石塚元章 ニュースマン!!

クラシックで遊ぼう!名古屋が生んだ天才"スギテツ"杉浦哲郎

1月4日放送の『石塚元章ニュースマン!!』に、ヴァイオリンとピアノのデュオ「スギテツ」から、ピアニストの杉浦哲郎さんがゲスト出演しました。

名古屋市出身であり、CBCラジオとは意外な関係であることを明かした杉浦さん。
そしてエンターテイメント性豊富な語りに、CBC論説室の石塚元章特別解説委員、渡辺美香アナウンサーはその魅力に吸い込まれ、いつもより長めにインタビューしてしまうほどでした。

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踊り+おどる

「クラシックを遊ぶ音楽実験室」をテーマに、誰もが知っているクラシックの名曲を、様々な音楽(アニメ・ドラマの主題歌など)や環境音(鉄道・コンビニ入店音など)と融合させ、聴くだけでなく観て楽しいコンサート活動をスギテツは続けています。

昨年は結成15周年を記念して、東京フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーションを果たしたアルバム『SUGITETSU UNO SCHERZO(スギテツ・ウノ・スケルツォ)』をリリース。今後の活躍がますます期待されます。

まずはプロフィール紹介のBGMで、聞き覚えのあるクラシックが流れてきました。
チャイコフスキーのバレエ組曲『くるみ割り人形』の中に、『葦笛(あしぶえ)の踊り』という曲があります。“白い犬のお父さん”のCMでお馴染みの曲です。

ところが、いつの間にかメロディーがアニメ『ちびまる子ちゃん』の主題歌に変わっていくではありませんか。
まさに「踊る」つながりで、その曲名もズバリ『葦笛の“おどるポンポコリン”』というものでした。

このように、聴いているうちに違和感なく他の曲に変わっていったり、2曲以上のメロディーを重ねて1つの曲にする手法を「マッシュアップ」と言うそうです。
こんな遊び心満載の作品を、これまでリリースしてきた中から杉浦さんにいくつか紹介してもらいました。

モーツァルトの味付けは?

「まずは入門編ということで、CBCにゆかりのある料理番組のテーマ曲を、モーツァルトさんが“料理”したらどうなるか?」

そう杉浦さんが言って流れてきたのは、かの名曲『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』。
すると、やがてCBCテレビの長寿番組『キユーピー3分クッキング』のテーマ曲に変わります。しかしまた『アイネ~』に戻り、そして『3分~』に変わっていく。この行ったり来たりが楽しい作品です。

その名も『アイネ・クライネ・3分クッキング』。タイトルの語呂もシャレていますね。
ちなみに『3分~』のテーマ曲も元々は『おもちゃの兵隊のマーチ』というクラシックなんだそうですよ。

聴いても見ても楽しめる

「次はベートーヴェンなんですけど、『交響曲第5番』と言えば、誰もが知っている『運命』ですね。
あれを今度はみんなが小さい頃から歌っている童謡とミックスしまして。
迷子の子猫ちゃんのお家を見つけられなくて、ひょっとしたらリストラされてしまったかもしれない、『犬のおまわりさんの運命』という曲です」

「ジャジャジャジャーン!」から始まる調べの中に、すぅーっと入り込んでくるあのメロディー。元が『運命』なだけに、悲壮感が漂う犬のおまわりさんになっています。

ちなみにコンサートでは演出として、スギテツのヴァイオリニスト・岡田鉄平さんが左手に「犬のおまわりさん」のパペットを付けた状態で演奏したり、さらにゲストのオーケストラの奏者全員にも付けてもらったりもするんだそう。
聴覚だけでなく視覚も楽しませてくれるのでした。

ギャップから笑いは生まれる

「次の曲はシュトラウス2世の『美しく青きドナウ』。まさにニューイヤーにぴったりなんですけど、全然ぴったりじゃないアレンジにしちゃったんです。
『美しく青きドナウ河のさざなみ殺人事件』という曲を聴いていただいてよろしいですか?」

そう杉浦さんが言うや否や、聞こえてきたのはあの衝撃的なテーマ曲でした。

「ジャンジャンジャーン!ジャンジャンジャーン!」

懐かしの『火曜サスペンス劇場 フラッシュバックテーマ』です。火サスと言えばこれ。崖に追い詰められた犯人の姿が目に浮かぶようです。
ここから短調・四拍子に変わった不穏な『美しく~』が流れ、弦楽器によるパトカーや救急車のサイレンの音色が加わるという作り。

優雅な原曲と緊張感のあるアレンジとの融合、つまりギャップのある組み合わせほど面白いということです。

記念すべき演奏デビュー

ユニークな発想の持ち主である杉浦さん、そのルーツは?

「僕、こどもの頃『トムとジェリー』が大好きで。オーケストラを使っていろんな音を出して、(いろんなシーンと)リンクさせていて。これを自分でもやれないかなと思ってピアノを習っていたり」

「小学校の時にブラスバンド部に入って、そこで経験値も全く無いのに校歌を勝手に編曲して、みんなで演奏してもらって。メチャクチャだったんですけど、それがとっても嬉しくて」

スギテツの“冗談クラシック”精神は、幼少の頃から培われていたのです。

「ちなみに、初めて自分の演奏が電波に乗ったのって、この局(CBCラジオ)なんですよ。あまりいい賞はもらえなかったんですけど(笑)」

なんと、50年以上続いている『CBCこども音楽コンクール』が、杉浦さんの演奏デビューだったといいます。

スギテツはCBCが育てた

「おそらく、初めて電波に声が乗ったのもCBCで。たまたま実家の掃除を手伝っていたら出てきたんですけど」

そう言って手帳を取り出した杉浦さん。そこには「1979年8月4日 青少年公園」と書かれてあります。
中には『今夜もシャララ』『ばつぐんジョッキー』など往年の番組名が。
しかも、つボイノリオや赤塚不二夫のサインまでありました。

「小学校5年生ぐらいかなあ。“大人インベーダーをやっつけろ”みたいなラジオのイベントがあって。
こどもがインベーダーをかたどった、自分の名前を書いたプラカードを持って、赤塚さんやつボイさんがパネラーでいらっしゃって。
それで大人を何か質問で困らせるみたいなのがあったんです。長久手の青少年公園(現モリコロパーク)で」

そこに参加した杉浦少年は、自分のプラカードを「はい!」と上げて、「赤塚さん、これどういうことなんですか!?」と質問を浴びせたとのこと。その様子がラジオで放送されたというわけです。

その手帳はCBCラジオから記念品としてもらった物でした。もはや、杉浦さんのエンターテイメント性はCBCラジオが育てたと言ってもいいのかも?

“てつろう”という名はダテじゃない

鉄道の旅が趣味で、鉄道ネタの作品も数多く作っている杉浦さん。その片鱗もまたこどもの頃から見せていたようです。

「鉄道ファン歴は小学4年生、ブルートレイン世代です。
勝手に自分で地図に路線を作ってね。地下鉄名城線が当時、大曽根・新瑞橋間だったのを、僕は『将来これは絶対山手線みたいに循環化すべきだ。東山線とのジャンクションは本山駅で、鶴舞線は八事駅がベストなんじゃないか』と」

まさにそのようになりましたね。

「あと当時、貨物列車だけだった臨海鉄道。これも『旅客運用すべきだ』と勝手に金城ふ頭まで駅を作って。そしたらそれが“あおなみ線”になったので」

何という先見の明でしょう。末恐ろしいこどもだったのですね。

そして最後は、3月14日(土)にウィルあいちでコンサートをするという話をしながらも、「3月14日に近鉄のニュー車両『ひのとり』がデビューするので、楽しみです」と音楽活動に全く関係ない告知もしてしまう、オチャメな杉浦さんなのでした。
(岡戸孝宏)
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年01月04日08時11分~抜粋

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