きく!ラジオ

避難生活と医療

9月は防災月間です。
CBCラジオでも、9月1日と3日に防災キャンペーンを行っており、「防災・減災」につながる情報を各番組でお届けしています。


高齢社会をより健やかに生きていくための正しい知識・情報などをお伝えする『きく!ラジオ』(CBCラジオ)の「健康生活」のコーナー。
このコーナーでも1週間に渡り「災害時の医療」について紹介しています。

3回目となる8月31日のテーマは「避難生活と医療」についてです。
藤田医科大学病院副院長で救急医療がご専門の岩田充永先生に、渡辺美香アナウンサーが話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

避難生活中に体調を崩したら

災害の初期は命にかかわるような重症患者の治療が最優先されることに触れました。
その後避難生活中に体調を崩したり、けがをした患者さんの医療についてです。

水や電気などライフラインが復旧してくる時期になると、病院も被災の程度がひどくなければ本来の設備が使えるようになってきます。

ただし、医療スタッフも被災していて、マンパワーはまだまだ足りないので、このような時に被災していない地域の医師会や赤十字社などが医療救護班を立ち上げて、被災地の病院の支援や救護所を立ち上げて診療をおこなうので、そこを受診することになると思います。

投薬中の人は注意

普段からお薬で治療をしている患者さんが、お薬を中断して体調が悪くなる場合が挙げられます。
高血圧や糖尿病、気管支喘息などで、普段からお薬が必要な方が被災して薬を中断してしまうと、いろいろな問題が生じてきます。

これを防ぐためには、普段通院しているかかりつけの医師と相談して、災害時に備えて薬を1週間くらいは備蓄しておくことがよいと思います。
また、薬を切らしてしまった時に、普段どのようなお薬を使っているのかがわかるように、お薬手帳や説明書きのコピーを避難時持ち出す備品に加えておく、という備えも大切になってきます。

その他の注意点

避難時の生活習慣によって体調を崩してしまうことが挙げられます。

避難所で生活している場合はインフルエンザやノロウイルス、最近では新型コロナウイルスもそうですが、感染症が流行しやすいので、避難所の換気、マスクの着用・うがい、手洗いの徹底などが大切になってきます。

これらに必要な物資がすぐに届かないことも念頭において、普段からマスク・手洗いやうがい用の水も準備しておくことが必要になってきます。

また、避難所生活となった場合には、仮設トイレの使用を避けて水分摂取を減らして脱水になってしまったり、活動が低下して下肢の血管で血液の塊ができてしまう血栓症を起こしてしまったりする危険があります。
これらを予防するためには、適切な水分摂取を行って、毎日身体を動かすということが大切になってきます。

避難所生活を送らないという選択肢は?

避難所生活を送らないという選択を考えられる方もいるかもしれません。

これは非常に難しいですが、特に普段から病気を抱えていて、避難所生活が馴染まない方は、早く安全な地域に避難をしていただくとか、今のコロナが流行っている時期であれば、熱が出たり、風邪症状がある方たちは、ご自宅で避難を続けることも選択肢にしなければならないと思います。

トイレなどは我慢しないでしっかりと水を飲まないと、ロングフライト症候群のような状態になりますし、既往症の有る方は二次的な病気を防ぐためにお薬を1週間程度備蓄しておくことにも留意してください。

次回のテーマも引き続き「避難生活と医療」です。
 
きく!ラジオ
この記事をで聴く

2022年08月30日12時48分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報