近年の猛暑などから選手の安全を守る対策として高野連(日本高校野球連盟)が、高校野球の試合を9イニング制から7イニング制に変更を検討しているとのことです。
8月10日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、若狭敬一アナウンサーが、中日ドラゴンズOBの吉見一起さんと荒木雅博さんに、この変更に対する意見を尋ねました。
高校野球7イニング制導入検討問題、ドラゴンズOBの意見は?
一番面白いところがなくなる
吉見一起さんは大阪府の金光大阪、そして荒木さんは熊本県の熊本工業でそれぞれ甲子園出場の経験があります。
7イニング制導入の検討に対し、二人はどんな意見なのでしょうか?
まず吉見さんの意見は7イニング制には反対とのこと。理由は二つあるそうです。
まず「野球の一番面白いところが失われるから」とのことでした。
野球は7回、特に8回、9回に動く。ピッチャーも野手も最もしんどいが最も面白い。ここを削ってしまうのはどうか?という意見だそうです。
若狭が読んだ記事によると、大阪桐蔭高校、西谷浩一監督も「野球の本質が変わる。現場の監督としては9イニングやらせたい」と発言していたんだとか。
7イニング制導入の検討に対し、二人はどんな意見なのでしょうか?
まず吉見さんの意見は7イニング制には反対とのこと。理由は二つあるそうです。
まず「野球の一番面白いところが失われるから」とのことでした。
野球は7回、特に8回、9回に動く。ピッチャーも野手も最もしんどいが最も面白い。ここを削ってしまうのはどうか?という意見だそうです。
若狭が読んだ記事によると、大阪桐蔭高校、西谷浩一監督も「野球の本質が変わる。現場の監督としては9イニングやらせたい」と発言していたんだとか。
終盤を乗り切る経験
若狭「プロ野球は8回、9回で動かずすんなり終わるだろうと思いますよね。それはスーパーピッチャーを配置してるからなんです」
終盤で明暗が分かれるからこそ、各球団、強力なピッチャーを配置しているわけです。
吉見さんは先発ピッチャーの目線で、7回から9回は相手の打者が3巡か4巡目となり、球数も100球を超えることから、かなりつらいと見ています。
そのため「ここをどう乗り越えるか?ここを乗り越える経験を高校時代に積むことは、ピッチャーとしてとても大きい」と続けたそうです。
終盤で明暗が分かれるからこそ、各球団、強力なピッチャーを配置しているわけです。
吉見さんは先発ピッチャーの目線で、7回から9回は相手の打者が3巡か4巡目となり、球数も100球を超えることから、かなりつらいと見ています。
そのため「ここをどう乗り越えるか?ここを乗り越える経験を高校時代に積むことは、ピッチャーとしてとても大きい」と続けたそうです。
卒業後のリスクが心配
二つ目の理由はピッチャー目線の意見。
「卒業後、野球を続けるピッチャーの体力が心配だから」とのことでした。
最終的にプロ野球が9イニングである以上、高校卒業後に長いイニングを投げる体力を求められるのは確実。
ピッチャーにとって7回で終わりと言うのはとても楽。楽をして次に進むとケガのリスクが高まるのではないかと心配する吉見さん。
さらに7イニング制にする前に、クーリングタイムを増やすなど、暑さ対策としてもっとやるべきことはあるのではないか?と疑問を呈します。
また中学の軟式野球部では、一定の時間を超えると給水タイムを取る地域もあるそうなんです。
さらに甲子園ではなくドーム球場での全国大会もありではないかと続けます。理由は涼しく、雨天順延もなく日程も確実に進むことを挙げました。
「卒業後、野球を続けるピッチャーの体力が心配だから」とのことでした。
最終的にプロ野球が9イニングである以上、高校卒業後に長いイニングを投げる体力を求められるのは確実。
ピッチャーにとって7回で終わりと言うのはとても楽。楽をして次に進むとケガのリスクが高まるのではないかと心配する吉見さん。
さらに7イニング制にする前に、クーリングタイムを増やすなど、暑さ対策としてもっとやるべきことはあるのではないか?と疑問を呈します。
また中学の軟式野球部では、一定の時間を超えると給水タイムを取る地域もあるそうなんです。
さらに甲子園ではなくドーム球場での全国大会もありではないかと続けます。理由は涼しく、雨天順延もなく日程も確実に進むことを挙げました。
野球は休憩がある
一方、荒木雅博さんは今年から中京大中京高校の臨時コーチをしています。立場上、反対でも賛成でもなく「高野連が決めたことに現場は従うのみ」とのこと。
灼熱のナゴヤ球場のデーゲームを経験から言えることは、ベンチでしっかり水も飲めるし、塩分も捕球でき身体を冷やすこともできる。
サッカーやラグビーはグラウンドに出ずっぱりですが、野球は他のスポーツに比べて、そこまで試合中に猛烈な暑さでフラフラになるかと言われると、そこまでではないとのことでした。
炎天下の甲子園は酷というイメージですが、野球には途中で休憩があるので「周りが思うほどでもないということを頭の片隅に入れて、議論して欲しい」と話したそうです。
灼熱のナゴヤ球場のデーゲームを経験から言えることは、ベンチでしっかり水も飲めるし、塩分も捕球でき身体を冷やすこともできる。
サッカーやラグビーはグラウンドに出ずっぱりですが、野球は他のスポーツに比べて、そこまで試合中に猛烈な暑さでフラフラになるかと言われると、そこまでではないとのことでした。
炎天下の甲子園は酷というイメージですが、野球には途中で休憩があるので「周りが思うほどでもないということを頭の片隅に入れて、議論して欲しい」と話したそうです。
当たり前を変える
荒木さんも、吉見さんや高校野球の現場の監督と同様、7イニング制よりも先にできることを考えていました。
「当たり前になっている高校野球の伝統を見直せばいいのではないか?」というのが荒木さんの意見。
例えばスリーアウト後、守っていた選手が帰ってきて、監督を中心にベンチの前で円陣を組みます。球児たちは、監督の指示を聞くために帽子を取ります。
テレビ中継では当たり前の光景ですが、荒木さんは「これを今すぐ止めるべき」と提案。
例え数分であっても、なぜ帽子を取って直射日光を浴びながら監督の指示を聞かなければならないのか?
さらに「球児たちは帽子は取らないでいいし、ベンチで身体を休めた状態で、監督が外に出て指示を出せばいい」と続けたそうです。
「当たり前になっている高校野球の伝統を見直せばいいのではないか?」というのが荒木さんの意見。
例えばスリーアウト後、守っていた選手が帰ってきて、監督を中心にベンチの前で円陣を組みます。球児たちは、監督の指示を聞くために帽子を取ります。
テレビ中継では当たり前の光景ですが、荒木さんは「これを今すぐ止めるべき」と提案。
例え数分であっても、なぜ帽子を取って直射日光を浴びながら監督の指示を聞かなければならないのか?
さらに「球児たちは帽子は取らないでいいし、ベンチで身体を休めた状態で、監督が外に出て指示を出せばいい」と続けたそうです。
無駄なことはするな
荒木さんは中京大中京高校の臨時コーチになった時、「練習中、俺の指示を聞く時は帽子取るなよ」と言ってるそうです。
しかし、高校球児は条件反射的に帽子を取ってしまうとか。
荒木さんは「帽子を手に取ると教える時邪魔だし、日差しは強いし、目上の人を敬う気持ちさえあれば帽子は取らなくていい」とのこと。
実は荒木さんが現役時代、落合博満監督が監督就任時に最初に言ったのがこれだそうです。
「おい、俺の話聞く時、帽子取らなくていいからな」
無駄なことは止めるのが、落合監督の教えでした。
しかし、高校球児は条件反射的に帽子を取ってしまうとか。
荒木さんは「帽子を手に取ると教える時邪魔だし、日差しは強いし、目上の人を敬う気持ちさえあれば帽子は取らなくていい」とのこと。
実は荒木さんが現役時代、落合博満監督が監督就任時に最初に言ったのがこれだそうです。
「おい、俺の話聞く時、帽子取らなくていいからな」
無駄なことは止めるのが、落合監督の教えでした。
一致する意見
その他、スパイクの色は黒が定番ですが、暑さ対策には白がよければ白にすればいい。ユニフォームも伝統的なデザインよりも暑さから身を守ることを優先にデザインすべきだと話していたそうです。
また、ベンチ入りのメンバーをもっと増やすなど、いろいろとできることはあるはずだと考える荒木さん。
中京大中京高校の練習は平日、夕方の4時から夜7時前ぐらいまでの3時間弱行っているそうです。その間、こまめな水分補給は当たり前。フリーバッティングやノックの途中でも給水をさせるそうです。
荒木さんの意見も吉見さんの意見も、7イニングにすることで失われることもあるので、まずは7イニング制を考える前に、やるべき暑さ対策があるのではないか?ということでした。
(尾関)
また、ベンチ入りのメンバーをもっと増やすなど、いろいろとできることはあるはずだと考える荒木さん。
中京大中京高校の練習は平日、夕方の4時から夜7時前ぐらいまでの3時間弱行っているそうです。その間、こまめな水分補給は当たり前。フリーバッティングやノックの途中でも給水をさせるそうです。
荒木さんの意見も吉見さんの意見も、7イニングにすることで失われることもあるので、まずは7イニング制を考える前に、やるべき暑さ対策があるのではないか?ということでした。
(尾関)
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