自動車が道路や郊外の量販店、公園やそばにある駐車場、河川敷などに長期間放置されていることが問題になっています。
愛知県環境白書によりますと、昨年度に愛知県内で放置自動車を処理したのは676台ですが、まだ未処理のものも多く残っているとのこと。
放置自動車は道路交通上の障害や景観の悪化だけではなく、ゴミの投棄を誘発させるなど、そこに住む方々に悪影響を与えます。
2月27日放送『北野誠のズバリサタデー』では、角田龍平弁護士が放置自動車問題について、法律の観点から解説しました。
勝手に処分すると逆に訴えられる!?
北野や大川興業総裁・大川豊が日頃感じているのが、草むらで放置されている自動車をよく見かけること。
もし自分の私有地で勝手に自動車が放置されてしまったら、どのような手続きを取れば良いのでしょうか。
角田「普通、自分の土地に車を勝手に置かれたら、勝手に処分しても良いって思うかもしれないんですけど、実は『自力救済禁止の原則』で、自分の所有権を侵害されたからといって、勝手に処分したらいけないんですよね。
手間と費用もかかるんですけど、勝手に処分したら、例えば車の所有権者から器物損壊とか、あるいは占有離脱物横領という、道路に落ちている財布を盗るのと同じ扱いを受けたりとか、民事で損害賠償請求をされるリスクもあるんですね」
ゴミを勝手に置かれたのに訴えられるというのも納得がいかないですが、それなら、警察にレッカー移動してもらうわけにはいかないのでしょうか。
角田「警察は基本的には民事不介入ということで、一般人と一般人の民事の紛争やということで、あまり介入してもらえないんですよね」
もし自分の私有地で勝手に自動車が放置されてしまったら、どのような手続きを取れば良いのでしょうか。
角田「普通、自分の土地に車を勝手に置かれたら、勝手に処分しても良いって思うかもしれないんですけど、実は『自力救済禁止の原則』で、自分の所有権を侵害されたからといって、勝手に処分したらいけないんですよね。
手間と費用もかかるんですけど、勝手に処分したら、例えば車の所有権者から器物損壊とか、あるいは占有離脱物横領という、道路に落ちている財布を盗るのと同じ扱いを受けたりとか、民事で損害賠償請求をされるリスクもあるんですね」
ゴミを勝手に置かれたのに訴えられるというのも納得がいかないですが、それなら、警察にレッカー移動してもらうわけにはいかないのでしょうか。
角田「警察は基本的には民事不介入ということで、一般人と一般人の民事の紛争やということで、あまり介入してもらえないんですよね」
まず最初に行うべきことは？
ただ、自分の土地に車が放置されている場合は、まずは警察に連絡すべきだと角田先生はアドバイスしました。
角田「というのも、もしかしたらその車が盗難車だったり、犯罪に使われた車だったら、被害物件や犯罪に使われた物件というのは警察が押収しますから」
しかし、犯罪には関係がないとなったら、すぐには撤去してくれません。
その場合は警察が所有者を調べて連絡し、撤去するように連絡してもらえることはあるそうですが、必ずしも調べてくれるとは限らないそうです。
そうなると、次は自分で所有者を調べて、撤去を依頼するか、置いている期間の賃料を請求することになります。
しかしナンバープレートが取り外されていたり、車体番号が削られていると、突き止めるのは難しそうです。その時点で、所有者は確信的に放置していることになりますが…。
角田「というのも、もしかしたらその車が盗難車だったり、犯罪に使われた車だったら、被害物件や犯罪に使われた物件というのは警察が押収しますから」
しかし、犯罪には関係がないとなったら、すぐには撤去してくれません。
その場合は警察が所有者を調べて連絡し、撤去するように連絡してもらえることはあるそうですが、必ずしも調べてくれるとは限らないそうです。
そうなると、次は自分で所有者を調べて、撤去を依頼するか、置いている期間の賃料を請求することになります。
しかしナンバープレートが取り外されていたり、車体番号が削られていると、突き止めるのは難しそうです。その時点で、所有者は確信的に放置していることになりますが…。
処分までの長い道のり
ナンバープレートなどを元に、弁護士を通じて地域の運輸支局に照会をかけるなどして所有者がわかった時の対処です。
その場合「この車を○日から△日までの間に撤去してください。かつ、その間の賃料相当額を損害賠償請求します」という旨の内容証明を送るのが、常套手段だということです。
とは言え、勝手に車を放置するような人なので、簡単に応じることはなさそうです。
そして相手方から何も反応がなければ、次は訴訟を提起しなければいけません。
裁判を起こして判決が確定したら、侵害されている所有権を回復するために「所有権に基づく妨害排除請求」というものが行えます。
もし相手が払えないとなれば、放置自動車は強制的に競売となり、それを売って換金することになります。
ただ、価値がない車の場合は、執行官が判断してようやく廃車業者に処分してもらうことになります。
その場合「この車を○日から△日までの間に撤去してください。かつ、その間の賃料相当額を損害賠償請求します」という旨の内容証明を送るのが、常套手段だということです。
とは言え、勝手に車を放置するような人なので、簡単に応じることはなさそうです。
そして相手方から何も反応がなければ、次は訴訟を提起しなければいけません。
裁判を起こして判決が確定したら、侵害されている所有権を回復するために「所有権に基づく妨害排除請求」というものが行えます。
もし相手が払えないとなれば、放置自動車は強制的に競売となり、それを売って換金することになります。
ただ、価値がない車の場合は、執行官が判断してようやく廃車業者に処分してもらうことになります。
所有者がわからない場合の対処
所有者が判明する場合でも、これだけの時間と労力がかかってしまいます。
もし所有者がわからなかったら、どうすれば良いのでしょうか？
角田「民法で持ち主のいない物というのは、『先に占有した者が所有権を取得
する』っていう条文がありますので、その条文に基づいて（自分の土地に置かれた側が）自分が取得したということにして、処分するという方法があります。
ただ、この方法は裁判手続きを経ないので、後から所有者が現れた場合に『あれは俺のものや』『占有離脱物横領や』と言われるリスクがある。
なので、貼り紙とかで『いつまでに引き取りをしなかったら処分します』とか、ちゃんと手続きをして何日から何日まで放置されていたという証拠を記録して、弁護士や法律の専門家に相談してやらないことには、後からリスクがあると」
大川「何日ぐらい貼っとかなきゃいけないんですか？」
角田「2～3週間ぐらい。後から言われる余地のない方法、写真を撮ったりとかしないと、後から言われるリスクがあるので」
「自分の土地に勝手に置かれたから処分しようが何をしようが自由」とは思わずに、いつからいつまで置かれたのかきちんと記録し、ある程度期間を設けて対処した方が良さそうです。
（岡本）
もし所有者がわからなかったら、どうすれば良いのでしょうか？
角田「民法で持ち主のいない物というのは、『先に占有した者が所有権を取得
する』っていう条文がありますので、その条文に基づいて（自分の土地に置かれた側が）自分が取得したということにして、処分するという方法があります。
ただ、この方法は裁判手続きを経ないので、後から所有者が現れた場合に『あれは俺のものや』『占有離脱物横領や』と言われるリスクがある。
なので、貼り紙とかで『いつまでに引き取りをしなかったら処分します』とか、ちゃんと手続きをして何日から何日まで放置されていたという証拠を記録して、弁護士や法律の専門家に相談してやらないことには、後からリスクがあると」
大川「何日ぐらい貼っとかなきゃいけないんですか？」
角田「2～3週間ぐらい。後から言われる余地のない方法、写真を撮ったりとかしないと、後から言われるリスクがあるので」
「自分の土地に勝手に置かれたから処分しようが何をしようが自由」とは思わずに、いつからいつまで置かれたのかきちんと記録し、ある程度期間を設けて対処した方が良さそうです。
（岡本）
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