北野誠のズバリ

サイコパスには「勝ち組」と「犯罪予備軍」がいる?

猟奇的な殺害事件が続いています。

今年8月には、小田急線の車内で36歳の男が乗客10人を包丁で切り付け、サラダ油を床に撒いて放火をたくらむ事件が発生。
10月には京王線の特急内で24歳の男が、72歳の乗客の胸をナイフで刺し、ライター用オイルに火をつけ、18人が重軽傷を負う事件が起こりました。

こういった事件が起こるたび、ネット上では「サイコパス」という言葉が呟かれます。

12月11日放送の『北野誠のズバリサタデー』では、『サイコパス』(文春新書)の著者で、脳科学者の中野信子先生をゲストに迎え、「サイコパスを科学する」をテーマにお話を伺いました。

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100人に1人がサイコパス

中野先生によると「サイコパス」とは、元々「反社会的な人格」を説明するために考えられた概念のこと。

診断マニュアルには「サイコパス」というカテゴリはなく、反社会性人格障害または、反社会性パーソナリティ障害と呼ばれることが一般的です。

サイコパスの割合は100人に1人。学校で1学年400人とすると、4人のサイコパスがいる計算になります。

凶悪な犯罪を犯した人の脳を調べると、5人に1人は前頭葉にある「共感性の領域」の機能が十分ではない、または欠損しているそうです。

相手が苦しんでいる姿を見て「あはは!おもしろい」と思ってしまう人は、むしろ楽しみのために残虐な行為に及びます。これが「快楽殺人」です。
 

モテる、出世するサイコパス

「サイコパスは学習をする」と中野先生。「共感性がないと社会から排除されそうだ」と察知して、自分を過剰に魅力的に見せるスキルが非常に高いことが多いといいます。

「この場所で言いにくいんですが。メディアに出る人とか、弁護士に多いとされています。怖いよ~(笑)」と語る中野先生に、思わず笑ってしまう北野誠。

スタジオにいるのは、タレントの北野誠と、弁護士の角田龍平、加藤由香アナウンサーと中野先生。4人中2人に、サイコパス疑惑が生まれました。

「サイコパス、ナルシスト、マキャベリスト」は、「3つのダークトライアド(暗い特徴)」と呼ばれています。

「能力がある冷たい男性が好き。私だけには優しいの」という若い女性が多くいますが、こういった男性にはサイコパスの特徴がみられます。さらに、「結構モテます」と中野先生。

同性からの人気もあり、企業ではトントン拍子に出世。しかし、陰ではひどいことをしています。

「オーストラリアの研究では、企業のCEO(最高責任者)の5人に1人がそういうことをする」と笑う中野先生。
 

サイコパスは外科医に向いている?

「リストラは、他者の痛みをずーっと感じてたらできないですよね」という北野の指摘に、「確かにおっしゃる通り」と中野先生。

「人の話を聴くことも大事だけれど、人の話を聴きながら冷徹にそこを切れるっていうのは、企業のトップには必要とされる能力」だといいます。

さらに、サイコパスは「外科医」にも多いとされているそうです。

中野先生「手術の時に、相手の痛みを考えちゃうとスパッと切れない。痛みを感じずにパッと切れる人の方が手術は早く終わるし、治りもいいですよね」

サイコパスは外科医に「向いている」という事実もあるようです。
 

2つのサイコパスの違い

「サイコパスという言葉自体が、連続殺人犯みたいな感じを受ける。でも実はいい方に領域が行ってると、『リーダーシップもあって、冷徹だけど彼はやり遂げるよね』という評価も受ける」という北野に、「勝ち組サイコパス」と中野先生。

中野先生は、「サイコパスが持っている冷徹さを、『みんなができないことをやれる人』という形で、うまく社会が生かしていけるといい」と語りました。

「ちゃんと社会に溶け込みながらリーダーシップを生かす成功者と、犯罪者になる人。何が違ってきているんですか?」と尋ねる北野。

中野先生によると、この2つのサイコパスの違いは、「ここから先は踏み込んだら危ないな」と感知する力。これは「社会経済的地位」ではかることができるそうです。
 

「タレントみんなやないか」

「年収の高いサイコパシーの度合いが高い人と、そうでない人を比べる実験で、あるタスクをやらせてみる。『ここから先は手を引かないと、自分にも被害が大きい』となる時に、さっと手を引けるか、引けないか」

2者の違いはここにあるようです。

「ここから先は捕まるぞ、という段階で踏みとどまることができるのが、勝ち組の条件ですね」と中野先生。

サイコパスのひとつの特徴である「常識的に嘘を付き、話を盛る」について、「タレントみんなやないか」とボヤく北野。

先日北野は、「心霊番組のロケで“こっくりさん”をする時、動かしているのは自分」と発表しました。

大笑いする中野先生に、「だってあれ、ほっといたら動けへんもん。さも動いたように見せないとダメじゃないですか。ロケ成り立たないんですから(笑)」と北野。

「いい方に転がったサイコパスということで、認めていただきたいと思います」と、お願いしました。
 

AV撮影中に寝てしまった男

この一連の話を聴いて、「怖いな」と感じたという角田弁護士。角田弁護士は、自分が昔受けた「司法解剖に立ち会う研修」を思い出していました。

角田「解剖の時間がすごく長くて。僕、前の日あまり寝てなくて、解剖の途中に寝てしまったんですよ。立ちながら、うつらうつらしてて」

その結果、周囲から「角田さんはヤバい」という評判が立ってしまったそうです。

「『解剖の途中で寝れるなんて、どうかしてる』って」と振り返る角田弁護士に、「これは!かなりヤバい」「確定ですね!」と嬉しそうな中野先生と加藤。

実は、北野にも思い当たる節がありました。

北野「マウンティングを取るようで悪いんですが。昔、村西とおる監督がAV撮ってる現場を『トゥナイト2』で立ち会ってモニターで見てたんですけど。途中で飽きてきて、寝たことがある」

このなかなかのエピソードに、「これは!やっぱり50%いた」と喜ぶ中野先生。

「というわけで、サイコパスなラジオをお聴きください」と締めた北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年12月11日09時22分~抜粋

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