北野誠のズバリ

オスが妊娠・出産・育児を担当?「タツノオトシゴ」の不思議に迫る

三重県伊勢市の水族館・伊勢シーパラダイスは、「タツノオトシゴの種類が日本一多い水族館」。世界で約50種類あるタツノオトシゴのうち、10種類を飼育しているそうです。

7月10日放送の『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)、「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナーでは、伊勢シーパラダイスのタツノオトシゴ担当、安部阿部瑞貴さんにその知られざる生態について話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

7月7日は「タツノオトシゴの日」

三重県から和歌山県にかけてはタツノオトシゴが多く生息する地域。

日本固有種10種類のうちの8種は、このエリアで発見されているものだそうです。

伊勢シーパラダイスでは、50年以上前からタツノオトシゴの飼育に力を入れているといいます。

7月7日は今年から「タツノオトシゴの日」。

これは伊勢シーパラダイスが、タツノオトシゴが泳ぐ姿が数字の「7」に似ていることから「日本記念日協会」に記念日登録を申請し、認定されたものです。

タツノオトシゴとは、大まかにいうと「たくさんいる仲間の総称」。

タツノオトシゴの中に「クロウミウマ」や「サンゴタツ」、世界最大の「ポットベリー・シーホース」などがいます。

オスの育児嚢に胎盤を発見!

魚の仲間ではありますが、尾びれがないために長いしっぽで海藻やサンゴに巻き付いて生活をしています。

オスが子育てをするのも有名です。

阿部さん「お腹の下にある育児嚢という袋で、メスから受け取った卵を入れて、ふ化するまで育てて、泳ぎ出せるようになったら一気に出産するという形です」

魚類の中でも、オスが袋を持っているのはかなり少ないといいます。

阿部さん「最近の研究では、雄の育児嚢の中に卵にも稚魚にも栄養を送っている胎盤のような器官が発見されました。本当に、人間でいうと妊娠してるような状態です」

ただ単にこどもを外敵から守るためにお腹に入れていたわけではなく、しっかり栄養を与えて育てていたということです。

漢方人気で乱獲

まだまだ知られざる生態が多いタツノオトシゴですが、残念ながらその個体数は減少傾向にあるそうです。

原因は「地球温暖化による海藻の減少」と「ある意外なブーム」にありました。

阿部さん「ここ数年の海水温の上昇で、もともとのその住処である海藻が磯焼けの状態でなくなってしまっていて、生息する場所がなくなっている。あとは中国とかでタツノオトシゴを漢方にするみたいで、乱獲されているというのが現状ですね」

タツノオトシゴは「滋養強壮」に効くと、漢方で人気だというのです。

今年の夏は「伊勢シーパラダイス」へ

伊勢シーパラダイスではこういった現状も知ってもらいたいということで、7月7日を「タツノオトシゴの日」として申請したといいます。

阿部さんには「伊勢シーパラダイスでタツノオトシゴをたくさん繁殖して、全国の水族館に譲渡し、皆が気軽に会える生き物にしたい」という大きな夢があるそうです。

「海を皆で守ろう」という意味で、海藻の植栽を行う目標もあるとのことです。

今年の夏のお出かけは、「タツノオトシゴの巻きつけふれあい体験」もできる伊勢シーパラダイスへぜひ。
(minto)
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2024年07月10日14時39分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報