8/24放送の『北野誠のズバリ』、冒頭の話題は北野誠が新幹線の中で体験した絶体絶命!のピンチについて。
台風20号が猛威を振るった23日、番組終わりに豊橋まで仕事で行っていたという北野。
そのまま豊橋に泊まることとも考えたそうですが、翌日、万が一台風の影響で電車が止まっていては困るということで、豊橋発22時22分発の新幹線「こだま」に乗って名古屋に戻ることにしました。
この時の決断を後に激しく後悔することになるとは、この時の北野はまだ知る由もなかったのです…
閉じ込められた北野誠
みどりの窓口のお姉さんに新幹線の状況を尋ねたところ、「新大阪ー博多間はほとんど動いていないものの、今のところは10分から15分ぐらいの遅れ」とのことで安心して乗車した北野。
ところが三河安城を5分ほど過ぎたところで、北野の乗車した「こだま」はピタッと停車。
「米原ー京都間が強風のため、新幹線が止まりました。しばらくの間様子を見ますので、車内でお待ちください」
このアナウンスを聞いて、「あーこれが閉じ込められるというやつか…」と実感したといいます。
三河安城と名古屋のちょうど真ん中あたり、名古屋まであとわずか5分ほどというところで、北野の乗った「こだま」が動かなくなってしまいました。
強くなる雨の中、ボーっとしたり本を読んだりしながら過ごしていた北野の耳に飛び込んできたのは、
「まだ動く気配がございません。もうしばらくお待ちください」
再度車内に響く、無情のアナウンスでした。
不安で呟くTwitter
「三河安城で降りてタクシー乗ってたら良かった。いっそのこと豊橋に泊まればよかったったか、北京本店で泊めてもうたらよかったやん」
己の行動を悔いる北野。
そうこうしている間にも、どんどん勢いを増す雨と風。
車内の冷房の効きも悪くなり、暑くなってきました。
本を読みながらうつらうつらしていたという北野、ふと目が覚めて「何時?着いたんじゃないの、名古屋?」と思ったものの、「こだま」は全く動いていません。
時刻はすでに24時を過ぎてしまっていました。
この時、不安を感じた北野がTwitterに呟いた内容はこうです。
「豊橋講演会終わってから軽く打ち上げして新幹線乗って名古屋戻れると思って乗ったら。三河安城過ぎて止まってかれこれ一時間半。もう新幹線で朝まで迎える感じかな」
飲酒後の脱水症状
「みなさん、台風の時に新幹線乗る時は気を付けてくださいね」
北野が、この後自身の身に起きた出来事について神妙に語り出します。
打ち上げで、生ビール2杯とハイボール2杯を飲んでいた北野。
豊橋から名古屋は通常、わずか23分。
いつもは用心深い北野なのですが、すぐに到着すると思っていたため、「大丈夫やろ」という安心感から、水やお茶などの飲み物を持参していなかったのです。
「異常にのどが渇きだしたのよ」
お酒を飲んだ後で、脱水症状を起こしてしまったという北野の身体。
「世間から見たら若く見えるけれども、59のおっさんや。初老やがな。脱水症状一番アカ
ンがな」
えもいわれぬ不安を北野が襲います。
「どこにも水はないです」
水を欲する北野ですが、「こだま」は車内販売はなし。
「俺もうJR東海に言いたいわ。こんなことあるからやっぱりな、自販機一台置いとかなあかんで」
いまや、車内販売も自販機も、紙コップで飲む飲料水も撤廃してしまった「こだま」に苦言を呈する北野。
「こだまで止まってしもたら、水分補給ないねん」
確かにあまりないことは言え、起こってしまった場合には大変な事態につながる可能性も考えられます。
緊急時用の水が車内に用意されているかもしれないと考えた北野。
女性の車掌さんに「すんませんけど水ないですか?」と尋ねたものの、「どこにも水はないです」とキッパリ言い放たれてしまったといいます。
もしこのまま朝まで止まってしまったら本当にヤバイと焦り始めたその時、北野の前に救世主が現れました。
「北野誠さんやね」
失意の北野の肩をトントンと叩いたのは1人のおじいさん。
「北野誠さんやね。ワシ飲んでない水があんねんけど。この口を開けてない水、飲むか?」
まさに天の助け。
「ええ人や!」と思ったものの「もし、朝までこのままの状態やったら、この水を僕が口つけてしもたら嫌でしょうから。いいです。僕何とかツバ飲み込んでます」と、一度は遠慮した北野。
それでもそのおじいさんは、「大丈夫、ワシはワシでもう絶対のど乾く感じはせえへんから、マコっちゃんがそこまでのど乾いて辛そうやったら、この封を開けてないペットボトルを飲みなさい」と、北野に水を手渡してくれたというのです。
「あんな時に飲んだペットボトルの水って。ウマイなー。めっちゃウマかったわ。何よりのごちそうや」
一気に半分ぐらい飲んだという北野、おじいさんのおかげで命拾いしました。
中日新聞で小っちゃいニュース
「JR東海、ホンマ思ったけど非常用の水要るで、あんな時のために。クレームではなくて、やっぱあれ病人とか出たら、水要るで!」
非常用の水の備えは絶対に必要だと訴える北野。
結局、北野が名古屋に到着したのは、1時50分。
新幹線の車内に、2時間半缶詰になっていました。
おじいさんに再度お礼を言いつつ別れると、今度はタクシーの大行列。
「AIで相乗りできるようにシステム作ってもらわな思ったわ。めちゃくちゃ並んでたもん」
ようやくホテルに戻った時、時刻は3時を回っていたといいます。
「あの1本の水がなければ、多分俺、干からびてましたよ。今日軽く、小っちゃいニュースになってたと思いますよ。多分中日新聞かなんかで『こだまの中で倒れる』『意識朦朧』『枯れ尽きる』…ミイラやね。『判断を誤ったか?』とか書かれて。それぐらい危なかった」
この日の放送が無事に行われたのも、あのおじいさんのおかげといっても過言ではないかもしれません。
まれにみるええ話
「台風が来てる時は早め早めの行動と、新幹線とか電車乗ったりとか、止まる場合もあるので。みなさんやっぱりね、食料とか水とかは極力買っておいてくださいね」
北野から説得力のあるアドバイスです。
「ホンマに昨日、僕を呼び止めて水をくださったおじいさん。ありがとうございました。ホンマにお礼申し上げます。あんなにありがたいことないですよ」
もしこのラジオを聴いていてくれたら、「あれワシやねん」と名乗り出てもらいたいとお願いする北野。
「お礼のお水を贈らせていただきたいと思いますので、お水かい!」
自己ツッコミします。
「人のありがたみっていうのはすげぇよくわかりましたね。オープニング、まれに見るええ話でしたね、人の温かみを知りました。本当にありがとうございました」
おじいさんへの感謝が止まらない北野でした。
(minto)
北野誠のズバリ
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2018年08月24日13時00分~抜粋