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【エッセイ】Tシャツと乾杯というハードル ~アラフォーからの夏フェス~

先週の「CBCラジオ夏まつり」ですか。
あれ「RadiChubu」のブースがあったそうで。

執筆者の俺は聞いてないぞ!と猛抗議をしようとしたら「言ってないもん」の一言で返されそうだったので、おとなしく引き下がることにした私がコウノです。まぁ、俺がブースにいたところで何ができるわけでもないのです。

CBCラジオを愛する皆さん、お楽しみいただけたでしょうか。

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とりあえずフェス


ラジオまつり、大盛況だったのかなぁと思いつつ過ごした週末。やっぱりラジオ局も夏はフェスです。でも東京の局は夏よりもゴールデンウィークや秋にやってますよね。

最近は、音楽フェスでなく、ラジオ局が主催するイベントでも「フェス」と銘打つところがあります。もはや「フェス」が「フェスティバル」の短縮形だということを忘れるくらい、世の中フェスだらけ。

アイスクリームに地ビールに就活に婚礼家具も今や「フェス」の名を使うものが多いですが、規模も様々。昔はそれなりの大きなイベントが「フェス」と呼んでいたように思います。

無知故の苦手


で、そのフェスが、私は数年前まで苦手でした。
いや、フードフェスティバルでなく、野外音楽フェス系が苦手で。それは俺の無知によるものなのですが、とにかくフェスがわからないまま、そしてフェスに足を運ぶことなく、30代後半を迎えてしまいました。
正しくいえば、フェスでライブを見る以外の行動がわからないのだ。

ただ、ラジオとフェスは極めて深い関係性があります。だっていっぱいアーティストが出るもん。だからディレクターも喋り手も足を運びます。
しかも放送局によっては協力し、会場から生中継をやったり、ライブで演奏した曲を即放送したり。そうじゃなくても曲紹介で「今年の夏は○○フェスに出演の~」なんてのをよく聞くわけです。
ともすれば、夏フェスの一つや二つ行かずして何がラジオマンだくらいの勢い(実際にそんなことないと思うけどね)。

Tシャツと乾杯がわからない


その「ライブを見る以外の行動がわからない」なのですが、面食らったのは「その年のフェスのTシャツを買う」こと。買うんだ。買うものなんだ。

バックプリントにはその年の出演アーティストの名前が全部記されていて、なるほど、今年しか買えないのか。あとでこのTシャツ着て仕事場にいたら「あ、今年、○○フェス行ったんすか」なんて話が広がりそうなもんです。
しかし、それを買うのに3時間待ちだ。行ってわかったが3時間待ち。夏だ。熱中症注意だ。しかもその間にあちこちのステージでライブが始まっているではないか。それでも買うのか。結局、買ったのです。

一方で、もっとわからなかったのが、知人が僕に言ってくれた「○○フェス行くんすか!現地で会ったら、乾杯しましょう!」の言葉である。

カン…パイ?なんでするの?
しなきゃダメなの?
どうやらこれもフェスに行った時のお約束らしい。

知り合いや仲間に会ったら飲み物を買って乾杯らしい。なので、とにかくわからないまま「は、はぁ」と返事。

で、実際、当日の会場。それぞれが観たいライブを観終わって、次は同じアーティストを一緒に観ましょうってな段階になって合流。そして相手はビールを買いに行って、僕に手渡してくれる「乾杯!」「ウェーイ」。Yさん(ラジオディレクター)、Iさん(人気投票No.1 DJ)実は初めてのフェス参戦だった数年前、俺はものすごく恥ずかしかったのです。

…いや、広い会場で知り合いに会えたのは嬉しいし、飲み物も冷たくて美味しい、この後は観たい大物アーティストのライブだ。最高だ。最高だけど乾杯から入るのか、そうか。俺は頑張る。これがしきたりなんだな。いや、頑張るという話じゃなくて、これがフェスだそうです。

行くんだ、買うんだ、並ぶんだ。


「だそうです」なんて書くのは、未だ自分がまだ波に乗り切れてないということなのでしょう。俺はこれでいいのか。こんなことでビクビクしているのか。大谷ノブ彦先生に聞くしかないのか。

フェスは数年前を最後に足を運んでいなかったが、今年も春先以降になるとネットに流れてくるあちこちの夏フェス出演者情報を目にし、ラジオからも「今日情報が解禁になりましたが、今年は○○さん、××フェスに出演です」なんて声が聞こえてくるのです。
そして、気がつくと一昨日の夜、私はコンビニの複合型プリンターの前に立ち、再来週のフェスのチケットの番号を押していました。

ええ、今年は夏フェスに行きます。
今年は笑顔で乾杯するんだ。俺は。Tシャツも並んで買うんだ。

誰か行きます?
か、乾杯、しない?(小声)

\ウェーイ/

河野虎太郎
でも『プロの出ない、無料の夏フェス』には、ここ数年参加している。スタンド・アリーナ席合わせて数千人の観衆がいて、これが泣きそうになるんだ。
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