北野誠のズバリ

「ご祝儀が入ってなかったから払ってほしい」と催促された!払う必要はある?

『北野誠のズバリ』、身近な疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナー。

7月27日の放送では、「会社の同僚の結婚披露宴で3万円渡したのに、後日『ご祝儀が入ってなかったので、払ってもらえないか』と言われてしまった」というリスナーAさんから相談が寄せられました。

「支払わなければならないの?」とお嘆きのAさんに、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が結婚披露宴のご祝儀について解説しました。

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めでたい席でまさかの出来事

先日、会社の同僚の結婚披露宴に参加したAさん。長い間一緒に働いた人なので、感慨深い式だったそうです。式は会費制ではなかったので、Aさんは3万円のご祝儀を渡しました。

後日その同僚から電話があり、「お礼かな?」と思って出ると、なんと「ご祝儀が入ってなかったよ!3万でも1万でもいいから、払ってもらえない?」と催促されたというのです。

「ご祝儀は入れたはずだし、何かの手違いでは?というか、催促するってどういうこと?支払わないといけないの?おめでたい席でこんなことが起こるなんて、複雑な気持ちになりました」(Aさん)

ご祝儀はあくまでも「贈与」

「これは逮捕ですよね、普通。赤切符ではないんですか?」とご祝儀は支払うものと主張する北野誠に、「赤切符でもなんでもないですね。いきなり逮捕ってビックリした(笑)。違いますよ、あくまでもマナーの問題です」と返す原弁護士。

北野「支払い義務はあるんちゃうの?」

原弁護士「結論から言うと、ないです」

ご祝儀はあくまでも「贈与」。そして親しい人が結婚する時の「慣行」です。金額も「なんとなく割り切れない数字」というだけで、特別な決まりはありません。

会費制の披露宴の場合は金額が書いてあるため、参加の意思を表明した時点で契約が成立したことになります。しかし、会費制でない披露宴ではご祝儀の金額が明示されていないので、お金を支払う契約は成り立っていません。

ご祝儀はあくまでも「贈与」なのです。

「ご祝儀は〇〇円以上」と書くべき?

「会費制だったのに、急に一緒に行ったツレが『これ、お祝いで』って祝い金出したり。抜けがけですよ、あれは。言ってくれよ!俺が悪いやつみたいやんけ」と、苦い経験を思い出して憤る北野。

「いるんですね、そういう人」と驚くアシスタントの氏田朋子。北野は「おんねん、自分だけええかっこ出しやがって」と怒りが収まりません。

話を元に戻します。

北野「招待状に『ご祝儀は必ずいただきます』と書いておいたらいいんですね」

原弁護士「そうです。欲しければ書くべきなんですよ(笑)」

もらいたければ「ご祝儀は〇〇円以上」と招待状に書くべきという話ですが、友人をなくしてしまいそうな気もします…

支払わなかった男

ご祝儀は「社会的儀礼」。あげるかどうかは参加者の自由ですが、会場の入口で受付をしているので、スルーするのはかなり難しい状況です。

しかし、北野の身近なところに猛者がいました。俳優の古田新太さんは、北野の結婚式でご祝儀を払わなかったというのです。

「こんだけよう食べて飲んでワー!言うて。大騒ぎしてるわりに1円も払ってへんやん」と伝えると、古田さんは「ビデオメッセージの中で『誠兄さん、そんなの気にせんタイプやから』」と語っていたというのです。

北野「気にしてました。まだ根に持っております。今、あんな出れてるんだったら、『兄さん、すみませんでした』と3万円も包まんねん!と思いながら」

原弁護士「今からでもね、ご祝儀受付可ですから」

離婚したら返してもらえる?

北野にはもうひとつ引っかかることがありました。それは「ご祝儀を渡したのに、半年後に離婚したら返してもらいたい」ということです。これも「ご祝儀あるある」のひとつかもしれません。

原弁護士によると、これは「贈与のマジック」。贈与は「渡したら終わり」で、取り消しはできないというのです。

翌日に離婚しようが、1年後だろうが、一度支払ったご祝儀は間違いなく返してもらえません。これを防ぎたい場合は、ご祝儀袋に「半年以内に離婚した場合は返してもらいます」と、条件をつけておくことしかないそうです。

北野「これからご祝儀袋にメッセージ欄を付けなあかんやん」

原弁護士「すべて契約には条件が必要です」

これから結婚披露宴の案内状には「ご祝儀は〇〇円以上でお願いします」の文字が、そしてご祝儀袋には「半年以内に離婚したら返してもらいます」の文字が書いてあることが増えるかも?

「結婚式、やらん方がええな…」と、思わずこぼす北野。

ご祝儀泥棒に要注意!

今回のAさんの問題に関しては、「ご祝儀はただの気持ちなので払う必要はない。でも払ってもいい」という結論でした。

一度払っているはずのAさんからすればなんとも後味の悪い話です。ご祝儀泥棒なのか、どちらかのチェックミスなのか。答えはわからないままです。

「祝儀泥棒ってたまに現れますから、気を付けてくださいよ」と注意を促す北野。「『ここ見といてあげる。トイレ行っといでー』と言われ、『結婚式の関係者かな?』と思って任せたら祝儀泥棒だった」という例もあるようです。

「支払う義務はない、ということですね。僕はてっきり逮捕やと思ってました」と、古田新太さんがちらついた様子の北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年07月27日14時13分~抜粋

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