特集記事

「よゐこ」の前に「こんなんでは売れへん!」と言われた旧芸名

CBCラジオの特別番組『ドラ魂ワイド・LOOP』は、人と人との「輪」をテーマに4日連続放送。

6月18日放送では、ともに松竹芸能所属という北野誠とますだおかだ・増田英彦さんがパーソナリティーを担当しましたが、テーマは「YOUは何しに松竹芸能へ?」。

特に大阪では「お笑い=吉本」というイメージが強い中で、「なぜ、あえて松竹芸能に所属したのか」について、何組かのお笑い芸人にインタビュー。

ここではその中から、お笑いコンビ「よゐこ」濱口優さんのお話を取りあげます。

[この番組の画像一覧を見る]

新聞広告で見た養成所募集

1990年に松竹芸能の養成所に入所した濱口さん。
当時は大阪でダウンタウンが『4時ですよ~だ』(毎日放送)でブレイクし、東京でも人気が上昇していた頃。

濱口さんもダウンタウンに憧れていたそうで、それならNSC(吉本興業が運営するお笑い芸人の養成所)に入所しそうなものですが、なぜ吉本ではなく松竹を選んだのでしょうか。

濱口「NSCが新聞に載ってたんですよ。そこは募集で大人数が来て、結局プロになれるのが1、2組しかないと。

『そのプロになった1、2組もいま仕事がないのが、お笑い界の状況です』って、書いてあったんです。

で、その横に松竹芸能の募集広告が小っちゃく載ってて、『即戦力募集』と(笑)。
だから『松竹行ったら、すぐ漫才師なれるんじゃないか』みたいな感じで」

当時、松竹芸能所属で若手は森脇健児さん以外、あまり知られていないという状況。
そこで、競争率も少ないのではないかと感じたようです。
 

「よゐこ」の前のコンビ名

そして、就職が決まっていた有野晋哉さんを誘い、松竹芸能の養成所に入所後、「即戦力」の言葉通り、3か月後にアクティ大阪(JR大阪駅前にあった商業施設)で初舞台を踏むことに。

そこでかなりスベったため、事務所の人から厳しいダメ出しを受けたといいます。

しかし、自分たちのやりたいお笑いをやると決めた2人は、頭にたくあんを乗せた美容院のコントなど、大阪では珍しいシュールな芸風に。

それが関西の若者や会社に認められるようになり、次第に『怒涛のくるくるシアター』(読売テレビ)など、テレビ出演が増えていきます。

ちなみに、最初の頃の芸名は「よゐこ」ではなく、「なめくぢ」。

これは、芸名を決める際に2人で案を出して、どちらかが笑った方の名前にしようと決め、有野さんが出した「なめくぢ」に濱口さんが少し笑ってしまったことで決まったそうです。
 

改名を巡る騒ぎ

しかし、この名前が事務所で問題となります。

北野「俺が松竹芸能に呼ばれて、『こんな名前で売れるわけない!印象悪すぎるやろ』って、(会社の常務などが)騒ぎ出し。

ところが、有野も濱口も人当たり良さそうやのに、頑固なんよ。『名前を変えろ』言われても、変えよれへん。遅れてきた反抗期やったよ」

増田「全然、『良い子』ちゃいますよね」

北野「俺が会議室に閉じ込められて、『誠、なんとか改名できへんのか?』って」

保護者や師匠でもないのに、なぜか有野さんと濱口さんを説得する役目を負わされた北野。

ただ、北野も「なめくぢ」では売れないと思っていたので、濱口さんに改名を勧め、程なくして「よゐこ」に変わりました。
 

「よゐこ」の由来は?

では、なぜ「よゐこ」という名前に決めたのでしょうか?

濱口「みんながいろんな名前を考えてくれた中で、最終決定する時にビッグブラザーズの竹井(輝彦)さんが、たまたま養成所に来てはったんです。

その時に『あれが嫌です、これが嫌です』って僕らずっと反抗してたんですけど、たまたまそこにあった『よいこ』(小学館)っていう雑誌があって、竹井さんが『これでええやん』って。
『それでいいっすかねぇ』って言って、決まりました」

ただ、文字はあくまでも「よいこ」ではなく、「よゐこ」。
あえて「ゐ」を使っているのにも、何か理由があるのでしょうか。

濱口「それは有野が反抗で、(最初は「よいこ」という芸名だったのに)ずっとサインを書く時は『ゐ』を使ってたんですよ。

それをたまたまフジテレビの人に『こっちの方がいいじゃん』って言われて」
 

松竹芸能の良い所

事務所に小さな反抗を続けた2人ですが、最後、濱口さんに松竹芸能の良いところを伺いました。

濱口「松竹はとにかく文句を言っても『うんうん』って聞いてくれるというか。
どんなわがままもずっと聞いててくれる。『のれんに腕押し』っていうか、全然効かない』」

増田「濱口さん、ほめてください(笑)」

それだと、「返事だけはするけど、結局は何もしてくれない」というイメージになってしまいます。

濱口「愛情はすごいあります。守りが堅いというか」

増田「えらい抽象的ですね」

このゆるさが、松竹芸能の強さかもしれません。
(岡本)
 
特集記事
この記事をで聴く

2021年06月18日18時34分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報