詐欺に遭わないように警鐘を鳴らす『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)の「詐欺のコーナー」には、オレオレ詐欺に始まってスパムメール、フィッシングメール、インチキ電話など様々な手口が寄せられます。
8月2日放送分ではつボイノリオ自身も実体験を語りました。
高齢者を狙う詐欺
5月の終わりに、愛知県豊橋市で80代の女性が、団体職員を名乗る男などからウソの電話を受け、現金6980万円をだまし取られた事件がありました。
「豊橋の事件、驚きました。犯人はなぜ80代の女性が大金を持っていたことを知っていたんでしょうか。女性は大金を置いておいたんでしょうかねえ」(Aさん)
つボイ「昔は銀行に預けたり、郵便局に預けたりしたらよかったんですけど、いま全然金利がつかないですもん」
金利がつかないなら、わざわざ銀行へ下ろしに行く手間を省くために、手元に置いておこうという心理にもなり、それが事件の背景にあるのでは?と分析するつボイ。
詐欺の手口は電話から
豊橋市の事件は一本の電話から始まりました。
「あなたの個人情報が流出しています。個人情報が流出するということは、お金も併せて流出するという可能性もございます。名義変更の手続きに必要な番号をお伝えします」
こんな内容の電話が、昨年の9月下旬に団体職員を名乗る男から女性宅にかかって来たそうです。
もちろん「名義変更に必要な番号」は嘘です。この詐欺の手口は、この番号がポイントです。
次に「名義変更をするので、必要な番号を教えていただきたい」という電話が、NPO法人や医療センターなどを名乗る人物から複数回ありました。
嘘の上にさらに嘘
そんなことが続いた後…。
「番号を他人に教えたことは違法行為です。あなたがやったことで、どれだけ多くの人が迷惑しているか。それをもみ消すために1980万円必要です」という電話がかかって来ました。
さらに「身柄を拘束されないために5000万円でなんとかいたします」と言われ、80代の女性は、自宅を訪れた男に4回にわたって、結局、6980万円を騙し取られてしまいました。
詐欺集団は「名義変更に必要な番号」という架空の番号を考え、それを元に話をでっちあげて高齢者の不安を煽ります。
不安になったところへ手を差し伸べるふりをして現金を騙し取る手口でした。
つボイ「こういうことを知ってもらいたいために、このコーナーを作ってるわけですね」
雑学が身を守る?
続いて千葉県で起きた事件。
被害者宅に「あなたのタンス預金は偽札にすり替えられているかもしれないという情報が、いま警察署に入ったんですよ」と、警察署員を名乗る男から電話がありました。
「偽札はチェックのため30分ほど預る」と言われ、偽札と本物を見分ける方法を教えられました。
「偽札は、お札の番号の末尾がアルファベットです」と言われた被害者は愕然。
しばらくして、自宅を訪れた署員を名乗る男に全額渡してしまいました。その金額4200万円。
ちなみに本物の紙幣に印刷されている番号は末尾がアルファベットで終わっています。
「こんな発想をする詐欺師が本当に賢いなあと思いました。」(Bさん)
つボイ「いろんなこと知っとかないかんよね。お札の末尾なんて、私なんか見たことないからね」
雑学クイズのような隙を突いてくる手口に、つボイも感心します。
高齢者だけの世帯かを確認
リスナーの体験談が紹介されました。
「土曜日の昼間のことでございました。ピンポーン。太いボンタンを穿いた知らない男性が訪問してきました。85歳の母が応対しました」(Cさん)
その様子をそっと見ていたCさんの報告です。
「近所で工事をする予定なので、工事車両を北側の道に停めさせてもらいます」という断りの挨拶。
「工事車両なんて無断で停まってることがよくあるから、親切な業者だなと、ここまでは不審に思わなかったんです」(Cさん)
話が変わっていく
今度は「お宅は、お母さんとお父さんの二人暮らしですか?」と、年寄りの二人暮らしかを確認する質問が聞こえたそうです。
「で、『向かいの家に連絡しに行った時に、お宅の大屋根の瓦がちょっとずれてるんですよ。気づいてました?』と、母を外に連れ出して屋根を指さしていました」(Cさん)
つボイ「素人が見てもダメなのかわかれへん。ここから、もうおかしいです」
Cさんの母が「すぐ近くに建ててくれた大工さんが住んでいるから、大工さんに見てもらいます」と言うと話は急展開。
「これは、すぐに工事しないとまずいことになる」と説明を始める男性。
つボイ「んなことあるかい。仮に悪いとこがあったとしても、雨漏りもなく、今までずっとやってきたのに、すぐ直さないかんということはない」
「『工事車両停まってる時は、私がそばに立ってますから声かけてくださいね』。こう言って立ち去った男性の様子をしばらく見ていました」(Cさん)
やがて男性は、Cさんの母に伝えた工事車両が停まる場所とは、全く影響を受けない近所のお宅に入って行ったそうです。
つボイも経験した手口
「訪問で工事を知らせると見せかけて、屋根の修理を誘うというのは初めてでした」(Cさん)
この悪徳屋根リフォームについては、つボイも実家で経験がありました。
つボイ「うちの場合は『工事の音がやかましくなる』と挨拶に来て『ところでお宅の屋根は…』と、やっぱり屋根のことでした」
ちょうど近所で工事をしてるので、その間に声をかけてくれれば、すぐに対応すると言って、手書きで連絡先の電話番号も置いて行ったそうです。
つボイ「隣のおばさんが町内の主みたいな人で何でも知ってる。『どこも工事なんかしとれへんよ。あれへんあれへん』って言ってました」
いろんな手口が身近にあります。皆さんも気を付けてください。
(尾関)
つボイノリオの聞けば聞くほど
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2022年08月02日10時02分~抜粋