つボイノリオの聞けば聞くほど

8時間労働・最低賃金…世界中で労働者が勝ち取った権利

日本ではゴールデンウイーク真っ只中ですが、5月1日には労働者の祭典「メーデー」が世界各地で行われます。

5月1日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、小高直子アナウンサーと榊原悠介アナウンサーが「メーデー」について紹介します。

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重要な記念日

メーデーは、労働者たちが集まって権利を主張する日です。
日本では、4月27日に連合が開催した「神戸大倉山野球場にて第95回兵庫県メーデー神戸中央大会」に各政党の党首が出席している様子が、ニュースで報道されました。

榊原「厳しい声が出る場面などが報道されていましたね」

小高「でもね、メーデーはもともと古代ローマで春の女神を称える儀式に由来するお祭りなんですって」

榊原「ほそうなんですか?」

古代ローマでは春の訪れを喜び合い、今後の豊かな収穫を祈る大切な日だったそうで、この日は労働者と雇い主が争いをやめてともにお祝いする習慣があったといいます。
現在の労働者の権利を主張する日という意味とはずいぶん違った日だったようです。

労働者が権利を主張

メーデーの意味合いが変わったのは、1886年5月1日でした。

合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟、AFL)が、シカゴを中心に8時間労働制要求の統一ストライキを行ったのが始まりです。
これが現在の労働者の祭典としてのメーデーにつながりました。

1890年5月1日、ヨーロッパ各国やアメリカなどで第1回国際メーデーが実行されています。

榊原「これが日本にも伝わってきたというわけなんですね」

小高「日本では1905年、明治38年ですね。社会主義結社の平民社の主催で開かれた茶話会がメーデーの先駆けだと言われていますね」

その後、1920年(大正9年)5月2日に東京・上野公園で第1回メーデーが開催されました。1万人の労働者が集まり、8時間労働・失業防止・最低賃金法の制定などを訴えたそうです。

後世により良い環境をつなぐ

8時間労働・失業防止・最低賃金法の制定などは、現在の労働環境や労働法規にもつながっている重要な項目が揃っています。

その後、1936年に二・二六事件が発生し、日本政府が戒厳令が敷いた後、3月19日付で当時の内務省が治安維持を目的とする内務省警保局通牒(俗にいう治安維持法)を出したことで集会や運動が一切禁止され、メーデー開催ができなくなりいったん途絶えます。

小高「太平洋戦争終戦後の1946年、50万人が集まるメーデーが開催されて、ここで復活してます」

現在は労働組合の再編などもあり、連合・全労連・全労協に分かれて開催していますが、メーデーは今でも働きがいや経済成長にもつながる大切な日だとも言えるでしょう。

榊原「先人たちがこうした要求を少しずつしていったことで、労働者の権利を勝ち取ってきたということを忘れず、わたしたちも主張すべきことはしっかり主張して、後世の人たちが働きやすいように世の中を作っていかないといけませんね」

最近はあまり集団でストライキや団体交渉を行うことが少なくなり、労働組合に入る人自体も減っていると言われます。
しっかりと政治の動きを注視し、主張するべきことは主張して声をあげることの大切さを考える日でもあるようです。
(葉月智世)
 
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2024年05月01日11時31分~抜粋

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