民放ラジオ番組史2・スタジオの公開

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日本に民間放送局が誕生して67年。
このシリーズでは「民放ラジオ番組の変遷」と題し、番組がどのように変化してきたのか、CBCラジオの歴史を織り込みながら振り返っていますが、今回はCBC黎明期の公開放送を支えた第1スタジオについて紹介します。

ほとんどが生放送だった

前回黎明期の人気番組を取り上げましたが、開局当時バラエティ番組の多くは公開生放送でした。

実は1951年(昭和26年)の開局当初、CBCラジオの番組は公開か否かに関わらず、ほとんどが生放送でした。
というのも、当時録音できる唯一のメディアは、金属に薬品をコーティングした「アセテート盤」という板で、強度に欠け保存にも不向きな媒体だったからです。
ちなみにこのアセテート盤はあの「玉音放送」が録音されたことでも知られています。

ともあれ、CBCラジオでは4つのスタジオ(上図参照)を交互に使いつつ、1日あたり17時間の放送を出し続けました。

CBCの開局と前後して東京通信工業(現・ソニー)が国産テープレコーダーの開発に成功し、数か月後にはCBCラジオでもテープレコーダーを導入して録音番組を量産していきます。

初代第1スタジオ

出来て間もない民間放送の存在を知らしめる狙いもあり、CBCでは当初から第1スタジオを公開用スタジオとして設計しました。

この第1スタジオは現在の同名スタジオとは異なり、2階には80人分の客席が設けられていました。

この初代第1スタジオがあった場所は、現在のCBC会館東南角、現在の第2スタジオと第3スタジオのあたり、現在の第1スタジオの東側です。

ここでの公開放送は『ストップ・ザ・ミュージック』や『バイバイゲーム』など、毎回大変な人気を博しながらも、1958年(昭和33年)3月で一斉に終了しました。

前述のようにレコーダーの発達により録音番組が増えたこと、さらにその録音番組を東京や大阪の局と交換できるようになった、つまりネットワーク化が始まったことが挙げられますが、CBCラジオの場合はさらに別の理由がありました。

旧スタジオの取り壊し

1956年(昭和31年)11月、CBCではテレビ放送が開始されるのを前に、7階建ての新社屋(CBC会館)を建造しました。

竣工時のCBC会館は、開局時のラジオスタジオ棟に連結するように広小路通り側へ作られ、初代第1スタジオはじめ各ラジオスタジオはその後しばらく使用されていました。

下の画像でCBC会館左に隣接する、2階建ての白っぽい建物が開局時のラジオスタジオ棟。ここに4つのラジオスタジオがありましたが、会館との連結工事で第5スタジオが新たに作られています。
そのためCBCテレビのスタジオは第6以降の番号を使用していました。

さらにその左奥に見えるのが、テレビ開局準備用オフィスとして建てられた南別館で、現在CBC放送センターが建っている場所にあたります。第1期工事を終えた1957年頃から第2期工事完了まで、ラジオマスターはスタジオ棟からこの南別館に移転していました。



その後1958年4月からCBC会館は第2期工事に入ります。公開放送が終了したのはこのためで、旧局舎のラジオスタジオを壊しながらその上部へ会館を増築していきました。

ちなみに、1958年4月から翌年5月までの間は、全てのスタジオが工事で使用できなくなったため、NHK名古屋放送局の旧スタジオを借りて番組を制作していました。

現在の第1スタジオは2代目

CBC会館に現存する第1スタジオは2代目にあたり、1959年(昭和34年)3月に完成しました。

旧局舎では初代第2スタジオがあった西方へ移転し、初代第1スタジオの場所には2代目第2~4スタジオが作られました(第5スタジオは2階へ移転)。
 

なお新たに公開放送用・音楽用として設計された第1スタジオは、2階席こそなくなったものの、床面積を広げて100人以上収容できるようになりました。

また、独特の凹凸壁面を用いた室内音響設計は、CBCホールや杉並公会堂、名鉄ホールなどを同時期に手掛けた建築音響学会の権威・東北大学教授の二村忠元が担当。
クラシック音楽の演奏にも適しており、建築史の観点からも非常に貴重なスタジオとなりました。

その後の公開放送

2代目の第1スタジオでは公開生放送が徐々に減っていくものの、昭和40年代初頭には深夜番組の公開録音が頻繁に行われており、1969年(昭和44年)には学生時代のつボイノリオが、ここで収録された『CBCヤングリクエスト』において人生初のラジオ出演を果たしています。

また同じ69年12月には、CBC会館1階東北角(現CBCラヴァースショップ)にサテライト型の「レインボースタジオ」が完成し、1998年11月までほぼ毎日公開生放送が行われ、第1スタジオに取って代わりました。

来年で築60年を迎える現行の第1スタジオ。
CBC放送センターへ移行する際に生放送用の設備は撤去されましたが、現在でも公開録音はもちろん、セミナーや"らじお女子"の定期公演など、各種イベントでほぼ毎週稼働しています。

日本の放送局で現存している公開スタジオも少なくなりました。
機会があれば、ぜひCBC第1スタジオに足を運び、民間放送の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
(編集部)

文中敬称略
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