きく!ラジオ

けがの程度でどう変わる?災害時の治療体制

9月は防災月間です。
CBCラジオでも、9月1日と3日に防災キャンペーンを行っており、「防災・減災」につながる情報を各番組でお届けしています。


高齢社会をより健やかに生きていくための正しい知識・情報などをお伝えする『きく!ラジオ』(CBCラジオ)の「健康生活」のコーナー。
このコーナーでも1週間に渡り「災害時の医療」について紹介しています。

2回目となる8月30日のテーマは「災害時の治療」についてです。
藤田医科大学病院副院長で救急医療がご専門の岩田充永先生に、渡辺美香アナウンサーが話を伺いました。

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災害時に大勢の患者が受診したら?

救急隊員や医療従事者によって「トリアージ」という重症度の選別が行われます。

短時間で一定の項目を観察して、ただちに治療をしなければならない人たち、できるだけ早く治療をしなければならない人たち、緊急で治療が必要ではない人たちなどに判断されます。

歩ける程度の外傷の患者さんや血圧が保たれている患者さん、呼吸状態に問題がない患者さんは緊急には治療が必要ないと判断されます。
このような場合には、かなりの長時間お待ちいただくことをご了解いただきたいです。

重いけが人が搬入されたら

倒壊家屋などに下敷きになる、火災でひどいやけどを負うなどで内臓や頭、筋肉にひどい損傷を負った場合は、救出された後に手術や血液透析、人工呼吸など高度な救命医療が必要になってきます。

しかし、これらの治療に水や電気を必要とします。
水や電気が十分に供給されていない地域ではこれらの治療ができませんので、安全な地域の救命救急センターに搬送するような計画を立てています。

危険な状態の患者の搬送

搬送中に状態が悪化しないためのできる限りの処置を行ってからなのですが、重症な患者さんを遠く離れた安全な地域の病院に搬送するのは大変なことです。

そのため、被災地の病院だけではとても対応できないような大災害の時には、DMATチーム(約800チーム)という、厚生労働省の特別な訓練を受けた災害医療チームなどが被災地に駆け付けて、重症患者さんの搬送などの医療支援を行います。

DMATチームが被災した病院で医療を援助したり、病院から空港への搬送、被災地の空港から安全な地域への搬送などの業務を行うために、病院以外にも空港などでも医療活動を行うのです。

東日本大震災での措置事例

2011年に発生した東日本大震災の時には、東北地方の患者さんが自衛隊機で北海道や東京に搬送され治療がなされたことがあります。

この中京地域でも、例えば愛知県が地震などで大きな被害を受けて県内の病院では十分な治療ができない場合には、県営名古屋空港から安全な地域へ搬送するような計画が立てられ、実際に訓練もされています。

次回のテーマは、「避難生活と医療」です。
 
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2022年08月30日12時48分~抜粋

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