小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明する『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)の「SDGsのつボ」コーナー。
日本でも、初夏から秋にかけて蚊が多くなります。
日本ではあまりありませんが、熱帯・亜熱帯地域では蚊が様々な病気を媒介して人々の命が危険にさらされている現実があり、日夜対抗するための研究が進んでいます。
10月19日の放送では、「蚊が媒介する病気に対する研究」について紹介します。
こどもの致死率が高いマラリア
10月18日の中日新聞に「名古屋のSORA Technology株式会社が、西アフリカのシエラレオネでマラリア被害を減らす実証実験に取り組んでいる記事があった」と紹介する小高直子アナウンサー。
マラリアは「ハマダラカ」という蚊を介して、マラリア原虫に感染することで発症する病気です。
熱帯・亜熱帯地域で多く、中でもサハラ以南のアフリカ、南米アマゾン河流域、パプアニューギニアなど大洋州地域が高度流行地です。
これらの地域では、乳幼児が命を落とす大きな原因のひとつとなっている現実があります。
なお、日本での年間の感染者数は約50~70人程度で、該当地域へ渡航歴のある人が大半です。
小高「マラリアにかからないためには、蚊に刺されないようにすることが大切なんですね」
このSORA Technologyでは、ドローンで空から写した画像とAIの技術を組み合わせて、蚊の幼虫(ボウフラ)がいる水たまりを特定することに成功したそうです。
マラリアを撲滅するために
この技術を使うと、今まですべての水たまりに巻いていた駆除剤をリスクの高い水たまりに絞って撒くことができるようになります。散布する労力・駆除剤の費用を大きく削減できるとのこと。
つボイノリオ「舗装されていない道路に水たまりが多いと。そこにボウフラがいる。ボウフラのいる水たまりを狙うってことですかね」
小高「ボウフラがいる水たまりを特定できるという技術は、大きな助けになりますね」
マラリアについては、昨年10月に世界で初めてワクチンが承認されたことでも話題になりました。
イギリスの製薬会社が開発したもので、従来の抗マラリア薬と併用することで死者や重症者減らすことが判明しています。
このワクチンについては、現在WHO(世界保健機関)がアフリカのこどもへの使用を推奨しています。
今後もドイツの企業が新型コロナウイルスの研究技術を使ったマラリアワクチンの開発をする、ということも発表されています。
蚊が媒介する病気
蚊が媒介する病気は、マラリアだけではありません。
多くの研究が行われており、10月15日の中部経済新聞には「蚊が肌に止まらない機能を持つ虫よけ剤を研究した仲川喬雄さんの話題も載っていました。
東京大学農学部を卒業後、花王株式会社でスキンケア専門の研究者たちと10年越しで開発したんだとか。
小高「蚊が脚につくことを嫌がる油を活用して作られていて、カバの汗がヒントになったんですって」
つボイ「細かい観察からよくここまで導き出しましたね。よりによってカバですか」
この虫よけ剤は今年6月、蚊が媒介するデング熱の被害が多いタイで発売されています。
小高は「SDGsの目標3は『すべての人に健康と福祉を』です。蚊の対策をすることは、多くの人の健康と命を守ることにつながる。そのための研究が日進月歩で進んでいる』と締めくくりました。
(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年10月19日11時32分~抜粋