシーという手段はどうでしょうか?

福田先生「通院のためにタクシーを使うのも、やっぱり毎週とかって経済的にかなり負担になりますよね」

さらにタクシー業界も人材不足に悩まされているのも現状です。
特に地方になると、夜に働けるタクシードライバーがいないため、深夜2時以降はタクシーが0になる街があります。

そうなると、移動手段がない高齢者などは深夜の救急病院に行く手段がなくなってしまうのです。

解決策はあるのか

移動手段がなくなることで多くの高齢患者がクリニックや病院に通院できなくなっていく社会が来ています。

永岡「先生としてはどのようにこの問題、解決すればいいと思いますか?」

昔だと、通院が困難になっていく高齢患者は病院や施設に入院することが一般的でした。
ただ、住み慣れていない場所で長く過ごすことによって、認知症が悪化してしまうなどの問題が出てきているとのこと。
また、入院治療は多くの医療費を使うため、今問題になっている社会保障費をより圧迫することになってしまいます。

そんな課題を解決するために、いま日本で推し進められている医療が「在宅医療」です。

自動車の運転をしなくなったり、病気が悪化して今まで通ってたクリニックや病院に通院することが難しくなってしまった患者の自宅に、医師や看護師、理学療法士などが訪問し、自宅で受けられる医療が最近進化しているんだとか。

患者自身としても病気がある中での移動をしなくて済むだけでなく、家族にとっても病院までの送り迎えのためにスケジュール調整する手間がなくなるメリットがあります。

福田先生「この先、日本で進む高齢化を支えるひとつの手段にこの在宅医療があると思います」
(ランチョンマット先輩)
 
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2025年03月06日08時21分~抜粋

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