芥川賞が発表!井上トシユキが語るここがポイント

北野誠のズバリ / カルチャー

1月21日放送『北野誠のズバリ』では、ITジャーナリストの井上トシユキが、先頃決まった芥川龍之介賞・直木三十五賞について取り上げました。

選考会当日、井上はコラムニストの栗原裕一郎さん、ペリー荻野さんなどとともにネットで生実況の番組に出演しており、その時の様子を語りました。

芥川賞に有名人がノミネート

芥川賞は今回、ワイドショーのコメンテーターなどでもおなじみ、古市憲寿さんの小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)が候補となり、注目されていました。

当日はテレビ局も朝から密着していたそうですが、結果的に受賞を逃してしまいました。

審査員からの講評では「目新しいものではない」「既視感がある」と手厳しいもの。

また、書評家の豊崎由美さんや大森望さん、文芸評論家の杉江松恋さんなども含め、誰も古市さんの作品には特に触れないという状況だったそうです。

井上も事前に読んでいたのですが、「正直言って何も残らない小説で、エピソードは『攻殻機動隊』で全部見たことがあるなあという感じ」とバッサリ切り捨てていました。
 

芥川賞の作品が頂点ではない?

また井上は、受賞を逃した作品にも良い作品があったとし、例えば高山羽根子さんの『居た場所』(河出書房新社)を挙げました。

ただ、書評のプロからは、前作の『オブジェクタム』(朝日新聞出版)が傑作と評価する向きもあり、芥川賞はその作家の最高傑作を見逃す傾向が強く、後から気づいて、慌ててノミネートさせることもよくあるのだそうです。

井上は「途中で放ったらかされる所はあるけど、読み進めていて楽しい」と評しました。

芥川賞を受賞されたのは、上田岳弘さんの『ニムロッド』(講談社)と、町屋良平さんの『1R1分34秒』(新潮社)で、上田さんは3回目のノミネート、町家さんは2回目での受賞となりました。
 

今年の受賞作品は?

上田さんはIT系企業の役員ということもあり、テクノロジーや近未来的な物をテーマに作品を書かれるそうです。

井上は「人が漠然と抱える不安をうまく描かれる方で、バベルの塔を作らせる王(ニムロッドの名前の元)のように、上から下々の人達を見ると、人間のやってることは空虚なことや無駄なことなのではないかと感じる、あるいは無駄の中に生きる意味があるのではないかということが提示される」と評しました。

一方、町家さんの作品はボクシングがテーマで、タイトルはTKO勝ちした時の試合時間です。
主人公はデビュー戦にTKOで勝利を飾りますが、その後は3敗1分で頭打ち。真面目に考え続けるのですが、現状を打破できません。

そんな中、ジムで1番のトレーナーが担当から外れ、代わりに付いたのはボクサーを辞めたばかりの先輩で、今までのやり方とは違うトレーナーに出会って、変わっていくというお話です。

井上は「これは誰が読んでもたぶん面白いと思います。非常に端正な文章で、心に残る作品だと思います」と言い、2作品とも勧めました。

この他にも、鴻池留衣さんの『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』(新潮社)、砂川文次さんの『戦場のレビヤタン』(文藝春秋)がノミネート作品に挙がっていました。

今度の10連休にすべての作品を読んでみて、どの作品が面白かったか考えてみるのも良いかもしれません。
(岡本)
 
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2019年01月21日15時20分~抜粋

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