石塚元章 ニュースマン!!

尿検査でガンをチェック!早期発見に努めよう

ふたりにひとりがガンになる時代と言われている現代では、その早期発見と早期治療の重要性が非常に高まってきています。

3月15日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、名古屋大学未来社会創造機構の客員准教授、薬学博士・薬剤師である市川裕樹さんが、ガンの早期発見に役立つ最新の検査方法について解説しました。

聞き手はCBC論説室の石塚元章特別解説委員です。

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恐ろしい膵臓ガン

市川「膵臓ガンって最近すごく増えてきていて、死亡の原因としてはガンの中でも第3位になっているんです」

膵臓ガンは、ガンの中でも非常に発見しにくいものであると言われています。「沈黙の臓器」とも呼ばれる膵臓は異変が表れにくく、身体の不調に気付き検査をした時にはすでに進行していたというパターンが最も多いそうです。

市川「早期発見が困難なことに加えて、これまではあまり有効な検査がなかった。さらに市区町村で開催されるような身近な検査には膵臓がんが含まれていなかったりもして、発見の機会も少なかったんです」

発見の方法としては血液検査やMRIなどでの検査が行なわれていましたが、それらではガンを見つけることが難しかったのだとか。

市川「見つからないだけではなく、悪性度の高いガンということで予後も非常に悪くて」

5年生存率、つまり膵臓ガンにかかり5年間生きられる確率はわずか8%。ガンの中でも最も低いことも困難なガンだと言われています。

自宅でガン検査

石塚「逆にうまく見つけられれば生存率は高まるということでしょうか?」

市川「そうですね。早い段階で、特にガンが1cm以下の状態で発見することができれば、5年生存率は80%までに上昇するんです」

早期発見によって生存率はなんと10倍も変わってくるとのこと。いかにガンを早く見つけ、対応するかが重要です。
しかしその発見が困難な病気であった膵臓ガン。近年研究が進んだことにより、早期のガンに対しても高性能な検査ができる「尿ガン検査マイシグナル」という方法が開発されたそうです。

市川「自宅から尿を送るだけで簡単に高精度な検査を受けることができるんです」

健康診断や人間ドッグなどでも行なわれる、なじみ深い尿検査。最新の研究でガンが発見できるようになったのです。

医学は進歩する

体内にあるマイクロRNAという物質が、ガンが発生したり増殖・転移することに非常に深い関わりがあるということが、最新の研究で明らかになったとのこと。

マイクロRNAはガン細胞が発生したり増殖・転移する時に放出されていることがわかり、その量を調べてガンのリスクを判定する検査が「尿ガン検査マイシグナル」とのこと。

市川「マイクロRNAは体内に微量しか含まれていないため、着目はされていても実用化まで持っていくことが非常に難しかったんですが、さまざまな大学や病院と共同で研究して実用化できる段階まで磨き上げられました」

この検査では早期のガンでも92.9%という高い水準で発見することができ、これは従来の腫瘍マーカーでの検査精度が30%台のものであるのに対し、非常に高精度となっているようです。

ちなみにマイクロRNAの発見者は昨年のノーベル賞を受賞しており、まさしく最先端の知識と技術であると言えます。

末永く健康でいるために

市川「さらに膵臓ガンだけではなく、肺ガンや大腸ガンといった全部で7種類のガンのリスクを判定することができるんです」

石塚「ガン検査って大げさなイメージありますけど、検査を受けるハードルがだいぶ低くなりますね」

すでにこの検査を活用し、肺がんをステージ0の早期の段階で取り除くことができたという事例もあるそうです。
また医科大学や全国800以上の医療機関でも導入されているとのこと。

市川「早期に発見することで、治療にかかる費用や負担も全然違いますし、予後も変わってきます」

健康診断や人間ドッグのように、定期的に検査することを推奨しているという市川さん。

市川「進行してしまってから後悔しては遅いので。ご自身やご家族、大切な方が健康で幸せな人生を送るためにも、まずは早期発見の重要性を皆さんに知っていただきたいなと思います」

石塚「従来のいろいろな健診やガン検査に加えて、選択肢が増えたということですね」

人生100年時代と言われる現代ですが、健康でなくては意味がありません。まずは早期発見につながるよう検査を欠かさないようにしましょう。
(吉村)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2025年03月15日08時16分~抜粋

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