北野誠のズバリ

「著作権侵害で訴えてやる!」への対処に注意!思い込みの激しいクレームも

パクリや盗作など、時折著作権に関する問題がニュースになることがあります。

実際に著作権を侵害するのは良くないですが、中には無茶な理由で著作権の侵害を訴えるケースもあるそうです。

5月13日放送『北野誠のズバリサタデー』では、『エセ著作権事件簿』(パブリブ)の著者で作家の友利昴さんが、「著作権の侵害」という言いがかりによる事件について解説しました。

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ブログの記事を盗作と訴え

ある企業の法務部に勤められていて、著作権侵害の警告書を送ったり相手を訴える側の仕事をしている友利さん。

「著作権の訴えはどこまで通るのか」を調べてみたいと思いつつ、出版社の方と話をしていたところ、著作権に関する理不尽なクレームを受けることを知り、根拠のない過剰な著作権のクレームを「エセ著作権」と名付けて、本にまとめられました。

例えば、元衆議院議員で現在はタレントの杉村太蔵さんは、過去にブログの記事に対して「盗作された」と訴えられたことがあったそうです。

杉村さんが若い頃、雪山に入ってそのまま命を絶とうと思ったけど、結局寒すぎて風邪をひいて帰ってきたといった内容をブログに書いたところ「同じようなことが書かれている本がある」と騒がれてしまったそうです。

結果杉村さんは謝罪し、その本の著者の方も許したそうですが、実はその本の中身が矢沢永吉さんの自伝『成りあがり』(角川文庫)に似ているのではないかという、別の騒動も起きてしまいました。

雪山に入ってというのはよくあることとも言えますので、パクリか偶然か、見極めが難しいところです。

絵画の所有者が無謀な訴え

『エセ著作権事件簿』では、この他にもさまざまなケースが紹介されていますが、他には論語の翻訳内容をパクったという訴えも。

ただ、元は中国語で、よっぽど翻訳後の文章が独特な言い回しではない限り、訳し方は大きく変わらないかもしれません。

友利さん「思い込みなんでしょうね。『自分が最初に翻訳したんだ』っていうプライドだったり、過剰に出過ぎるところが人って誰でもあるのかなということですよね」

また学問の世界でも同じような事例があります。錦絵の原本のコレクションをしている人が、「日本史の参考書で勝手に載せている!」と、出版会社を訴えた事例もあるそうです。

訴えた人はあくまでも単なる所有者であって、著作に関する権利を持っているわけではありません。
そもそも江戸時代の絵なので、著作権はとっくに消滅しています。

このコレクターは著作権の侵害では訴えられないとわかると、今度は「所有権の侵害」と言い出したそうですが、誰も原本を盗んでいるわけではありません。
そこで続いて「精神的苦痛を受けた」として訴えるなど、法的な根拠のない訴えをし続け、結局は敗訴となったそうです。

クレーム対応でも要注意

著作権侵害について意外と多いのが大学教授による訴えだとか。
ただ大学教授の訴えといっても正当なものではなく、結構無茶なケースもあるようです。

友利さん「偉い立場の人ほどこだわりやプライドを持っちゃう傾向が、もしかしたらあるかもしれないし、それが裁判でひっくり返っているのが面白いですね」

ただ、こうした無茶なクレームに対して、いわゆる大人の対応で無難に済ましてしまうと、後で大変な目に遭うこともあるそうです。

友利さん「その方が丸く収まるんですけど、どんどん表現や発信できることが少なくなってきちゃうので。
さすがに(訴えの内容がひどい)って思う時はちゃんと反論をすることも大事だと思いますね。
これからは安易に屈しないという姿勢も必要かなと思いますね。

一回謝ると『じゃあお金払え』とか『謝罪文を公表しろ』とかエスカレートして行っちゃうこともあるので」

無難に謝ってしまったがために「間違いを認めた」と捉えられ、どんどん追い込まれていくケースがあります。
著作権侵害に限らず、クレーム対応などでも無難に済まそうとすることには注意が必要なようです。
(岡本)
 
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2023年05月13日10時28分~抜粋

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