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あなたは正しく薬を飲んでますか?

あなたは薬を正しく飲んでいますか?
良くなるとすぐに飲むのをやめたり、昔の薬を同じ症状だからとまた飲んだり、何気なくしていることが間違っているとしたら?

薬の正しい飲み方を、重盛啓之アナウンサーが名古屋大学医学部附属病院、薬剤部長の山田清文先生から伺いました。

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薬を飲む際の約束事は?


薬といっても、薬局で処方箋なしで買えるものから、病院にいって処方箋がないともらえないものまであります。形も、錠剤、カプセル剤、水剤のように口から飲む薬、点眼剤、座薬、あるいはインスリンのような注射まで、いろいろな剤形があります。

共通して言えることはいたってシンプル。
「医師・薬剤師から指示されたことをきちんと守って飲む」ということです。
症状が軽いからといって半分にしたり、しんどいからといって多く飲んだりといったことは絶対にやめてください。

病院でもらう薬ですが、患者さんごとに調製しているので、症状が同じだからといって、他の人にあげたりもらったりするはやめてください。

症状が同じでも原因が全く違うこともあります。その薬を飲むとかえって症状が悪くなったり、効かないということもあります。
また薬局で買った薬に比べて、病院でもらう薬は効果が強くなっています。

医師から指示された用量用法を守らなければならない、もうひとつの理由。
原因は同じでも、人によって肝臓や腎臓の機能が随分違うことが挙げられます。
薬は吸収されると肝臓で代謝・分解され、腎臓から小便の中に排泄されます。もし肝臓や腎臓の機能が弱っていると、体の中の薬の濃度が高くなってしまうので、最初から用量を少なくしていることもあるのです。

「食後」とは具体的に何分後?


食後の服用という指示が多いと思います。
食後とは「食事の後30分」ということです。でも、ご飯を食べて一服してからだと忘れてしまうので、私たちはご飯を食べて「ごちそうさま」と言ったらそこで飲めばいい、と説明しています。

1日3回であれば朝昼晩、本来は8時間おきに飲めばいいのですが、それでは忘れるので、リズムをつけるために、毎食後「ごちそうさま」の後で飲むといいと思います。

薬によっては、どうしても食べる前に飲まないといけない薬があります。そういう場合は「食前」という指示になります。食前とは「食事の前30分」です。

薬によっては食べる直前、食事の5分前、10分前には飲んでください、という指示もあります。
例えば、糖尿病の薬でインスリンを出す薬がありますが、食前30分ですと、薬を飲んでから食事をとる30分の間に低血糖になってしまう場合もあります。
ですから指示をちゃんと守って飲むことが大事だと思います。

本当にまれですが、食間という指示もあります。食間とは食事と食事の間、「食後2時間」くらいです。食事中と勘違いされるときがありますが、そういうことではありません。
食間あるいは食前という指示は漢方の薬が多いのです。

薬を飲むときの注意点


薬はコップ1杯程度の水で飲むのが良いと思います。あまり少ないと喉に貼りついたりします。
「ジュースとか牛乳で飲んでいいですか?」と聞かれますが、たいていの場合そんなに影響はないですが、薬によっては血中濃度が高くなったり低くなったりしてしまうものもありますので、基本的には水がいいと思います。

錠剤やカプセル剤を噛まずに飲むことも大事です。薬によっては非常に苦かったり、あるいは胃で溶けずに腸で吸収される工夫がなされている薬もあるので、噛んでしまうとそういう工夫が水の泡になるからです。

もし飲みにくい時には薬局、病院で相談すると、少し味をつけたものとか、飲みやすくしたものもあります。あるいは、散剤、粉の薬にして飲みやすくしたりとか、いろいろな工夫ができます。

「病院で処方された薬は、その人以外は飲まないように!」重盛アナは改めて強調しました。
(みず)
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2017年04月10日12時46分~抜粋

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