『石塚元章 ニュースマン!! 』、セントラル愛知交響楽団主管のマーシー山本教授が、クラシックの名曲や名作曲家にまつわるびっくりエピソードを紹介する「マーシー山本教授のびっくりクラシック!!」のコーナー。
3月27日放送の放送では、交響曲の終わり方について、作曲者による違いを取り上げました。
まずは「ジャジャジャジャーン」でおなじみ、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」から。
「これでもか!」「もう終われよ!」
マーシー山本教授いわく、ベートーヴェンは「執念深く粘着質」。
曲を1つ作るのにも、例えばモーツアルトは「さらさらっと書いて、はいできあがり」。
一方のベートーヴェンは、「消したり書き直したりを何度も繰り返し、やっと最後までたどり着く」という特徴があったといいます。
「運命」の演奏は約35分。
マーシー山本教授によると、曲の最後、終わり方が「これでもか!」「もう早く終われよ!」という感じになっているというのです。
ここで「運命」のラスト、第4楽章の終わりの部分が流れます。
終わりそうでなかなか終わらない
「いかにもここで終わりそう」な雰囲気の「ジャジャジャジャジャン、ジャジャジャジャーン」のあとに、さらに続く「ジャンッ、ジャンッ、ジャンジャンジャンッジャン、ジャーーーン」。
終わりそうでなかなか終わらない、もどかしい展開に、渡辺美香アナウンサーからは思わず「うふふふふふ」と笑いがこぼれます。
「ベートーヴェンが作ってるからありがたく聞いてますけども、これコントですよね」というマーシー山本教授に、「新喜劇だったら何度もコケてます」と渡辺。
ベートーヴェンの曲に合わせて、新喜劇のドタバタが繰り広げられる様子が、うっかり目に浮かんでしまいます。
「終わりそうで終わらない」ラスト部分。
初演のときは「どこで拍手をしよう?」と戸惑ってしまう楽曲のようです。
チャイコフスキーも負けてはいない
「こういう曲がベートーヴェンは結構たくさんあるんですよ」とマーシー山本教授。
マーシー教授「30分聴いてスッと終わるよりは、これだけ粘った方がありがたみはありますけど」
渡辺「いよいよ終わる感じはある」
作曲家のシンフォニーの終わり方には、それぞれ個性があります。
ベートーヴェンに匹敵するのは、やはり「粘着質」なチャイコフスキーです。
「あの甘いメロディーを聴くとなんとなく、すぐには終わらせてくれない」というマーシー山本教授に、「イメージはありますね」と納得の石塚元章。
チャイコフスキーは交響曲を6曲書いていますが、中でも第4、第5、第6は度々演奏されています。
ベートーヴェンよりはシンプル
交響曲第4番は、1~4楽章で約40分。
まずは金管のファンファーレが印象的な冒頭部分が流れ、続いて気になる終わり部分が流れます。
躍動的なリズムでたたみかける音符のあとに「ジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッジャッ!」と大盛り上がり。最後に「ジャーーーン」と終了。
この展開に「ベートーヴェンだと『ジャン、ジャン』っと、あと音が3つか4つ入って終わるんですけど」とマーシー山本教授。
マーシー教授「ベートーヴェンよりは、ちょっとね」
石塚「シンプルな、けど長いっていう感じですか」
指揮者の腕の見せ所
チャイコフスキーの終わり方は、もうひとつ特徴的なものがあります。
「曲調がどんどん早くなって、最後は同じ音(ユニゾン)で、ドーッと伸ばして終わる」
最後に皆で同じ音を演奏して終わるのが、チャイコフスキーならではということのようです。
交響曲の終わり方で一番多いパターンは「ジャーーン、ジャン」ですが、ベートーヴェンの場合は「ジャーン、ジャン」の後にさらに「ジャン、ジャン」。
渡辺「指揮者の方は腕の見せ所で、一番派手にリアクションができそう」
石塚「指揮者のクセが出るわけですかね」
渡辺「振り上げる感じ、いいですよね」
今回もクラシックの楽しい聴き方を教えてくれた、マーシー山本教授でした。
(minto)
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年03月27日07時33分~抜粋