若狭敬一のスポ音

山田久志、我が子を野球選手にしたい親へアドバイス

10月11日、プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンDが開催されました。

将来プロ野球選手になりたい、そんな中学生の子を持つ親御さんは一体どうすればいいのでしょうか?

9日放送の『若狭敬一のスポ音』では、一般社団法人全日本硬式野球連盟の会長も務めている、野球評論家の山田久志さんがアドバイスしました。

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よくある親の相談

山田さんが会長を務める一般社団法人全日本硬式野球連盟は、通称「ヤングリーグ」と呼ばれ、全国で約5,000人の中学生が加盟しているそうです。

山田さんには、親御さんから「自分の夢をこどもに託したい。プロにするにはどうしたらいいか?」という相談がよく寄せられるそうです。

その時に、必ず答える答えがこれ。

山田「親と子が一つの目標に向かっていくことは、全然悪いことじゃない。純粋です。
ただ強制はいけません。これやらなきゃダメっていう言い方は止めてくださいね」
 

強制練習させるべからず

山田「もっと走りなさいとか力つけなさいとか。それは止めて下さい。そんなのは何の役にも立たない」

若狭「何の役にも立たないんですか?」

ズバリ言い切る山田さんに、驚く若狭敬一アナウンサー。

「やれ」と命令されると、こどもは逆に野球が嫌いになるんだそうです。こどもは純粋に野球を楽しみたいわけです。

そのためには必要なことを教えるのはいいのですが、「レギュラーを獲るためにコレをやれ、アレもやれ」という強制はダメだと語る山田さん。

山田「こどもは野球を少しずつイヤになる。イヤにならなくても力が入らなくなってくる可能性が大なんですよ」
 

とにかく試合

山田さんが、ヤングリーグの関係者に対して常に言っていることが「全員が出られるような試合をやらせなさい」ということ。
走り込み、ノックを受ける練習などいろんな指導がある中で一番重要なのが"試合"だそうです。

山田「『お前は控えだから今日の試合は出さない』とかじゃなくて、どんな場面でもいいから出していく。
野球ってやっぱ楽しいって、そこが一番の原点でありスタート。そうでなかったらダメなんです」
 

監督はつらいよ

親御さんが育てたこどもたちを預かる監督、コーチは、苦労が多いようです。

昔からあるのが「なんでうちの息子は出てないんですか問題」。

実は、親御さんは自分の息子の実力をわかっているんだそうです。
チームのことを考えると「うちの息子」よりも「上手な子」を出した方が勝てるとわかっていながら、そこは愛情が上回ってしまうということでした。

「愛は何よりも強い」と言う山田さんに、思わず笑ってしまう若狭アナ。
その愛が溢れて監督、コーチへのプレッシャーに…。
そうなると親御さん、監督、双方が気まずい思いをしてしまうんだとか。
 

理解してもらうためには理解する

そもそも中学3年生と1年生ではレベルが違います。また、同じポジションでも上手い選手はひと目でわかるそうです。

山田さんは関係者に「大会に出る試合は上手い選手を使い、練習試合などではなるべく皆を使うようにしてあげて欲しい」と言うのだそうです。

山田「私がよく言わせてもらってるのは、差別はアカンと。でも区別は良いと。こっちの選手を使う方がチームが勝つ確率が高いし、いい試合ができる。
そういう"区別"は構わんけども、練習試合でもこの人ばっかり使うとかね。そういう"差別"はいかん」

競技として勝つ喜びを味わわせながら、皆が楽しく野球をする。そのバランスが難しいようです。

山田「それを監督さんとかコーチが理解してくれれば、親御さんも理解するわけ。そこが大事なのよ」
 

頑張れはダメよ

甲子園を目指す高校球児が減り、逆に軟式野球部員が増えているというニュースを見た山田さん。

山田「なぜか?皆が出れるから。いっぱい試合に出れるチャンスがあるんですよ。一緒に野球をやった仲間っていうのは続くしね」

山田さんは高校時代の3年間、野球部で頑張りました。残念ながら甲子園には行けなかったものの、その時の仲間とは50年以上付き合いが続いているそうです。

山田「いろんなことあったけど、最後は結構楽しかったよなって。そこへ行って欲しいんだよね。だから親御さんはあんまりこどもに強制したり、頑張れ頑張れはダメよ」
 

かけてほしい言葉

そもそも「『頑張れ』って言葉、あんまり好きじゃないのよ」と語る山田さん。
現役時代のマウンド上でピンチになった時に、よくこんなことがあったそうです。

勝ち越し打を打った野手が言う言葉が「頑張って下さいよ。ここは頑張りどころですよ」。裏を返せば、このまま勝てば自分がヒーロー。しかもほとんど後輩。

山田「わかってるよ。俺は頑張ってるんだってね。だから頑張れという言葉は一番簡単で、一番浅い言葉なんですよ。もうちょっと気の利いた言葉をかけてやるのがいいですよ」

声のかけ方一つで、その子に考える能力が出てくるそうです。
中学生のお子さんを持つ親御さんは今後の参考にして下さい。 
(尾関)
 
若狭敬一のスポ音
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2021年10月09日12時42分~抜粋

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