北野誠のズバリ

宇津呂鹿太郎が語るタクシー怪談。乗せたはずの男性が別人に?

今週の『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)は「お盆特別企画 怪談てんこもり」。日替わりで怪談師が登場して、怪談を披露しています。

初日となる8月9日のゲストは、怪談作家でNPO法人宇津呂怪談事務所所長の宇津呂鹿太郎(うつろ しかたろう)さん。

兵庫県尼崎市にある市場の空き店舗で、怖い話や不思議な体験を買い取る「怪談売買」を行っている宇津呂さんが、とっておきの怪談話を披露しました。

こちらでは、タクシーにまつわる怪談を紹介します。

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激しいダメ出しをする客

これは、東京でタクシー運転手をしているオオタさん(仮)が、数年前に体験した話です。

その日、深夜勤務だったオオタさんは、六本木である男性客を1人乗せました。50代ぐらいのその男性は、仕立てのいい黒いスーツを着た、頭髪をピッチリ整えている人でした。

行き先を告げた男性に「わかりました」と応え、車を走らせるオオタさん。しかしこの男性、後部座席からものすごい「ダメ出し」をしてきたのです。

「ハンドルの回し方が乱暴」「車線変更するのが遅い」など、ちょっとしたことでいちいち難癖を付けてくる男性。

きつい表現で叱責され「怖いな、嫌だな」と思いながら運転していたオオタさんでしたが、男性から文句を言われれば言われるほど、ケアレスミスが増加し、またそこを突っ込まれることを繰り返していたのです。

振り向けば全くの別人

「勘弁してくれよ」と思いながら、オオタさんは運転に集中することに。途中からルームミラーで後ろの様子を見ることもしませんでした。

しばらく運転をしていると、後部座席から声が聞こえなくなりました。

「静かになったから良かった。居眠りでもしているのかな?まあこの方がいいや」

オオタさんはこう思いつつ運転を続け、やがて目的地に到着しました。しかし、男性はまだ寝ているのか声を出しません。

「着きましたよ」とオオタさんが声をかけると、男性は「ありがとうございます」と一言。

「随分様子が違うな」と思ってよく見ると、その男性は最初に乗ってきた威圧的な男性とは全くの別人でした。

キツネが憑依していた?

髪型やスーツはさっき乗せた男性のまま。しかし顔が全く違っていたのです。しかも態度がまるで真逆なのです。

「ありがとうございます」「おいくらですかね」「おつりは結構です」

こう言って、男性はタクシーを降りていきました。

「態度が違う以前に、違う人だ」と怖くなり、オオタさんはその場を離れたのです…。

この奇妙な話に「その一瞬だけ、なんか憑依してたんですかね」と北野誠。

実際、憑依されると顔も変わるといわれているそうです。「キツネにつままれる」とはこういうことかもしれません。

尼崎のタクシー幽霊は“いらち”?

タクシー怪談としてよくあるのは、乗せたはずの客がいなくなり、座席が濡れていたという話。北野はこの話の「おもしろ亜流バージョン」を語ります。

北野「タクシーに女性が乗ってきて、おらんなった!怖っ!と思って、またぐっしょり濡れてんのかと思ったら、降ろした場所が鳥取砂丘だったんで、砂がいっぱいあったっていう」

この北野の話に、宇津呂さんは「尼崎(あまがさき)亜流バージョン」を思い出しました。

宇津呂さん「お墓の前で夜中に女性を乗せて、『どちらまで?』って言って振り向いたらいなかったっていう」

通常は「目的地に到着したらいなかった」という話になるはずなのですが…。

宇津呂さん「乗せた直後に消えてるっていう。尼崎のタクシー幽霊は“いらち”なんですよ。せっかちなんですよ」

タクシー幽霊も住む?場所で性格に違いがあるようです。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2023年08月09日14時51分~抜粋

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