北野誠のズバリ

不倫写真を晒されたあげく減給処分。社長を訴えたい!

『北野誠のズバリ』、身近な疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナー。

2月24日の放送には「社長から自分の社内不倫の写真を晒され、減給もされてしまった」(Aさん)という相談が寄せられました。

辱めを受けた上に処罰も受け、納得がいかないAさんは、社長を訴えようと考えています。
実際に訴えを起こすことはできるのでしょうか。

オリンピア法律事務所の原武之弁護士が、Aさんにアドバイスを送ります。

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就業規則の「風紀を乱すもの」に該当

「最近、社内不倫が社長に見つかりました。相手にも私にも家庭があり、自分のしてしまったことは悪いと思います。
しかし、社長は不倫の写真を相手の親にも見せ、私は減給処分も受けました。処罰に加え、写真を見せられる辱めまで受けて納得がいきません。社長に対して訴えを起こすことはできるのでしょうか」(Aさん)

不倫で減給処分となるかどうかは、就業規則の中の「風紀を乱すもの」という項目の有無によります。

社内不倫は「風紀を乱す」に該当すると原弁護士。

これは「モデル就業規則」にも入っているため、大部分の会社が取り入れている項目です。

しかし、不倫の証拠写真を社内処罰の対象として使ってよいものなのでしょうか。

問題は「写真をどう入手したか」。

会社が隠し撮りをしていたとしたら大問題ですが、中には社内の画像にたまたま写っていた、社内の人が匿名で出した、という場合もあります。

こういった場合であれば、社内処分に使っても特に問題はないそうです。
 

50~100万円の請求

今回のケースでは、社長が相手の親に証拠写真を見せています。
不倫写真を第三者に見せることに問題はないのでしょうか。

不倫は社会的評価を下げるため、社長の行為は「名誉棄損」成立の可能性があります。

プライバシーにかかわることなので、これは民事・刑事両方の責任が発生してもおかしくない違法行為。

「名誉棄損に引っかかりますし、プライバシー侵害で慰謝料請求の対象にもなる」と原弁護士。

Aさんは社長に対して損害賠償請求を起こすことはできますが、日本は慰謝料の金額が低い国。

おそらく50~100万円の請求になるだろうということです。
 

SNSでの拡散も注意!

「例えば言葉や手紙だけでも、プライバシー権の侵害は事例としてあるんですか?」と尋ねる北野誠に、「手紙は事例としてある」と原弁護士。

しかし言葉だけでは「言った言わない」、そして「ニュアンスの問題」もあるため、立証が難しくなります。

「噂を聞いた」というレベルでは断定ではないためNGなど、表現の仕方によってもかなり変わってきます。

現代においては、SNSの拡散も危険です。

SNSは手紙と扱いがほぼ同じでであるため、「社内の〇〇さんが浮気をしている、不倫をしている」という話しが拡散されてしまった場合、こちらもかなり問題といえます。
 

弁護士に相談して冷静な分析を

「これは減給処分ですけど、場合によってはクビにする場合もありますか?」と質問する北野に、「プライベートの事に関しては処分できたとしてもしない方向」と原弁護士。

よほど会社に迷惑をかけいない限り、懲戒解雇とまではならないようです。

「『写真をさらすぞ』と脅された場合は、脅迫ですか?」と北野が尋ねると、「脅迫に該当する可能性もあるし、何かすることを求めたら強要。いずれにしても刑事犯罪」と原弁護士。

しかし、こちらがやましいからといって示談にしてしまうと、「言った、言わない問題」が発生してしまいます。

毅然とした態度を取るためにも自分だけで考えず、弁護士に相談して、冷静に分析するべきということでした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年02月24日14時11分~抜粋

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