北野誠のズバリ

誕生のきっかけは倒産。世界最軽量級の折りたたみ傘「pentagon67」

梅雨真っただ中!ジメジメとした今の季節に便利な傘のお話です。

6月20日放送の『北野誠のズバリ』「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナーでは、ポテトチップス1袋とほぼ同じ「67g」という世界最軽量級の軽さを実現した折りたたみ傘「pentagon67(ペンタゴンロクナナ)」について取り上げました。

実はこの折りたたみ傘、誕生のきっかけはある不幸な出来事だったといいます。株式会社アンベルの代表取締役 辻野義宏さんにお話を伺いました。

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ある日突然会社が倒産

株式会社アンベルは2016年創業の新しい会社ですが、辻野さんはこの業界で30年近いキャリアがあるベテランです。

この超軽量傘が生まれた背景には、辻野さんの身に起きたある不運が関係していました。

辻野さんは元々、創業明治16年の名古屋の老舗傘メーカーで20年以上務めていたベテランサラリーマン。その会社が、社員に何も知らされないまま突然倒産してしまったのです。

会社が倒産したのは2016年の2月。梅雨に向けて受注した製品を製造中でした。

お客さんからすれば、これから他社へ発注を振り替えるには微妙な時期。辻野さんの元には「このまま生産を続けて納品してもらえないか」という電話がひっきりなしに入ってきていました。

「最後のご奉公」で納品

辻野さん「工場の方も僕から説得して。製造をやめてしまったりとか、他社へ流出したりとか、そういうことがないようにしてほしいと。お客さんの要望に応えるために会社を作ったという感じです」

この時辻野さんは発注と企画を担当していました。海外工場との窓口は辻野さんしかいなかったため、お客さんは辻野さんに詰め寄らざるを得ない状況だったそうです。

自身も職を失ったショックの中にありながらも、「最後のご奉公」を決めた辻野さん。「自分が受けた注文はお返ししよう」と、しっかり納品まで完了させることができました。

こういう経緯で立ち上げた会社であったため、来シーズンからの予定はありませんでしたが、「残務処理をしっかりしてくれた」ということで、大きいメーカーのお客さんたちが注文を続けてくれたのです。

しかし、今までのように価格競争やブランドライセンスだけに頼っていては同じことの繰り返しになってしまうと考えた辻野さんは、機能性を重視した商品づくりに重点を置くことに決めました。

壊れたビニール傘が山積みに

そこで目をつけたのが「超軽量」ジャンル。辻野さんがこの傘を作ろうと思ったきっかけは、台風の後の駅前の光景でした。

壊れたビニール傘が山積みになっている光景を見て、辻野さんは「傘業界を生業とするものとして心苦しい」「使い捨てのものをなるべく減らしたい」と感じたといいます。

当時、折りたたみ傘は150~200gが主流。

辻野さん「100gを切るような折りたたみ傘を作れば、鞄に入れっぱなしにしてくれるんじゃないかっていう感じで。鞄に常備する傘として開発したというのが流れです」

骨組みの素材は、カーボンファイバーやアルミニウムなどの軽くて丈夫な素材に。
生地は、品質に支障がないギリギリの薄さを目指しました。

こうして完成したのが、わずか67gの折りたたみ傘「pentagon67」です。

風速15mに耐えられる強さ

ここで松岡は北野に一般的な折りたたみ傘を手渡します。「別に重くはない」と北野。

続いて「pentagon67」。「今から渡します、ビックリしますよ」と松岡が手渡すと、北野は「なんやこれ…」と、その軽さに思わず絶句。

「これ、持ってる感じせえへんで。全然違う」と驚きを隠せません。

河原崎辰也も「なんか、ないんじゃないですか?」と大笑いです。

使い方は普通の折りたたみ傘と全く同じ。世界最軽量級ではありますが、風速15mにも耐えられる強い傘です。

たたむとチューペットほどの細さになるため、バッグの中でも邪魔になりません。「pentagon67」の価格は5,500円(税込)です。

ビニール傘よりも軽い長傘

株式会社アンベルは最近、「KALCT(カルクト)」という長傘も発売しました。重さは172g。こちらも長傘とは思えない軽さです。

松岡「持った感じがめちゃくちゃ軽いんですよ!びっくり!」

北野「軽いな~!これ負担になれへんわ」

河原崎「ひゃひゃひゃ!本当だ。ビニール傘より軽い!」

こちらも8,800円(税込)と高額ですが、すでに欠品が出ている状態だといいます。

短く軽い。一石二鳥傘

当初、辻野さんは長傘には乗り気ではありませんでした。しかし「長傘が欲しい」という要望と「傘の持ち方の問題」を考え、開発を決めたそうです。

辻野さん「ネットでも話題ですけど、傘の横持ちが危険だと。階段で横持ちをして、後ろの方の目に傘の先が当たっちゃったり。ああいう事故がないようにという意味で、長い傘だけど全長短めで。短くすることで軽くもできるので、一石二鳥かなと。短くかつ軽い長傘を開発しました」

こうして、先が丸い、とにかく軽い長傘が誕生しました。

「pentagon67とKALCTが欲しい!」という方は、「アンベル」でぜひ検索してみてください。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年06月20日14時42分~抜粋

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