北野誠のズバリ

勝手にこどもの写真を撮られた!これって肖像権侵害にあたる?

知らない人が街中の風景をカメラで撮った時、「たまたま自分が写ったかも」と思ったことはないでしょうか。

写ったかどうかは確かめようがないのですが、もし明らかに写っていることがわかった場合、「その写真を消してほしい」と頼むことはできるのでしょうか。

5月25日放送『北野誠のズバリ』では、知らない人に自分のこどもの写真を撮られたという方のお悩みに対し、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が回答しました。

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知らない人が写真を撮って…

今回の質問は、次のとおりです。

「ママ友から聞いたのですが、近所の公園でカメラを持ったおじさんが寄ってきて、こどもの写真を撮ってくるそうです。
さらにその写真をママ友に見せてきて、親切心でやっている感じでしゃべりかけてくるそうです。

自分のこどもも写真に撮られているかもしれないと思うと不気味です。止めさせられないのでしょうか」(Aさん)

一般人が勝手に写真に撮られる場合でも、肖像権の侵害には当たるのでしょうか?

原先生「こどもにも肖像権があるので、勝手に撮るのは肖像権侵害ということで、権利侵害があると言われる可能性はありますね」

たまたまテレビに映るのはOK?

ただ、芸能人はよく写真を撮られて写真週刊誌に載ったり、SNSにあがったりすることもあります。
誰でも肖像権の侵害で訴えることはできるのでしょうか?

原先生「そこが難しくて、例えば公園とか道路を歩いてるとかだと、肖像権といっても強く働くわけではないので、写す目的によっては違反じゃないと。

例えば、風景を撮ると歩いている人間が写っちゃう時がありますよね。
あと、(マスコミなどが)帰省のラッシュを写すために駅を写すと人は動くので写ってしまうと。
そういうことになると、肖像権の侵害とは言えないですよね」

ただ、今はテレビでも通行人はボカして特定できないようにする場合もあります。

北野「以前、ロケの時に(自分が映っていることを)まったく知らない人が映った時に、『自分が映った!』って言うてクレームかけてきはった人がおって。それからモザイクかけるようになりましたね」

肖像権侵害の線引きは?

では、実際に肖像権の侵害は法律的にどのように定義されているのでしょうか。

原先生「これが非常に難しくて、法律的には撮影された人の社会的地位とか、撮影された時のその人の活動、動いた内容とか場所、目的とか撮影方法、そういう総合的なものを考慮して決めるので。

例えば公益性の高い人、政治家だと写されてもしょうがない部分もあるかもしれないし、逆に芸能人の方だと写真に価値があるところがあるので、肖像権が強くなると。
人によって肖像権に強弱が違う可能性がありますね」

ただし、今や一般の人だからといって、写して良いというわけにはいかないようです。

原先生「今はちょっとこどもの安全という問題があるので、こどもの顔を写すというのはさすがに避けなきゃいけないと思いますし、肖像権侵害に当たるかどうかは別にしても、避けざるを得ないという社会的風潮はあると思うんですよね」

損害賠償請求の可能性も

これが勝手に写真がネットにアップされると、影響はかなり大きくなります。

原先生「なぜバラまいたのかというところで過失があれば損害賠償もあり得ますし、故意であれば、余計にその目的が問われますし。

状況によっては、こどものポルノに転用されたりすると、慰謝料も膨れあがる可能性がありますね」

冒頭のAさんの話に戻りまして、写真を撮るのを止めさせることはできるのでしょうか?

原先生「肖像権というのは人格権で、差し止めまで認められる可能性がありますので、法的には差し止め請求も認められますし、慰謝料請求も認められる可能性はありますね」

親の立場としては、勝手にこどもの写真を撮るのを止めさせることはできそうです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2022年05月25日14時13分~抜粋

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