北野誠のズバリ

プロレスラー議員が市を提訴、覆面姿で議会出席がダメな理由

大分市議会のサイトや議会だよりに自分の顔写真が7年以上掲載されていないとして、プロレスラーで市議会議員のスカルリーパー・エイジ氏が、6月30日に大分市を提訴しました。

覆面プロレスラーで当選した方は今まで何人かいましたが、なぜ、エイジ氏は顔写真が掲載されない事態となっているのでしょうか。

7月3日放送『北野誠のズバリサタデー』ではこのニュースを取り上げ、法律的な観点から、角田龍平弁護士が解説しました。

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芸名の出馬はOK、覆面はNG?

エイジ氏は2013年(平成25年)に初当選した時から、本会議などで覆面の着用が認められていない状態。

エイジ市議は、「覆面姿はアイデンティティーであり、政治的表現の自由にも該当する。広報されないのは、他の議員との差別だ」として、今年4月に仮処分の申し立てを行いましたが、和解には至りませんでした。

覆面姿よりも前に、まずは本名で立候補しなくても良いのかということですが、角田先生によりますと、原則は本名ではあるものの、例外的に通称が定着していれば、一定の手続きを経て使用が可能とのこと。

古くは扇千景さんや横山ノックさん、アントニオ猪木さんもその名前で出馬しています。

これに対して、浅草キッドの水道橋博士は、「(相方の)玉袋筋太郎なんて浸透してるけど、立候補できるのかなあ」とコメント。

博士「NHKだと玉袋がダメで、『玉ちゃん』になりましたからね。

一時、『知恵袋賢太郎』ていう、本人のテイストがまるでない名前になって。

俺、今一番仲の良い芸人がウンコチンコのチンコなんですよ」

北野「それはアカンやろ(笑)」
 

覆面はプロレスラーの命か?

そして、覆面姿が良いのかどうかという点ですが、実際に大阪府の和泉市議会ではスペル・デルフィン氏が覆面姿で本会議に出席していますので、全国統一ルールで覆面姿を禁止しているわけではありません。

各地方議会に判断が委ねられていて、大分市は禁じているというわけです。

ただ、裁判次第で状況は変わる可能性があるようです。

角田先生「各自治体に委ねられてる部分があるんですが、訴訟になるとよその自治体では認められているという主張もすると思うんですけど。

マスクマンとして議会に出席するのを妨げられているのが、人格権を侵害していると果たしていえるかどうかは、エイジ選手にとってマスクマンであることが、人格的な核心部分といえるかが問題になると思うんですけど。

それって、裁判官がプロレスファンか否かによって、判断が変わる所かなと思うんですよ」

プロレスのことがあまりよくわからない裁判官の場合、「マスクを取るぐらい、大したことがない」と判断するかもしれません。

角田先生「ただ、プロレスラーによっても(マスクが人格的な核心部分かどうかは)違う。

私の友人のスーパー・ササダンゴ・マシンは、私と一緒に新潟のテレビに出てたら、試食のコーナーの時にマスク取ってたりするんですね(笑)。

マスクを軽んじてたら、核心部分とはいえないんじゃないかなと思うんで」

覆面の意味はいったい…。
 

覆面以外でダメなものは?

では、大分市が覆面姿を禁じるのに法的な根拠はあるのでしょうか。

角田先生「1955年(昭和30年)に定められた会議規則で、帽子とかコート、襟巻の着用を禁止していて、覆面もこれに準ずるということで。

エイジ氏以外の議員が全員反対しているそうなんですね」

博士「帽子もダメなんだ。だけど頭頂部マスクもあるからね」

さすがに入口で「かぶってますので、議場に入れません」とは注意しづらそうですが、それはさておき、コロナ禍でこのルールがやや揺らぎそうです。

角田先生「コロナだから、たぶん議員全員マスクをしてると思うんですよ」

博士「顔を全部覆ってるマスクをマスクと呼ぶか、口元だけか、マスクの定義も(改めて考えないといけない)」

角田先生「マスクが認められたら、今度は顔にペイントした、グレートカブキみたいな人も出てくるかもしれないし」
 

覆面姿の入場がダメな理由

北野はここで、別に覆面をしていても議会運営の妨げになるわけではないのに、なぜ規則で禁じているのかと疑問を呈しますが……。

角田先生「やっぱり同一性を確認する術がないということがあるんじゃないですかね」

覆面姿だと、他人がなりすまして議場に入られる危険があるからと推測。

では今後、解決策はあるのでしょうか。

角田先生「もしかしたら裁判の中で和解をして、お互いが譲歩して、何か本人確認の手続きを経れば入場できるとか、そういうことになる可能性はあると思うんですけど」

そして、最後に別の疑問も投げかけました。

角田先生「8年やってて認められへんのは、他の問題があるんじゃないかなっていう。

8年の議員活動をしてるうちに、他の議員の人も賛成に回ったりなぜしないのかという疑問はありますけど」

議会に関するルールが変わるのかどうか、今後も注目されそうです。
(岡本)
 
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2021年07月03日09時12分~抜粋

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