北野誠のズバリ

真夏の怪談話…田舎の無人駅にあるデスノート

お盆直前の1週間、『北野誠のズバリ』は「お盆特別企画 怪談てんこ盛り」と銘打ち、お昼から毎日怪談話を特集。

初日の8月9日は、作家で怪談師の夜馬裕(やまゆう)さんが出演されました(事前にPCR検査で陰性と判定されたため、スタジオ出演)。

これまで執筆した怪談話で数々の文学賞を受賞し、ある怪談イベントでは優勝した経験を持たれています。

番組では数本の怪談話を披露され、最後には後味の悪い話で締められましたが、ここではその中から駅にまつわる1本のお話を取り上げます。

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心霊スポットで噂の無人駅に

北海道で稚内と旭川を結ぶ宗谷本線というJRの路線がありますが、現在は過疎化が進み、駅の廃止や無人化が進んでいる状況。

その中で、駅前はゴーストタウン化しているにもかかわらず、無人駅として残り続けている駅があるそうです。

それは、趣のある木造駅舎が人気で、観光客やツーリングで訪れる人がある程度いるからだとか。

夜馬裕さんが話を聞いたAさんも、この無人駅にツーリングで訪れたという1人で、かつて彼女(Bさん)と行ったことがあるそうです。

Aさんは怖い話が嫌いですが、Bさんは怪談やオカルトが好きで、実はこの無人駅は、誰もいない夜にたくさんの人の声が聞こえたり、駅の近くにある廃屋に入っていく人影が見えたりするという噂のある心霊スポット。

Bさんに勧められ、ツーリングの最中にこの無人駅へ寄ることになりました。

Bさんが駅舎の周りなどを見ている間、Aさんは駅舎の中で待っていましたが、そこで目に留まったのが、訪問記念に書き込みをする駅ノート。

新旧含め、何冊か置かれていたのですが、その中にまっ茶色になって、紙もパリパリになった古いノートが置かれていたそうです。
 

駅のノートに驚愕の文言が

その異質なノートを開けてみたところ何も書かれていなかったのですが、しばらくめくっていくと、なぜか自分がよく知っている人の名前が出てきて、その名前の横に「この人間が明日死ぬ」という文章が。

次のページ以降にはまた何も書かれておらず、ビックリしたAさんは、とりあえずそこにあったペンで名前を上からグチャグチャに書いて消し、ノートを閉じました。

その後、怖くなったAさんは再びノートを開けたところ、消したはずの名前がまた書かれています。

再びグチャグチャに書いて名前を消した後、今度はノートを開けたままの状態にしてしばらく置いた後、また閉じて開けたら、やはり名前が書かれています。

「なんだこれは?」と思って震えていたら、外から「そろそろ行こう。もういいよ!」とBさんの声が。

Bさんに見られるといけないと思い、とっさに自分が知っている別の人の名前を書いてノートを閉じ、その場を離れました。
 

恐怖体験の翌日に

一晩泊まって翌日、またツーリングを再開しましたが、北海道の見通しの良い、広い道路を走行している最中、Aさんの前を走っているBさんが突然、何かに弾かれたような形となり、バイクが横転。

そして、Bさんは亡くなってしまったそうです。

ここまでの話で、「さっきのノートに書かれていた名前はAさんの名前で、Bさんの名前に書き直したから、事故に遭ったのではないか?」と思われたでしょうか。

夜馬裕さん「私も彼に言っちゃったんですね。

『何か(名前を)ぼやかしてるけど、絶対書いてあったのって、君の名前だよね?自分の名前が書いてあったのを消して、彼女の名前に書き換えたんだよね?』って聞いたら、『違う!それは絶対違う!』って、顔を真っ赤にして。

『じゃ、何なの?』って聞いたら、書いてあったのはAさんじゃなくて、彼女の名前だったって言うんですね。

彼女に呼ばれたんで消さなきゃって思った時に、知ってる他の人の名前は書けないんで、怖いけど自分の名前を書いたって言うんですね。

だから翌日は、もし自分に何かあったら後ろに走る彼女に迷惑がかかると思って、普段は僕が先なんだけど、彼女を先に走らせたぐらい、『俺に何かが起きるんじゃないか』と思ってたけど、結局事故に遭ったのは彼女だったんだ。

だから、書き換えても全くダメだったんだよって言うんですね」
 

ノートよりも怖かった体験

さらにAさんはこの事故の際、ノートよりも怖かった体験があったといいます。

夜馬裕さん「救急車が来るまでに彼女が事切れたわけですが、事切れるまでの間、Aさんが横にずっとついてたんですね。

まだ彼女が意識のある間、急に機械の音声みたいな声でAさんに向かって、『この女はもらった、駅まで取りに来い、この女はもらった、駅まで取りに来い……』って、ずっと繰り返してたそうなんです」

そして、Aさんはなぜこんな現象が起きたのか、推測した内容を夜馬裕さんに語りました。

夜馬裕さん「だから夜馬裕さん、僕の勝手な想像なんですけど、彼女は見初められてそこにいるんですよ。

(無人駅のある)あそこって、人の声がしたりするっていうじゃないですか。

それってきっと、昔住んでいた人たちの幽霊じゃなくて、こうやってあそこに閉じ込められた人たちがみんな集ってる、その声なんじゃないかって思ってるんですよ。

僕は彼女の名前を消して自分の名前を書くぐらい、彼女のことを愛してます。

愛してますけど、彼女を迎えに行って取りに来ましたって言ったって、僕を無事に返してくれるわけないじゃないですか。

『だから夜馬裕さん、こういうの好きでしょ?取りに行ってください』って言われたんですよ」

代理人で済むのかどうかはわかりませんが、夜馬裕さんは「バイクを持ってないので」、「車を持ってないので」と、さすがにそこへ行くことは躊躇されていました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2021年08月09日14時04分~抜粋

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