俳優の三浦春馬さんが、東京港区の自宅マンションで意識不明の状態で見つかり、その後死亡が確認されましたが、自殺と見られています。
SNSでは悲しみのコメントとともに、死の背景に何があったのかという声が相次いでいます。
7月25日放送の『北野誠のズバリサタデー』では、『精神科医が教える ストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』などの著書で知られている樺沢紫苑先生に自殺予防についてのお話を伺いました。
精神科医に聞く。自殺を防ぐために必要なこととは?
自殺の原因はひとつではない
日本財団の調査によると、「本気で死にたい」と思っている人の中で、誰にも相談をしなかった人は73.9%にも及びます。
死にたいと思っている人、自殺未遂、自殺既遂のケースでも、ほとんどの人は誰にも相談せずにいきなり自殺を試みてしまうようです。
有名な方が自殺した場合「なぜ亡くなったのだろう」という憶測が飛びますが、樺沢先生いわく、「わかっていることは、ひとつの原因で自殺することはない」ということ。
大変なことが2つ3つ重なり合い、追い込まれてしまった結果、自殺してしまう方が多いそうです。
実際、自殺未遂の患者さんに自殺の理由を尋ねても、説明できない人が多いといいます。
「『これが原因で自殺しました』というわかりやすいものではない、ということを理解してもらいたい」と樺沢先生。
死にたいと思っている人、自殺未遂、自殺既遂のケースでも、ほとんどの人は誰にも相談せずにいきなり自殺を試みてしまうようです。
有名な方が自殺した場合「なぜ亡くなったのだろう」という憶測が飛びますが、樺沢先生いわく、「わかっていることは、ひとつの原因で自殺することはない」ということ。
大変なことが2つ3つ重なり合い、追い込まれてしまった結果、自殺してしまう方が多いそうです。
実際、自殺未遂の患者さんに自殺の理由を尋ねても、説明できない人が多いといいます。
「『これが原因で自殺しました』というわかりやすいものではない、ということを理解してもらいたい」と樺沢先生。
自殺衝動は5分から10分
「死にたい」と思っている人は、日本人の約1.6%といわれています。
この、死にたいという気持ちを「自殺念慮」といいますが、この自殺念慮だけでは自殺するまでには至りません。
「自殺衝動」という「今すぐ死ななければいけない、死ぬしかないんだ」という気分の高まりが起こった時、つまり自殺念慮と自殺衝動の2つがそろった時に、自殺を引き起こすのです。
「うつ病になることによって増幅することはないですか?」という北野誠の質問に、「うつ病の患者さんはかなり自殺念慮をお持ちの方が多い」と樺沢先生。
うつ病はセロトニンという物質が下がる病気ですが、自殺を起こしやすい人はセロトニンが低い傾向にあり、自殺衝動とセロトニンも関係しているという研究があります。
「衝動は何分ぐらいなんですかね?」と尋ねる北野に、樺沢先生の答えは「一般的には5分とか10分です」。
自殺未遂を起こして救急車で運ばれてきた方は、最初はパニック状態ですが、20分~30分話すと普通に戻り、中には「もう帰ります」という方もいるんだとか。
「30分ぐらい話を聞いてあげるだけで、落ち着いてくる。自殺の危機を乗り越えられるということがある」と樺沢先生。
この、死にたいという気持ちを「自殺念慮」といいますが、この自殺念慮だけでは自殺するまでには至りません。
「自殺衝動」という「今すぐ死ななければいけない、死ぬしかないんだ」という気分の高まりが起こった時、つまり自殺念慮と自殺衝動の2つがそろった時に、自殺を引き起こすのです。
「うつ病になることによって増幅することはないですか?」という北野誠の質問に、「うつ病の患者さんはかなり自殺念慮をお持ちの方が多い」と樺沢先生。
うつ病はセロトニンという物質が下がる病気ですが、自殺を起こしやすい人はセロトニンが低い傾向にあり、自殺衝動とセロトニンも関係しているという研究があります。
「衝動は何分ぐらいなんですかね?」と尋ねる北野に、樺沢先生の答えは「一般的には5分とか10分です」。
自殺未遂を起こして救急車で運ばれてきた方は、最初はパニック状態ですが、20分~30分話すと普通に戻り、中には「もう帰ります」という方もいるんだとか。
「30分ぐらい話を聞いてあげるだけで、落ち着いてくる。自殺の危機を乗り越えられるということがある」と樺沢先生。
話すことで気分が9割解決
自殺した方の3分の2以上が、誰にも相談せずにいきなり自殺を選んでいます。
逆にいうと「誰かに相談していればもう少し自殺を減らせるのではないか」と樺沢先生。
樺沢先生によると、患者さんからは「相談しても問題は解決しない、相談しても無駄」という答えが返ってきますが、相談の目的は問題を解決することではなく、あくまでも「ガス抜き」。
「辛い、どうしようもない」という気持ちを誰かに話すだけで、楽になるという心理的基礎があるというのです。
「話すだけで問題は解決しないけど、気分は9割解決します」と樺沢先生。
まだ自殺衝動が高まっていない段階から相談に乗ってもらうことで、ネガティブなガスがどんどん抜けていくため、普段から困ったことがあれば誰かに相談をしてほしいということです。
逆にいうと「誰かに相談していればもう少し自殺を減らせるのではないか」と樺沢先生。
樺沢先生によると、患者さんからは「相談しても問題は解決しない、相談しても無駄」という答えが返ってきますが、相談の目的は問題を解決することではなく、あくまでも「ガス抜き」。
「辛い、どうしようもない」という気持ちを誰かに話すだけで、楽になるという心理的基礎があるというのです。
「話すだけで問題は解決しないけど、気分は9割解決します」と樺沢先生。
まだ自殺衝動が高まっていない段階から相談に乗ってもらうことで、ネガティブなガスがどんどん抜けていくため、普段から困ったことがあれば誰かに相談をしてほしいということです。
「ストレス発散=お酒」は間違い
最後に自殺とアルコールの関係について。
日本の自殺者の約32.8%、自殺未遂者の約40%からアルコールが検出されています。
つまり、もしお酒を飲まなかったら、3割~4割の人は死なずに済んだかもしれないのです。
アルコールの過度な摂取は正常な判断を失います。
酩酊状態は衝動性が高まるため、規制がきかなくなってしまうのです。
樺沢先生が訴えたいのは「ストレス発散=お酒」ではないということ。
「時々ならいいんですけど、毎日のようにお酒を飲むと間違いなくストレスは増えます」
ストレスホルモン、ストレス耐性が減り、抑うつの傾向を強め、睡眠を悪くする、といいことがありません。
「お酒っていうのは、楽しみながら飲むもの」と樺沢先生。
北野「マイナスの感情でお酒を飲むと、より増幅させる道具になりますよね」
樺沢先生「愚痴り酒はよくないですね。より愚痴りたくなっちゃう」
楽しいお酒をたしなむ程度に、そして毎日飲まないということが大切で、休肝日は週2日、できれば3日設けることがよいとのことでした。
(minto)
編註)放送当時「現場からは遺書が見つかっており」との情報があり、記事にもその旨記載しておりましたが、その後遺書はなかったという報道があったため、当該部分を削除いたしました。
ご了承ください。
日本の自殺者の約32.8%、自殺未遂者の約40%からアルコールが検出されています。
つまり、もしお酒を飲まなかったら、3割~4割の人は死なずに済んだかもしれないのです。
アルコールの過度な摂取は正常な判断を失います。
酩酊状態は衝動性が高まるため、規制がきかなくなってしまうのです。
樺沢先生が訴えたいのは「ストレス発散=お酒」ではないということ。
「時々ならいいんですけど、毎日のようにお酒を飲むと間違いなくストレスは増えます」
ストレスホルモン、ストレス耐性が減り、抑うつの傾向を強め、睡眠を悪くする、といいことがありません。
「お酒っていうのは、楽しみながら飲むもの」と樺沢先生。
北野「マイナスの感情でお酒を飲むと、より増幅させる道具になりますよね」
樺沢先生「愚痴り酒はよくないですね。より愚痴りたくなっちゃう」
楽しいお酒をたしなむ程度に、そして毎日飲まないということが大切で、休肝日は週2日、できれば3日設けることがよいとのことでした。
(minto)
編註)放送当時「現場からは遺書が見つかっており」との情報があり、記事にもその旨記載しておりましたが、その後遺書はなかったという報道があったため、当該部分を削除いたしました。
ご了承ください。
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