グリーンランドが欲しい理由は?
トランプ大統領は8月18日、北極圏にある世界最大の島、グリーンランドを購入したいという考えを記者団に述べました。
これに対して、グリーンランドを管轄するデンマークのフレデリクセン首相が「ばかげている」と一蹴したため、トランプ大統領は9月のデンマーク訪問を延期しました。
多くの日本人にとってはあまりなじみがないグリーンランド。昔、学校の社会の授業で、メルカトル図法を使った地図だと、実際よりもかなり大きく描かれると習ったことぐらいしか記憶にありません。
そんなグリーンランド購入の理由として、まず石塚が挙げたのは、北極圏にある豊富な資源。
地球温暖化により北極圏の氷が溶けたことで行きやすくなり、資源を堀りやすくなったのですが、中国も同じくこの資源を狙っているという背景があるようです。
また、地球儀を上から見るとわかりやすいのですが、グリーンランドは北極海を隔ててロシアに近い場所にあり、軍事的な要所にあるというのも、購入したい理由のようです。
現在、アメリカと中国の間では貿易摩擦が起きており、経済的な覇権争いが繰り広げられていますが、グリーンランドを巡っても覇権争いがあるようです。
アメリカは過去にも買収していた
他国の領土を買うという発言は、一見すると突拍子もないように感じられ、「またビックリさせられるようなトランプ発言か」ととらえたかもしれませんが、アメリカの歴史においては、実は珍しいことではありません。
アメリカは1803年、現在のルイジアナ州を含めた広大な土地をフランスから購入しています。ルイジアナの「ルイ」は、フランスの王様だったルイ14世などの「ルイ」から来ています。
また、1867年にはロシアからアラスカ州を購入していますが、これはクリミア戦争でロシアがかなりの経済的な損失を受けたためです。
当時、交渉にあたったアメリカの国務長官に対して、アメリカ国内では「こんな寒いだけで何もない土地、巨大な冷蔵庫を買って何になるんだ!」といった批判が集中しましたが、後に豊富な資源が発見された後は評価が上がったそうです。
先を見通すことは難しいという一例ですね。
ただ、これらの話は19世紀の話であって、現在で他国の領土を購入するという話に違和感を覚える人も少なくないでしょう。
石塚はこの騒動について、最後に「地球温暖化で氷が溶けだしたことで、みんなが最近、注目し始めた理由なんだけど、トランプさんってそもそも『温暖化なんてない』って言ってた人なのでは?というのが、皮肉な感じもいたします」とまとめました。
(岡本)