野球にはピンチヒッターやピンチランナーという言葉がありますが「ピンチキャッチャー」と言われてもピンとこないでしょう。
ごもっともです。そんな用語はありません。
試合中、捕手を全て使い切ってしまったり、ケガ等で出場できなくなってしまった時、普段は違うポジションの選手が“急造捕手”としてマスクをかぶる。
そういう状況だと思ってください。
CBCラジオ『ドラ魂KING』の「ドラゴンズこぼれ話」は、そんなチームの危機管理の話題です。
ドラゴンズスペシャル
ドラゴンズ、意外な“ピンチキャッチャー”
ドラゴンズコーチに4つの質問
若狭敬一アナウンサーが、中日ドラゴンズの田村藤夫バッテリーコーチに、捕手について4つの質問をぶつけてきました。
何人体制で臨む?
誰が一軍に残る?
一人をレギュラーに固定する?それとも複数を併用?
緊急時に誰が捕手を務める?
4つめはクイズです。正解はのちほど。
今年のドラゴンズの正捕手は?
~何人体制で臨む?~
捕手の一軍出場登録人数は、どこの球団も大抵2人か3人です。
バッティングが良くない捕手がいると、代打を出されてベンチに下がる事が多いため、捕手3人体制になりがちです。
しかしそれでは、3番手の捕手を使う機会がなかなかできません。
それなら他に守備固め用の野手や中継ぎ投手を登録した方が、有利だということにもなります。
できれば2人体制でいきたいと、田村コーチは森繁和監督と話し合っているそうです。
~誰が一軍に残る?~
杉山翔大捕手と、木下拓哉捕手の2人になりそうだとか。
キャッチング、スローイング、バッティングはほぼ互角と、首脳陣は見ているようです。
昨年の実績では、出場試合数も打撃成績も杉山が格上でしたが、今年のオープン戦では木下がややリード。
ただ、ピンチの時のリードや立ち居振る舞いでは、プロ経験の多い杉山に分があるそうです。
~固定?併用?~
どうやら併用でいくよう。
しかも、バッテリーを組むならどちらがいいかと、先発投手に意向を聞き、起用の参考にすることもあるといいます。
クイズの答えはまさかの、あの選手
~緊急時の捕手は?~
以前なら、元捕手である和田一浩選手や小笠原道大選手がいましたがすでに引退。
現役では福田永将選手がいますが、故障中。
さて、ほかに誰がいる?
実は今、一軍に帯同している選手の中にいます。
スタジオでは、高校時代まで捕手だった浅尾投手の名があがりますが、さすがに投手にはさせられません。
若狭アナから出た答えはなんと、亀澤恭平選手!
あまりに意外な人物に、スタジオ内の時が止まります。
岡山作陽高校、香川オリーブガイナーズ(四国アイランドリーグ)、ソフトバンクホークス、中日ドラゴンズ。
いずれのチームでも内野手です。
しかし唯一、環太平洋大学時代の2年生の春と秋に、捕手として活躍したというのです。
なぜなら、正捕手が右ひじ痛を発症し、亀澤が急遽捕手にコンバート。
秋に関しては「1番・キャッチャー」でほぼ全試合に出場。
打率は4割に達し、中国六大学リーグでの優勝に貢献。
捕手としてMVPを獲得!
恐るべし、森脇コーチの情報網
亀澤自身は、自分が捕手もできるとはこのキャンプ中、一言も言っていません。
いったいどこからそんな情報が?
実は、今年から就任した森脇浩司内野守備走塁コーチが、亀澤の捕手経験をどこからともなく聞きつけたのでした。
ソフトバンク時代に在籍がかぶっていた訳ではありません。
森脇コーチの情報網がものすごいらしいのです。
恐るべき森脇ネットワーク。
もし彼が捕手だったら、打者のプライベートを暴いて動揺させる、ノムさんのささやき戦術をも超えていたでしょう。
ただこの話も、亀澤が一軍に居続けないと成立しません。
内野のどこでも守れる、右投げ左打ちの俊足というのは、溝脇隼人選手とキャラがかぶります。どちらかが二軍になるかもしれません。
正捕手争いと同様、こちらも競争です。
(岡戸孝宏)
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