いっしょにSDGs

いっしょにSDGs #3

ニュースなどで耳にすることば「SDGs」を、いっしょに楽しく勉強していきましょう

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SDGsの目標その1、「貧困をなくそう」とは?

2030年までに世界で達成させる、持続可能な開発目標、SDGs。
17の目標の1つ目は、「あらゆる場所、あらゆる形態の貧困を終わらせる」です。

「あらゆる形態の貧困」とは、どういうことでしょうか。

目標1には、7つの小さな目標「ターゲット」が設定されています。
そのターゲット1と2を見ると、「あらゆる形態の貧困」の意味が見えてきます。

ターゲット1は、2030年までに、世界で「極度に貧しい」暮らしをしている人をなくす。

2015年の時点で、世界では7億人以上が「極度に貧しい」暮らしをしています。
「極度に貧しい」というのは、世界銀行が設定する「国際貧困ライン」を下回る生活のことで、具体的には、アメリカドルで、1人あたり1日1ドル90セント以下の生活です。
日本円に直すと、相場によりますが、およそ200円以下の生活になります。
このような金額で暮らしている人をなくすことが、目標1のターゲット1です。

ターゲット2は、2030年までに、それぞれの国の基準で、いろいろな面で「貧しい」とされる男性、女性、子どもの割合を、少なくとも半分減らす。

2020年に公開された、SDGsの達成度や進捗状況に関する国際レポートで、
日本は、目標1について、「課題が残っている」と評価されました。
日本で問題とされている貧困、それは、「相対的貧困」です。

さきほどの、1日1ドル90セント以下の人々が、「絶対的貧困」と言われるのに対し、
「相対的貧困」というのは、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々」と定義されています。
つまり、日本で生活する上で、大多数の人よりも貧しい状態の人が多くいることが、日本が抱える貧困問題です。

日本の相対貧困率は、2015年で15.7%。およそ6人に1人が貧しい状態です。
この割合を半分に減らすことが、目標1のターゲット2です。

世界中で、絶対的貧困も相対的貧困も無くすことが、SDGsの目標1「貧困をなくそう」です。
 

日本の相対的貧困

さて、「相対的貧困」というのは、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々」という定義でした。

等価可処分所得というのは、いわゆる「手取り」のことです。

2018年のデータで、日本の等価可処分所得の中央値は、254万円。
その半分は127万円。
したがって、4人家族で年収の手取りが508万円以下だと、「相対的に貧困」ということになります。

受ける印象は人によって違うと思いますが、この金額で日本では「貧困」なのです。

SDGsの目標1「貧困をなくそう」は、日本も決して無関係ではないのです。
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