北野誠のズバリ

人気のスクワット。今の流行りは「相撲スクワット」

7月12日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』には、50歳女性から「筋トレは下半身が大事?」との質問が寄せられました。

この質問に対し、効果的で簡単な筋トレについて、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が回答します。

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筋トレは効果大

まずは質問の詳しい内容です。

「スクワットを朝と晩10回ずつ半年ほど続けてきたのですが、歩くのがものすごく楽になりました。太ももは大事ですね。みんなに勧めたいです。やはり筋トレは下半身が大事ですか?」(Aさん)

この質問に「そうですね」と即答した吉田先生。その理由を説明します。

吉田「筋肉の量は全身の70パーセントが下半身に集中しています。上半身の体重を支えるために下半身の筋肉量は圧倒的に多いです。

筋肉を鍛えると、基礎代謝量が増えて、肥満を防げるし、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞の予防、あと白血球が活性化して免疫力が高まります。
あと、中高年になると睡眠ホルモンが少なくなって、どうしてもぐっすり眠れなくなりがちですけど、筋トレすると筋肉で睡眠物質が作られてよく眠れるようになります。

こういう健康にいい効果は鍛える筋肉の量に比例します。だから、もっとも効率がいいのは下半身の筋トレになります」

内臓、脳にも効果的

足腰を鍛えることにより、一見無関係に思える内臓や脳の健康にも効果があることがわかってきたそうです。

吉田「高齢になると立ったり歩いたりできなくて、最後寝たきりになる人も増えますが、こういうように運動機能が衰えることをロコモティブシンドロームと言います。

日常生活で動かなくなると、その影響で心臓、肺の老化が加速して衰えます。あと、社会的な活動範囲が狭くなるので、いろいろな人と触れ合う機会も減って、脳が老化して認知症になりやすくなるので、内臓、脳の健康を守るためにも、やはり下半身の筋トレが圧倒的に重要です」

スクワット運動がベスト

吉田「もちろんジムに行っていろんな器具を使って、上半身の筋肉もくまなく鍛えた方がいいのは当たり前ですけど、やはりそこまではできない」

「最低限の時間で健康を保ちたい」という人に最適なのがスクワット運動という吉田先生。

吉田「スクワット運動は下半身だけでなく、上半身の筋肉も結構鍛えられています。スクワット運動の最中に、姿勢を保つために上半身の体幹をそらせる脊柱起立筋という筋肉や、逆に上半身の体幹を曲げる腹直筋なども鍛えられています。

だからスクワット運動さえしていれば、健康を保つ効果は100点満点ではないけど70点くらいにはなります」

スクワット運動の注意点

ただし、スクワット運動には注意点があるとのこと。

吉田「まず一番大事なところ、膝が内側に入らないようにしてください。内側に入ると膝の靭帯とか半月板にストレスがかかり、膝関節を痛めるので、膝はやや外側を向くようにしていただきたい。

あと背中を丸めてする人もいますが、これは腰の関節に負担をかけるので腰痛の原因になります。背中まっすぐにして、お尻をほんの少し後ろに突き出すようなイメージがいいです」

さらに呼吸を止めると血圧が上がることにも注意したいと吉田先生。

吉田「ベストはしゃがむ時に息を吸って、せりあがるときに息を吐く。これが最も血圧が上がりにくい方法です。
一般的な健康づくりにはダンベルなど持たず、自分の体重だけで十分です」

運動する時間は分散させる方がいいものの、吉田先生によれば「ベストは寝る3時間前」だとか。よく寝る効果が最大になるそうです。
ただし、要注意の時間帯もあるとのこと。

吉田「起きてすぐだけは絶対だめです。寝ている間に関節が固まっていて、いきなりスクワット運動をしたら、関節が痛みます」

相撲スクワット

最後におすすめのスクワット運動を挙げた吉田先生。

吉田「相撲からヒントを得た『相撲スクワットという方法』です。これはアメリカで人気があります。

やり方は相撲のしこを踏む時のように歩幅をかなり広げ、つま先も外にハの字に広げます。この状態でスクワットをしますが、完全に腰を落とすときつすぎるので、お尻が膝の高さくらいになるところまでにとどめておくのがおすすめです。

これは下半身の筋肉をより効果的に鍛えられ、股関節が柔らかくなるので可動域が広がり、転倒しにくくなります。若い女性はヒップアップにも効果があります」
(みず)
 
北野誠のズバリ
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2024年07月12日14時13分~抜粋

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