北野誠のズバリ

安倍首相も経験「潰瘍性大腸炎」ってどんな病気?

『北野誠のズバリ』の毎週水曜は、「ドクター石蔵の中高年よろず相談室」。循環器・心療内科・更年期が専門の医師で中高年アドバイザーの石蔵文信先生に、健康の悩みや夫婦の悩みなどを伺っています。

5月25日の放送では、潰瘍性大腸炎に関するおたよりを取り上げました。

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「潰瘍性大腸炎」ってどんな病気?

「最近、大腸の内視鏡検査をしました。ガンなどはなかったのですが、潰瘍性大腸炎と診断され、経過観察中です。軟便や下痢はありますが、血便はありません。お酒が影響しているのではと言われましたが、他にも何か考えられる原因があるのでしょうか。
私は薬が好きで、胃腸薬、栄養剤、ウコンなどを好んで飲みます。このような薬やサプリメントが大腸炎に影響することはあるのでしょうか」(Aさん)

安倍晋三首相が、第一次安倍内閣の時に苦労した病気として、世間に広く知られるようになった病気ですが、いったいどんな病気なのでしょうか。

石蔵先生によると、読んで字のごとく、大腸に潰瘍やびらんができて、血液が混ざった便や下痢、腹痛が起きる病気とのことです。

これと似た病気で「クローン病」がありますが、こちらは大腸だけではなく小腸にできたり、飛び飛びに病変ができることなどが潰瘍性大腸炎と異なるところであり、潰瘍性大腸炎は浅め、クローン病は深めの潰瘍ができるとのことです。

病気の原因はいまだに不明

次にどれぐらいの患者がいて、どんな人が病気になりやすいのか、聞いてみました。

日本の患者数は約1,000人に1人ぐらいの割合で、10代から30代と比較的若い世代の人が多いですが、中年の方もいます。

病気の原因はいまだに不明で、遺伝も要因の一つと言われていますが決定的ではなく、また、免疫の異常と腸内細菌のアンバランスが原因ではないかとも言われています。

安倍首相はいったん首相を辞任した後、後に潰瘍性大腸炎だとわかりましたが、ストレスなども原因に含まれるのでしょうか。

石蔵先生は、「確実にストレスがかかると悪化する病気の一つですから、安倍総理もかなりのストレスで病気になったと推測できますね」と答えました。

腸に悪いのはお酒と油もの

ただ、後に良い薬ができて、安倍首相は再任されるまで回復したと報じられたこともありましたが、新たな薬が開発されたのでしょうか。

石蔵先生は、「最近、(効果が)長続きするステロイド系の薬も出てますので、薬はどんどん進化してますから、総理を続けることができてると思いますけど」と答えました。

ただ、薬で症状はある程度抑えられても原因が不明なので、根本的な解消には至っていないことになります。

ここで最初の質問に戻りますが、潰瘍性大腸炎にあまり良くない物はあるのでしょうか。

お酒や油ものは元々腸に悪いので控えた方が良いとのことですが、ただ、食事制限をやり過ぎるとストレスがかかって、むしろマイナスになる危険があるため、食事制限を勧めないお医者さんもいるそうです。

また、抗生物質やいろいろな物を飲むと腸内細菌が死んでしまいますので、かぜ薬などはあまり飲まない方が良いとのことです。

最近では、健康的な便を腸に移植するという実験も行われているようですが、将来、腸の良い人は検便ならぬ献便を行うことがあるのでしょうか……。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2018年05月23日14時11分~抜粋

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